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文献名1霊界物語 第34巻 洋万里 酉の巻
文献名2第2篇 有情無情よみ(新仮名遣い)うじょうむじょう
文献名3第13章 行進歌〔954〕よみ(新仮名遣い)こうしんか
著者出口王仁三郎
概要
備考
タグ データ凡例 データ最終更新日2022-09-16 10:43:22
あらすじ虎公以下三人の村人たちは、房公と芳公を建日館に案内する。道々、房公は声を張り上げて歌いだした。房公の歌は、黒姫をからかいながら、これまでの道中やいきさつをこっけいに歌いこんでいた。次に虎公は、この歌に引き出された自らも歌いだした。虎公は、玉公の相談に山中で乗っているところへ黒姫に出くわし、黒姫の言付で房公と芳公を待っていたことを歌った。そして房公や芳公とのこっけいな掛け合いの様を歌いこみ、建日別や黒姫が親子対面できるようにとの祈りで歌を終えた。芳公はまた、黒姫の過去や所業を滑稽な歌にして歌いながら、一行は建日館を指して進み行く。
主な人物 舞台 口述日1922(大正11)年09月13日(旧07月22日) 口述場所 筆録者加藤明子 校正日 校正場所 初版発行日1923(大正12)年12月10日 愛善世界社版168頁 八幡書店版第6輯 423頁 修補版 校定版175頁 普及版72頁 初版 ページ備考
OBC rm3413
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本文  房公、芳公の二人は虎公外三人を伴ひ、建日の館をさして、道々無駄口を叩きながら進み行く。
 房公は声を張り上げて謡ひ出したり。
『三五教の宣伝使  真黒々の黒姫が
 夫の所在を探ねむと  孫、房、芳の三人を
 自転倒島から連れて来て  建日の別の旧蹟地
 岩窟のすこし手前にて  孫公さまが躓いた
 房、芳二人は仰天し  水よ気付と狼狽へて
 介抱するにもかかはらず  黒姫さまは何故か
 ニヤリニヤリと笑つてる  冷酷非道の鬼婆と
 心の中にて憤慨し  オツトドツコイ危ないぞ
 そこには尖つた石がある  どいつも此奴も気を付けよ
 孫公のやうに躓いて  怪我を致しちや堪らない
 オツトドツコイ脇道へ  俺の歌奴が脱線し
 分らぬやうになつて来た  黒姫さまは何故か
 悪垂口を叩きつつ  痛さに苦しむ孫公を
 見向きもやらず捨てて往く  吾等二人は是非もなく
 黒姫さまに随うて  岩窟の前に往て見れば
 闇の帳は忽ちに  引き下されて目も鼻も
 口の所在も分らない  茲に一行三人は
 天津祝詞を奏上し  憩ふ折しも岩窟の
 中より響くドウラ声  ハテ何者の出現と
 心を配る折もあれ  岩窟の中より黒姫を
 悪垂婆アと呶鳴り出す  黒姫さまは腹をたて
 何だかんだと争ひつ  腰折だらけの歌をよみ
 やつとその場のごみ濁し  命からがらドツコイシヨ
 夜明けを待つて逃げ出せば  胸つき坂の右左
 草ぼうぼうと生え茂る  細谷道をハアハアと
 息をはづませ来る中に  喉をかわかせ両人が
 苦しむ折しも傍に  滾々として湧き出づる
 甘き清水に喉湿し  黒姫様にいろいろと
 小言八百並べられ  湧いた水より劫わかし
 横にごろりと長くなる  どうしたものか両人の
 尻は大地に吸ひついて  ビクともしない苦しさに
 黒姫さまに誤解され  放ときぼりを喰はされた
 吾等二人の腑甲斐なさ  黒姫さまは吾々を
 後に見捨てて登り行く  二人は後を見送つて
 悪垂婆アの黒姫と  呟く折しも忽ちに
 レコード破りの暴風雨  巨石を飛ばし木を倒し
 礫のやうな雨が降る  こりや堪らぬと一心に
 天地の神を祈る折  忽ち聞ゆる宣伝歌
 玉治別の玉の声  聞ゆる間もなく荒れ狂ふ
 風雨は忽ち鎮静し  平和の雲は中天に
 揺ぎ初めたる嬉しさよ  それより吾等は黒姫の
 後を追ひかけ来る折  高山峠の下り坂
 岩石崎嶇たる峻坂に  ふと出遇した四人連れ
 此奴はテツキリ泥棒と  早合点の両人は
 天狗の孫と偽つて  威してやらむと思ふ間
 思ひもかけぬ虎公が  草鞋をやらうと吐す故
 いやいやながら受け取つて  お気に召さねどドツコイシヨ
 此処迄はいて来てやつた  芳公の痩相撲漆山
 鬼ケ嶽との相撲話  面白をかしく喋り立て
 茲に六人は兄弟の  気取りとなつて火の国の
 建日の館に出でて往く  嘸今頃は黒姫は
 建国別に面会し  お前は吾子か母さまか
 逢ひたかつた見たかつた  尊き神の引き合せ
 こんな嬉しい事あろか  何は兎もあれ第一に
 天津祝詞を奏上し  感謝祈願を申上げ
 館の上下打揃ひ  ドツサリ祝ひを致さうと
 嘸今頃は神館  上を下へと騒がしく
 喜び勇む事だらう  あゝ惟神々々
 御霊幸はひましまして  黒姫さまも今迄の
 我情我慢を改めて  誠の神の司とし
 三五教の御光を  照らす真人となさしめよ』
と謡ひ乍ら、房公は虎公の後に随いて往く。虎公は此歌に引出されてか又もや謡ひ出したり。
『武野の村の玉公が  どうしたものか此頃は
 家の秘蔵の水晶玉  黒点出来たと気を焦ち
 こいつア全く黒姫と  云ふ曲神が此島に
 やつてうせたに違ひない  今から急ぎ山頂に
 登つて待てば黒姫が  登つて来るに違ひない
 オイ虎公よ俺のため  嶮しい坂ではあるけれど
 どうぞ送つて呉れないか  お前を男と見込んでの
 俺の頼みぢやと吐す故  忙し中を繰合し
 乾児の奴を引き連れて  高山峠の絶頂で
 三五教の黒姫が  登り来るをドツコイシヨ
 今や遅しと待つ間に  玉公さまの発起にて
 白と黒との石集め  勝負を初むる折柄に
 待つ間程なく黒姫が  草鞋脚絆に身を固め
 金剛杖に蓑笠の  軽き扮装スウスウと
 息をはづまし登り来る  此奴アてつきり黒姫に
 相違あるまいドツコイシヨ  皆々気をつけ危ないぞ
 一つ辷れば谷底ぢや  黒姫さまの物語り
 耳を澄まして聞く中に  火の国都にかくれなき
 高山彦の女房と  聞いて五人は吃驚し
 合点の往かぬ事だなア  うつかり手出しは出来ないと
 初めの勢ひどこへやら  勇みきつたる虎公も
 忽ち猫と早変り  こらまア何と云ふ事だ
 合点のゆかぬ節がある  それにモ一つ不思議なは
 黒姫さまの若い時  捨子をしたのが武野村
 神の館のドツコイシヨ  建国別ではあるまいか
 一つ訪ねて見ようかと  心ありげに云ふ故に
 玉公さまは呑み込んで  案内の役と早替り
 悪魔と思うた黒姫の  唯一の力となり果てて
 神の館へ導いた  黒姫さまが云ふ事にや
 房、芳二人の伴の奴  後から来るに違ひない
 虎公さまよお前達  此処に待ち受け両人を
 否応云はさず捕まへて  建日の館へ連れて来い
 キツと頼み置くぞよと  黒い顔して云ふた故
 ウンと呑み込み男達  虎公さまもドツコイシヨ
 一度人に頼まれて  後へは引けぬ此気質
 房公、芳公両人の  力の弱い蛆虫を
 今か今かと待つ間に  房公さまが真跣足
 血潮を足から流しつつ  天狗の孫だと空威張り
 坂道下るをかしさよ  そこで虎公が声をかけ
 尋ねて見れば黒姫の  お後を慕うて来た二人
 社会奉仕の積りにて  草鞋一足放り出して
 是を穿けよと云つたらば  二人の奴は喜んで
 女子の腐つた奴のよに  べそべそ涙を流しつつ
 ハイハイ頂戴致します  どこの誰人か知らねども
 見知らぬ他人の此私  価も無しに頂くは
 私の心が済みませぬ  価を取つて下されと
 遉律義の申分  こいつア矢張麻柱の
 道を奉ずる信徒と  思うた故に虎公は
 元気をつけてやつたれば  忽ち変る空威張
 肩肱怒らす面白さ  芳公さまが図に乗つて
 俺でも元は芳野川  自転倒島にて名をあげた
 負た事なき相撲取  鬼ケ嶽とドツコイシヨ
 二番勝負をした時に  先には俺が負たれど
 後は先方が勝ちよつた  何の彼のと負惜み
 ドツコイドツコイドツコイシヨ  減らず口をば叩きつつ
 終の果にや房公に  薩張実状あばかれて
 芳野川とはドツコイシヨ  隣に住んだ相撲取
 褌持のドツコイシヨ  握り飯をば喰ふやつ
 取つたら仰むく鍋蓋と  名乗りを上げた痩相撲
 触ればまけるウントコシヨ  漆山だと打ち名のり
 其場のごみを濁しつつ  此処迄やつと従いて来た
 芳公さまの罪のなさ  あゝ惟神々々
 御霊幸倍坐しまして  建国別の宣伝使
 黒姫さまの生みの子で  どうぞあつて欲しいもの
 ドツコイドツコイさうなれば  黒姫さまも落ち付いて
 爺の後を探ねまい  吾等が信ずる宣伝使
 高山彦の御前で  何だかんだと痴話喧嘩
 ごてごて云はれちや堪らない  俺ばつかりか愛子姫
 其他数多の人々も  定めし迷惑するだらう
 朝日は照るとも曇るとも  月は盈つとも虧くるとも
 仮令大地は沈むとも  黒姫さまが三五の
 真の道に猛進し  恋の妄執相晴らし
 建国別の館にて  母子夫婦の睦み合ひ
 いやとこしへに神の道  四方に照らして呉れるやう
 純世の姫の御前に  武野の村の男達
 虎公さまが真心を  こめてぞ祈り奉る
 嗚呼惟神々々  御霊幸倍ましませよ』
と歌ひ終るや、芳公は又虎公の歌に引かされて坂道を歩みながら駄句り初めたり。
『あゝ惟神々々  神が表に現はれて
 善と悪とを立て別ける  此世を造りし神直日
 心も広き大直日  直日のみたま幸はひて
 黒姫さまが探ね来る  高山彦との関係を
 事なく納めたまへかし  ウントコドツコイ危ないぞ
 どいつも此奴も気をつけよ  そこには深い谷がある
 黒姫さまが又しても  高山さまに口答へ
 金切声を絞り上げ  呶鳴り散らされドツコイシヨ
 荒れ狂はれては堪らない  第一神の名を汚し
 三五教の面汚し  高山彦の面目は
 茶ツ茶無茶苦になるだらう  俺はそいつが気にかかる
 何とかドツコイ穏かに  納めて見たいと朝夕に
 神に念じて居る哩の  さはさりながら此度は
 都合のよい事出来てきた  三十五年の其昔
 赤襟姿の黒姫が  粋な男とドツコイシヨ
 人目を忍んでこしらへた  ドツコイ ドツコイ ドツコイシヨ
 赤子を無残に四つ辻に  捨てた思案の後戻り
 やうやう此頃気がついて  血道をあげてほれきつた
 高山さまよりドツコイシヨ  吾子の方が可愛なり
 火の国行を後にして  建日の館に往たさうな
 是も尊き神様の  仁慈無限の引き合せ
 ほんに目出度いお目出度い  さはさり乍らひよつとして
 建国別の宣伝使  黒姫さまの子でなうて
 ドツコイシヨウドツコイシヨウ  人の捨子であつた時
 どうして心が納まろか  それ計りが気にかかる
 ウントコドツコイドツコイシヨ  国魂神の純世姫
 金勝要の大神の  御守護を願ひ奉る
 あゝ惟神々々  御霊幸倍ましませよ』
と謡ひながら建日の館をさして進み行く。
(大正一一・九・一三 旧七・二二 加藤明子録)
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