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文献名1霊界物語 第35巻 海洋万里 戌の巻
文献名2第1篇 向日山嵐よみ(新仮名遣い)むこうやまあらし
文献名3第7章 乱舞〔971〕よみ(新仮名遣い)らんぶ
著者出口王仁三郎
概要
備考
タグ データ凡例 データ最終更新日2022-09-24 11:12:18
あらすじ八公はおぼつかない有様ながらも歌いだした。もともと武野村の玉公が、黒姫を改心させようと虎公親分を頼んで高山峠に待ち伏せしていたが、黒姫をかえって建日館に案内することになった経緯を歌った。虎公が三公たちの襲撃やたくらみを神助によって退け、屋方の村に来てみれば、三公は大蛇が抜けて改心していたことを歌い、そのあとは滑稽歌を出まかせに歌って踊り狂った。高公は、大蛇の三公の子分になった自分の身の上のいきさつを明かし、兼公たちが幽霊の真似をしてやってきて腰を抜かしたさまを滑稽に歌った。脱線だらけになりウラル教式になってしまっていたが、互いに心を打ち解けためでたい酒宴だからと黒姫や虎公、三公、お愛も今日ばかりは例外だと、子分たちが自由に乱舞するに任せていた。
主な人物 舞台 口述日1922(大正11)年09月15日(旧07月24日) 口述場所 筆録者松村真澄 校正日 校正場所 初版発行日1923(大正12)年12月25日 愛善世界社版68頁 八幡書店版第6輯 496頁 修補版 校定版73頁 普及版24頁 初版 ページ備考
OBC rm3507
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本文  八公は徳公の歌にそそられて、覚束なくも謡ひ初めたり。
『武野の村の玉公が  親の代から伝へたる
 水晶玉が如何してか  俄に黒く曇り出し
 心をひそめて伺へば  筑紫の島に黒姫が
 泥をば吐きに来よつたに  てつきり違ひはないものと
 大当外れの判断に  親方さまを頼み込み
 無花果取るは表向き  高山峠を登り来る
 黒姫司を捉まへて  改心ささねばならないと
 新、久、八の三人も  親分さまの言ひ付で
 嶮しき山をよぢ登り  峠の絶頂に車座と
 なつて白黒石卜を  初める時しも黒姫が
 てつきり此処にやつて来た  いきり切つたる吾々は
 黒姫司を見るよりも  俄に心機一転し
 どことはなしに具はりし  其神徳に敬服し
 建日の館の神司  建国別の許にゆき
 親子の対面させむとて  山坂越えて進み行く
 さはさりながら黒姫や  こちらの目算相外れ
 親でもなければ子でもない  肉体上から言うたなら
 あかの他人と知れた故  是非なく此処を立ち出でて
 九十九曲りの坂路を  親分さまの後につき
 火の国街道の山口に  下りて見れば六公が
 数多の乾児を引きつれて  喧嘩装束いかめしく
 捩鉢巻で待つてゐた  さすがに偉い虎公は
 皆の奴をば追つ払ひ  お愛の方の遭難を
 助けてやらねばならないと  一目散に走り行く
 深谷川の丸木橋  渡つた所で黒姫や
 案じて居つたお愛さま  お梅さまにも出会して
 やつと安心する間なく  屋方の村の三公を
 三五教の大道に  救ひやらむと勇み立ち
 向日峠の坂路を  「ウントコドツコイ ドツコイ」と
 拍子を取りつつ下り来る  いつの間にやら「ドツコイシヨ」
 水晶の玉がなくなつた  いやいや さうではない程に
 水晶玉を持つた主  玉公の奴が雲がくれ
 分らぬ奴は放つとけと  大地をドンドン響かせつ
 波布や蜈蚣の横たはる  恐ろし道をふみ越えて
 屋方の村に来て見れば  思ひがけなき三公の
 鬼は忽ち神となり  大蛇は逃げて神の宮
 尊き人となつてゐた  あゝ惟神々々
 神の恵は目のあたり  若しも大蛇の三公が
 昨日の心で居つたなら  さぞ今頃は親方と
 ヤツサモツサの腕比べ  剣光閃き雷の
 鳴り轟きて血煙の  雨が降つたに違ひない
 グヅグヅしてゐりや俺までが  笠の台までむしられて
 いやな冥途へ死出の旅  三途の川の渡場で
 婆さまに叱られ居るだらう  同じ婆さまと言ひながら
 三五教の神司  黒姫司の御前で
 結構な結構な酒を呑み  一同揃うて睦まじう
 喧嘩和合の大酒宴  こんな目出度い事あろか
 案に相違の今日の首尾  私は嬉して飛び上り
 手が舞ふ足が踊り出す  何とはなしにブカブカと
 体一面浮いて来た  浮く奴ア瓢箪のみぢやない
 八公の体も今ういた  サアういたり ういたり酒のんで
 うき世を渡れ皆さまよ  うきに沈んで暮すのは
 其奴は悪魔の仕業ぞや  夢のうき世といふからは
 人はうくのに限るぞや  火の国川の筏さへ
 朝から晩迄ういてゐる  ヨサミの池のかいつぶり
 をしどりさへも夫婦連  仲よう暮してういてゐる
 うけよ、うけうけ皆の奴  大海原の舟のよに
 「ウントコドツコイ」人の世は  うき世三分といふぢやないか
 朝から晩まで修羅もやし  何の彼んのと うき苦労
 する馬鹿者の気が知れぬ  酒さへ飲めばいつもかも
 心がういて掛取の  矢の催促も梅の花
 鶯とまつて鳴くやうな  程よい声に聞え来る
 人は心が第一だ  心一つの持様で
 ういて暮すも一生なら  沈んで暮すも一生だ
 「ウントコドツコイ」浮沈み  七度あるのが人間と
 どこの奴だか知らないが  吐いた奴は馬鹿者だ
 七度八度九度  百度千度万度
 ういて暮すがうき世ぞや  石や瓦ぢやあるまいし
 神の御霊を授かりし  人の身としてやすやすと
 沈んで暮して堪らうか  あゝ惟神々々
 冷の酒より燗がよい  「かんかんカラケツかあん かあん」
 「カンカラベラ棒ドツコイシヨー」  坊主鉢巻リンと締め
 威張つて見たとて支柱がない  さはさりながら酒のめば
 如何しても一度はヅブ六に  なつた揚句は茹蛸だ
 顔も手足も真赤いけ  骨はやはらぎグニヤグニヤと
 蒟蒻見たよになつて了ふ  体も心もやはらいで
 初めて天下は泰平だ  俺の内でも嬶天下
 酒さへ呑ましておいたなら  暫く泰平無事の夢
 貪る事が出来るぞや  無料の酒ならかまやせぬ
 皆さまドツサリよばれませう  未熟者奴と思はずに
 冷酒ならぬカン直日  御馳走の数も大直日
 何卒見直し聞直し  無礼を許して下さんせ
 世の諺にいふ通り  主人の好を悉く
 出て来る客にふれまふと  うまい理屈をつけながら
 頂く御神酒の味のよさ  長い山坂飛んで来て
 心がホツとしたとこへ  思ひもよらぬ御馳走に
 舌の鼓をうちならし  お腹は忽ち布袋さま
 七福神の楽遊び  弁財天のお愛さま
 大黒みたよな顔をした  三五教の黒姫さま
 与三公どんの寿老面  頭ビシヤモン福禄寿
 七お多福の寄り合うて  面白可笑しう酒を呑む
 あゝ惟神々々  御霊幸はひましませよ
 あゝ惟神々々  御霊幸はひましませよ』
と口から出任せに歌ひ踊り狂ふ。
 高公は又もや歌ひ出す。
『八公よ八公よよつく聞け  俺はお前の知る通り
 武野の村の杢平が  伜と生れたならず者
 爺の宝をぬすみ出し  朝から晩まで酒くらひ
 人の意見もうはの空  父と母とに追ひ出され
 よるべ渚の捨小舟  取りつく島もなき儘に
 火の国峠をブラブラと  涙ながらに通る折
 驍名轟く男達  大蛇の親分三公に
 ヤツと拾はれ息をつぎ  朝な夕なに草履取り
 雪隠の掃除も精出して  勤めて居つたら親分が
 貴様はわりとはえらい奴  兄弟分にしてやろと
 異数の抜擢有難く  羽振を利かす身となつて
 肩で風切り遠近と  勝負に歩いた面白さ
 さうだと云つて俺は今  改心したとは言ふものの
 朱に交はれば赤くなる  元から悪い親分の
 手下になつて何として  誠の心になるものか
 よくない事を朝夕に  よい気になつてやつてゐた
 さうした処此度の  向日峠の大騒動
 死んだと思うたお愛さま  兼公迄がやつて来て
 ヒユードロドロとおびやかし  俺の荒肝取りよつた
 酒でも呑んでゐなんだら  なに猪口才な幽霊奴と
 握り拳を固めつつ  兼公の奴を初めとし
 残らず亡者を打ちすゑて  打ちこらすべき所だつた
 酒に酔うたる其為に  足腰立たぬ悲しさに
 恨みを呑んで見てゐたら  正真正銘の真人間
 亡者と云つたは嘘の皮  之を思へば高公が
 お酒に酔うてゐた為に  大騒動も始まらず
 無事に解決相告げた  之を思へば酒呑んで
 腰をぬかすも惟神  何が仕組になるぢややら
 分つた事ではない程に  皆さまドツサリ酒呑んで
 腰をぬかすが宜しかろ  酒呑む時には酒を呑み
 働く時には働いて  苦楽を共にするがよい
 苦中楽あり楽中に  苦ありと云ふのは此事だ
 あゝ惟神々々  燗酒の方が味がよい
 モウシモウシ黒姫さま  何卒一献召しあがれ
 私がお酌を致します  そんな六かし顔をして
 睨んで御座ると閻魔さま  冥途の国からやつて来て
 ドツサリ科料を取りますぞ  あゝ惟神々々
 御霊幸はひましませよ』
と嬉しさ余つて、脱線だらけの酒の讃美歌を謡ひ、ウラル教式になつて了つた。されども互に心打ちとけた目出度き酒宴であるから、黒姫も別に咎めず、虎公、三公も、お愛の方も、今日ばかりは治外法権だと、臍をかためて乾児共の自由の乱舞に任してゐる。
(大正一一・九・一五 旧七・二四 松村真澄録)
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