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文献名1霊界物語 第35巻 洋万里 戌の巻
文献名2第2篇 ナイルの水源よみ(新仮名遣い)ないるのすいげん
文献名3第15章 救の玉〔979〕よみ(新仮名遣い)すくいのたま
著者出口王仁三郎
概要
備考
タグ データ凡例 データ最終更新日2022-09-28 11:51:25
あらすじお愛は簡単に大蛇を神の道に諭す歌を歌った。その言霊に今までの烈風は勢いを減じ、猛獣の叫びも火の玉もおさまってきたが、完全になくなりはしなかった。虎公はねじり鉢巻きで宣伝歌を歌い言霊を発射した。虎公は大蛇が三公の両親を飲み込んだことの罪を挙げて悔悟を促し諭す歌を歌った。しかしどうしたことか、湖面の怪物は姿形を変えて数限りなく浮かび上がり、四人の周りに集まって囲んだ。その臭気に四人はあてられて、弱り切ってしまった。いつの間にか夜は明けて、湖面の怪物は次第に消えていき、太陽が照らし始めたときには怪物は残らず消え失せて、ただ紺碧の波が悠々と漂うのみであった。四人は池の岸辺に座って昨夜の怪を話し合いながら湖水で禊をなし、天津祝詞を奏上した。すると木の茂みを分けて宣伝使が現れ、玉治別命と名乗った。四人は玉治別の姿を見て喜び敬意を表した。玉治別は先回りして湖水の岸辺の森林に潜み、昨夜の言霊戦の様子をうかがっていたのであった。玉治別は四人の言霊が大蛇に押され気味であったことを茶化して声をかけた。玉治別は、四人が火の玉の怪に襲われなかったのは、霊衣が厚く、その威徳におそれて近寄れなかったためだと解説した。また大蛇はまだ恐ろしいたくらみをしていたが、自分が鎮魂したために、山野に潜んでいた大蛇の手下の猛獣たちが逃げ去ったのだと経緯を明かした。玉治別はにわか宣伝使の孫公をからかい軽く戒めたあと、湖水の浮島に渡って休息し、根本的に大蛇を言向け和そうと、一行の先に立って湖畔をたどって行く。一行は救われた気分で宣伝使の後を付いていった。
主な人物 舞台 口述日1922(大正11)年09月16日(旧07月25日) 口述場所 筆録者松村真澄 校正日 校正場所 初版発行日1923(大正12)年12月25日 愛善世界社版168頁 八幡書店版第6輯 532頁 修補版 校定版178頁 普及版65頁 初版 ページ備考
OBC rm3515
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本文  お愛は立上り、宣伝歌を歌う。
『豊葦原の瑞穂国  国の八十国八十島は
 国治立の御体  神素盞嗚の御霊力
 金勝要大神の  御霊の守らす国なれば
 此三柱の大神の  御許しなくば何神も
 此世に住むべき権利なし  三五教の神司
 孫公別に従ひて  吾等は此処に曲神の
 曲言向けて神国を  清く涼しく澄まさむと
 現はれ出でし四人連  湖底に潜む曲神よ
 如何に勢猛くとも  此三柱の皇神の
 許しなくして地の上に  如何でか安く住み得べき
 あゝ惟神々々  神の御霊を蒙りて
 一日も早く片時も  とく速けく三五の
 誠の道の御教に  服ひまつれ醜大蛇
 それにつき添ふ諸々の  百の霊に宣り伝ふ
 あゝ惟神々々  御霊幸はひましませよ』
と簡単に言霊を打出したるに今迄の烈風は其勢を減じ、猛獣の唸り声は漸く低く遠く去り行き、湖面に浮びし諸々の怪物は、時々刻々に姿を減じたれども容易に全滅するには到らざりければ、茲に虎公は捩鉢巻をしながら、厳の雄健びふみたけびつつ、大音声を張上げて、詞涼しく言霊を発射したり。
『三千世界の梅の花  一度に開く時は今
 大蛇の神よよつく聞け  きさまは余程太い奴
 太いばかりか長い奴  エヂプト都に名も高き
 春公お常の両人を  勿体なくも呑み喰ひ
 平気の平左で此湖に  住居するとは何のこと
 天地の神を畏れぬか  此処に現はれ来りたる
 三公さまは春公や  お常の方の生み給ふ
 珍の尊き御子なるぞ  汝心のあるならば
 早く姿を現はして  吾目の前に出で来り
 三公さまに打向ひ  前非を悔いて詫をせよ
 武野の村の男達  虎公さまとはおれの事
 虎狼や獅子熊も  おれの名を聞きや驚いて
 小さくなつて逃げて行く  お前も同じ畜生の
 醜き体を持つ上は  俺に恥らひ底深く
 姿隠してゐるのだろ  そんな気兼は要らぬ故
 早く此場に現はれて  善悪正邪の大道を
 悟りて天津神国の  栄えを永久に楽しめよ
 朝日は照るとも曇るとも  月は盈つとも虧くるとも
 大蛇はいかに猛るとも  三五教の大道に
 仕へまつれる吾々は  いかで初心を変ずべき
 誠一つの言霊を  直日の銃につめ込みて
 忽ち打出す宣伝歌  天は轟き地はゆるぎ
 大原は浪たけり  山は忽ち裂けてゆく
 此神力の活動を  見ない間に一刻も
 早く心を改めて  善の大道に帰るべく
 誓ひを立てよ大蛇神  三五教の宣伝使
 黒姫司に従ひて  熊襲の国へ渡り来し
 孫公別を始めとし  三公、お愛や虎公の
 四魂の身魂が今此処に  現はれ来り言霊の
 大戦ひを宣示する  あゝ惟神々々
 神の心を諾ひて  かかる小さき湖を捨て
 広き尊き限りなき  天津御空の神国へ
 心も広く昇り行け  あゝ惟神々々
 御霊幸はひましませよ』
と歌ひ了る。されど如何したものか、湖面の怪はいろいろと形を変じ、蛸入道や曲鬼、四つ目小僧など数限りなく浮び来り、お玉杓子の形せし火玉は幾百千ともなく唸りを立てて土手の如く集まり来り、四人の男女を十重二十重に取巻きぬ。四人は青臭い何ともいへぬ臭気に鼻をつかれ、胸塞がり、腹痛み、眼くらみて、今や如何ともする事能はざる迄弱り切つてゐる。
 何時の間にやら夜はカラリと明けて、湖面より現はれ来りし怪物は一つ減り二つ減り、太陽の光線が地上を照す時には、怪物の姿は残らず消え失せて、湖面は只紺碧の波が悠々と漂ひゐるのみ。
 四人は池の岸辺に端坐し、昨夜の怪を話し合ひながら、湖水の水に手を洗ひ身を清め、次いで天津祝詞を奏上し終る時しも、木の茂みを分けて此場に現はれ来る一人の宣伝使あり。よくよく見れば玉治別命なり。孫公は飛立つばかり打喜び、
『コレハコレハ玉治別さま、幾回となくお声は聞かして頂きましたが、お目にかかるは今が始めて、ようマア来て下さいました……モシモシ三人の方、これが驍名高き三五教の玉治別の宣伝使で御座います』
 お愛、三公は嬉し涙にくれながら、玉治別に向つて跪き敬意を表してゐる。
『私は玉治別です。皆さま、随分能く言霊がころびましたなア。大蛇の神、随分いろいろと面白い芸当を見せてくれたでせう』
『私は虎公でごわす。あなたは夜前の光景を御存じで御座いましたか』
『ハイ白山峠を一目散に駆け下り、先へ廻つて此森林に身を潜め、あなた方の言霊戦を面白く観覧して居りました。大変危ない所迄行きましたなア』
『モウ少しの事で火の玉の鬼にくつつかれる所でしたが、不思議にも三尺ばかり近寄つて、それよりはよう寄りつかなかつたのです。あれだけの勢で如何してマア、もう二三尺といふ所が寄りつけないのでせうか』
『あなたの霊衣の外迄寄つて来たのですよ。霊衣の威徳に恐れて、夫れ以上は近寄れなかつたのです。さうして大蛇の奴、まだまだエライ企みをして居つた様ですが、私は此木蔭より湖面に向つて鎮魂をして居りました。それが為に猛烈なる大蛇の幕下、此山林に横行する虎、獅子、熊、狼なぞの猛獣も、害を加ふるに由なく、何れも遠く逃げ去つて了つたのです。さうして孫公さまは孫公別とか云ふ立派な宣伝使になられたさうですなア』
『ハイ、イヤモウ一寸臨時に頼まれましてやつて見ました。併し乍ら余り甘く行きませぬので宣伝使といふものは辛いものだとホトホト感心致しました。玉治別様がお越しになつたのを幸ひ、私は只今より孫公別の宣伝使を返上致します。どうぞお受取り下さいませ。イヤもう中々骨の折れた事で御座いました』
『アハヽヽヽ、誰に宣伝使を命ぜられたのですか。黒姫様からでも仮りにお貰ひになつたのですか』
『イエどうしてどうして、ここは共和国で御座いますから、国民一致選挙の結果、推されて宣伝使になつたので御座います。イヤまことにモウうすい目に会ひました』
『サア皆さま、此処に居つても仕方がありませぬ。此湖水には大きな浮島が三つ四つありますから、そこ迄行つて休息を致し、今宵は其島に渡り、一つ言霊戦をひらき根本的に大蛇の神を言向和せませう。皆様サア参りませう』
と先にたつて湖畔を辿るを、四人はハツと胸撫でおろし、元気頓に加はり、後を慕うて従ひ行く。
(大正一一・九・一六 旧七・二五 松村真澄録)
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