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文献名1霊界物語 第35巻 海洋万里 戌の巻
文献名2第3篇 火の国都よみ(新仮名遣い)ひのくにみやこ
文献名3第20章 疑心暗狐〔984〕よみ(新仮名遣い)ぎしんあんこ
著者出口王仁三郎
概要
備考
タグ データ凡例 データ最終更新日2022-10-01 12:00:28
あらすじ久公は旅路を行きながら、荒井ケ岳の道中を振り返り、黒姫が白狐の赤子を取り上げたことにまだ疑いの念を持ち、歌に歌いながら歩いている。黒姫は道中、宣伝歌を歌って久公に返した。そしてたとえ畜生であろうとも神様の仁慈に預かる存在であり、お互いに助け合うのが神の道であると説いた。そして久公の迷いを指摘し、自分への疑いを晴らすようにと歌いながら進んで行く。
主な人物 舞台 口述日1922(大正11)年09月17日(旧07月26日) 口述場所 筆録者松村真澄 校正日 校正場所 初版発行日1923(大正12)年12月25日 愛善世界社版237頁 八幡書店版第6輯 556頁 修補版 校定版251頁 普及版92頁 初版 ページ備考
OBC rm3520
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本文 三五教の宣伝使  黒姫さまに従ひて
 荒井ケ岳を下り行く  「ウントコドツコイ ドツコイシヨ」
 転けつ輾びつ両人が  辺りに心を配りつつ
 五合目あたりに来て見れば  天の与へか岩清水
 人待顔に湧いてゐる  コリヤ堪らぬと飛付いて
 一口喉をうるほせば  今迄暴威を揮ひたる
 汗の曲津はどこへやら  縮み上つて「ドツコイシヨ」
 寂滅為楽となりよつた  黒姫さまが句を作る
 俺も久公も「ドツコイシヨ」  黒姫さまの驥尾に付し
 天下の名句をひねりだす  諄々として「ウントコシヨ」
 尽きざる姿は「ドツコイシヨ」  泉の涌く如面白く
 甦りたる心地して  息を休むる折柄に
 常助さまと云ふ男  慌しくもやつて来て
 黒姫さまに手をつかへ  途中に女房が「ドツコイシヨ」
 又々坂がキツウなつた  背中を用心するがよい
 お常の産気がつきました  此山中の「ウントコシヨ」
 人も通らぬ路傍で  どうにも斯うにも仕様がない
 御苦労乍ら「ドツコイシヨ」  取上げ婆さまになつてくれと
 誠しやかに頼む故  ウンと呑み込み黒姫様が
 いと親切に承諾し  夏草茂る木下かげ
 ガサガサ進んで行く間に  大木の蔭に「ウントコシヨ」
 一人の女が坐つてる  黒姫さまは親切に
 魔性の女に「ドツコイシヨ」  知るや知らずや忽ちに
 襷十字にあやなして  「ウントコドツコイ ウントコセイ」
 力をきはめて腰抱き  介抱すれば忽ちに
 キヤツと飛び出す狐の子  又もや女の子狐が
 出るかと思へば又一つ  男狐が飛んで出た
 又もや一つの狐の子  よくよく見れば牝だつた
 狐が生んだ二夫婦  親を合して三夫婦が
 太い尻尾をプリプリと  右や左にふりながら
 黒姫さまに礼言うて  後振返り振返り
 叢分けてガサガサと  姿かくした面白さ
 尻尾計りか「ウントコシヨ」  頭の毛まで皆白い
 雪を欺く白狐さま  必ず御恩忘れぬと
 黒姫さまに云ひよつた  思へば思へば「ドツコイシヨ」
 狐の取上げする産婆  虎狼や獅子熊や
 大蛇の端に至る迄  助けてやるのが神の道
 取り上げますといひなすつた  「ウントコドツコイ ドツコイシヨ」
 ホンに感心々々と  股を拡げて坂路を
 下りながらも何となく  黒姫さまのスタイルが
 厭らしうなつて「ドツコイシヨ」  気分が悪くなりました
 「ウントコドツコイ ドツコイシヨ」  どうせ碌な「ドツコイシヨ」
 婆さまぢやないと思てゐた  自転倒島に年古く
 住居を致して世を紊す  金毛九尾ぢやあるまいか
 「ウントコドツコイ」竜宮の  乙姫さまの生宮と
 話の端に聞いた故  此奴あウツカリ出来ないぞ
 グヅグヅしてゐちや頭から  「ヤツトコシヨー ヤツトコシヨー」
 「それそれそこに石がある」  呑まれて了ふと思うた故
 猫を被つてハイハイと  「ウントコドツコイ」痩馬を
 牽いて坂路登るよに  いとおとなしう従うて
 此処まで従いて「ドツコイシヨ」  やつて来たのは徳公だ
 狐の嫁入「ドツコイシヨ」  すると云ふ事聞いたれど
 其時や日和で雨が降る  天道さまがガンガンと
 お照らし遊ばす真昼中  魔性の狐が現はれて
 あつかましくも人の前  尻尾をかくしてやつて来て
 取上げてくれとは何の事  「ウントコドツコイ」此方が
 人間様であつたなら  四つ足体の畜生が
 如何して恐れて近よらう  黒姫さまは「ドツコイシヨ」
 てつきり狐の親玉か  銀毛八尾の「ドツコイシヨ」
 古い狐の御化身か  眉毛に唾つけ眺むれど
 根つから尻尾が見えよらぬ  余程劫経た奴だらうか
 「ウントコドツコイ ヤツトコシヨ」  コレコレモウシ黒さまえ
 私はお前を「ウントコシヨ」  此処迄送つた返礼に
 「ウントコドツコイ ドツコイシヨ」  足許危なうなつて来た
 私は決してだまさぬと  一言誓うて下さんせ
 狐を馬に乗せたよな  怪しい気分になりました
 オイオイ久公如何思ふ  ホンに怪体な「ウントコシヨ」
 訳の分らぬ事ぢやなア  荒井峠と思てたら
 人跡絶えし山奥の  虎狼の吼えたける
 深山の奥かも知れないぞ  どしてもこしても腑におちぬ
 コンコンさまの御出産  取上げ婆々アの黒さまに
 常助お常と化けた奴  親分子分の関係で
 あんな事をば「ドツコイシヨ」  平気な顔で白昼に
 やつたであらうか恐ろしい  荒井の峠はいつとても
 不思議な所とは聞きつれど  前代未聞の此怪事
 此謎とくのは六つかしい  あゝ惟神々々
 御霊幸はひましまして  国魂神の純世姫
 表に現はれましまして  黒姫さまは善神か
 但は悪魔かハツキリと  どうぞ立別け下さんせ
 此世を造りし神直日  心も広き大直日
 只何事も神様に  任して御願致します
 誠の神か曲神か  但は狐の親分か
 合点のいかない黒姫を  正体現はし両人が
 心を安めて下さんせ  縦からみても「ドツコイシヨ」
 横から見ても黒姫は  矢張人のスタイルだ
 之が狐であつたなら  余程上手に化けたもの
 ホンに分らぬ今日の旅  あゝ惟神々々
 久公シツカリして居れよ  それそれ そこに石がある
 黒姫さまを先に立て  お前と俺と両人は
 あとから従いて「ドツコイシヨ」  尻のあたりを査べつつ
 審神し乍ら下らうか  モウシモウシ黒姫さま
 どうぞお先へ「ドツコイシヨ」  あなたはお出で下さんせ
 後に目玉のない私  どんな悪戯されよかと
 心にかかつてなりませぬ  疑心暗鬼か知らねども
 お前の様な化者と  一緒に行くのは真平だ
 あゝ惟神々々  御霊幸はひましませよ』
と歌ひ乍ら、黒姫一行は一歩々々力を入れて下り行く。黒姫は歌ひ出した。
『国治立大神や  豊国姫大御神
 神素盞嗚大神が  開き玉ひし三五
 教を伝ふる宣伝使  尊き神の生宮と
 神の任さしの黒姫を  何ぢや かんぢやと罵つて
 誠を知らぬ困り者  仮令狐や狸でも
 残らず神の造らしし  尊き身魂である程に
 曇り切つたる世の中の  人間よりも畜生の
 狐や狸の魂が  神の御目より眺むれば
 遥に優つて居る程に  天地の道理も白雲の
 包む山路をふみこえて  迷ひに迷ふ二人連れ
 少しく心をおちつけて  此黒姫が言霊を
 味はひ聞くがよからうぞ  三千世界の梅の花
 一度に開く五六七の世  松の神代も近づいて
 四方の山々花開き  小鳥は謡ひ海河は
 清くさやけくすみ渡る  尊き御世の開け口
 さうなる上は人間は  云ふも更なり鳥獣
 這ふ虫迄も悉く  神の恵の御露を
 与へて尊き天国の  姿をうつす宣伝使
 海の内外に使はして  神の御旨を隈もなく
 開かせ玉ふ三五の  深き仕組を知らないか
 狐狸と言はれても  此黒姫は構はない
 さはさり乍ら徳公よ  チツトは慎みなされませ
 此神国は言霊の  幸はひ助け生くる国
 畏れ多くも三五の  神の司を見違へて
 銀毛八尾の狐とは  誤解するにも程がある
 お前の心にかかりたる  其黒幕を逸早く
 外して私の顔を見よ  何ほど黒い黒姫も
 普通の人ではない程に  竜宮海の底深く
 鎮まりいます乙姫の  神の命の生宮ぞ
 あゝ惟神々々  御霊幸はひましまして
 徳、久二人の魂に  光を与へ村肝の
 心の暗を晴らしませ  三五教の黒姫が
 国魂神の御前に  慎み敬ひ願ぎまつる
 あゝ惟神々々  御霊幸はひましませよ』
と歌ひつつ、坂路を急ぎ降り行く。
(大正一一・九・一七 旧七・二六 松村真澄録)
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