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文献名1霊界物語 第39巻 舎身活躍 寅の巻
文献名2第1篇 伊祖の神風よみ(新仮名遣い)いそのかみかぜ
文献名3第3章 出師〔1068〕よみ(新仮名遣い)すいし
著者出口王仁三郎
概要
備考
タグ データ凡例 データ最終更新日2022-11-15 09:20:18
あらすじ照国別は日の出神からハルナの都への出立を許され、意気揚々と座に就いた。そして妻の幾代姫に後事を託し、神軍として出立の抱負を歌った。黄竜姫、蜈蚣姫の母子二人連れは、旅人に身を変えてフサの国を横断し、フサの海から舟に乗ってハルナの都に進んでいくことになった。一方照国別は宣伝使の服装を整え、照公、国公、梅公を従者として河鹿峠を越えてフサの国の東南から月の国へ進むこととなった。玉国別は立ち上がり、自分とても多くのバラモン教徒を言向け和してきた勇者であり、広い月の国の大敵に照国別一人では前途を案じられるとして、自分も派遣してほしいと願い出た。日の出神はその心をよしとして、玉国別にも出立の許可を出した。玉国別は一同に別れを告げて後を託し、三人の従者を従えて河鹿峠を越え、フサの国の原野を越えて印度を指して進んでいった。また治国別も印度への出陣を願い出て、これもまた日の出神の許可を得て出立していった。初稚姫は五人の神司の出陣を祝して、金扇を開いて歌い舞った。そして初稚姫自身も、単身大黒主の館に忍び込んで曲神を帰順させるために出陣を願い出た。日の出神は躊躇したが、初稚姫と時置師神の強い言葉を受けて、ハルナ行きを許可した。初稚姫は単身、共も連れずに出立して行った。こうしていよいよ、月の国の大黒主に対する言霊戦の準備はまったく整ったのであった。
主な人物 舞台 口述日1922(大正11)年10月21日(旧09月2日) 口述場所 筆録者松村真澄 校正日 校正場所 初版発行日1924(大正13)年5月5日 愛善世界社版33頁 八幡書店版第7輯 291頁 修補版 校定版35頁 普及版13頁 初版 ページ備考
OBC rm3903
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本文  照国別の梅彦は日出別の教主より月の国のハルナの都へ向ふ事を許され、意気揚々として座につき、

『有難し神の心に叶ひしか
  月の国をば照国別と行く。
 いざさらばこれより吾は幾代姫
  やかたを清く後に守れよ』

 幾代姫は歌ふ。
『照国別の吾夫は  日出別の教主より
 月の御国に潜みたる  大黒主の神司
 其外百の醜神を  尊き神の御教に
 言向和し救ふべく  斎苑の館を立出でて
 出でます今日の雄々しさよ  妾は後に止まりて
 神の教を守りつつ  力限りに世の人を
 皇大神の大道に  導き救ひまつるべし
 わが背の君よ一時も  早く館を立出でて
 天地百の神人の  苦み悩む災を
 払はせ玉へ惟神  神の御前に願ぎまつる』
と歌ひ了るや、照国別は、

『いざさらば曲津の運も月の国
  頭ハルナの都に進まむ。

 大黒主斎苑の館の神軍に
  驚くならむ今日の出立ち。

 八尋殿並びいませる司たちよ
  吾はハルナの都に立たむ』

 時置師神は立つて歌ふ。

『照国別神の命はとく行かせ
  われは館に止まり守らむ』

 これより黄竜姫、蜈蚣姫は、日出別命の承諾を得、数多の司に讃嘆され乍ら、母娘は普通の旅人に身を変じ、フサの国を横断し、フサの海より舟に乗りて、ハルナの都へ進み行くこととなつた。又梅彦は直ちに宣伝使の服装を整へ、照公、国公、梅公の従者と共に河鹿峠をこえ、フサの国を東南さして進み、月の国へ進むこととなつた。
 此時玉国別の音彦は立上つて歌ひ出した。
『三五教に仕へたる  玉国別の宣伝使
 音に聞えし音彦は  ペルシヤの国を宣伝し
 海に泛びて自転倒の  島に渡りて遠近と
 神の教を宣べ乍ら  大江の山に立こもる
 バラモン教の大棟梁  鬼雲彦や鬼熊別の
 魔神に向つて言霊の  戦を開き曲神を
 追ひ散らしたる強者ぞ  梅彦いかに勇あるも
 音彦司に及ばむや  日出別の大教主
 照国別を遣はして  大黒主の曲神を
 言向和し玉はむと  計り玉ふはいぶかしも
 いかに神徳充実し  天地をゆるがす言霊を
 身に受けゐるとは云ひ乍ら  敵にも鋭き刃あり
 いかでかこれの大敵を  一人や二人の力にて
 言向和し了せむや  此音彦の心中は
 実に不安の雲掩ひ  前途を案じやられけり
 あゝ惟神々々  神の心に見直して
 玉国別を今一人  遣はし給へ真心を
 こめてぞ祈り奉る  朝日は照るとも曇るとも
 月は盈つとも虧くるとも  仮令大地は沈むとも
 三五教の御教を  決して汚す事あらじ
 月日の如く明けく  道の光を現はして
 神の御前に復言  申しまつらむ惟神
 早く許させ玉へかし』
 と歌を以て希望を述べた。日出別神は、歌を以てこれに答ふ。

『玉国別神の司は言霊の
  清くいませば悩むことなし。

 さり乍ら数限りなき八十の国
  只一柱にてせむ術もなけむ。

 玉国別神の司よ心して
  曲津の荒ぶ月へ出でませ。

 月照彦神命をあがめつつ
  夜を日についで進みませ君』

 玉国別は欣然として立上り、又も歌にて答ふ。

『千早ふる神の光の現はれて
  玉国別の玉を照らさむ。

 月照彦神命の御光に
  暗路を安く渡らむと思ふ。

 イソイソと斎苑の館を立出でて
  進む吾こそ楽し嬉しき。

 東野別司の前に物申す
  守らせ玉へ妻の身の上』

 東野別はこれに答へて、

『五十子姫清く雄々しくましまさば
  音づれなくも安く行きませ。

 素盞嗚の神尊の愛娘
  瑞の御霊とあれし君はも。

 此君のこれの館にゐます限り
  安く楽しく道は栄えむ。

 村肝の心残さず印度の国
  ハルナの都にとく進みませ』

 音彦は又歌ふ。

『有難し心にかかる雲もなく
  道伝へ行かむ印度の御国へ。

 時置師神命よ昼夜を
  守らせ玉へこれの館を。

 いざさらば並ゐる司を後にして
  神の随々別れて行かむ。

 五十子姫玉国別が勇ましく
  復言する日をこそまてよ』

 五十子姫は歌ふ。

『勇ましき吾背の君の御姿を
  隠るるまでに眺め守らな。

 村肝の心を残し玉はずに
  神のまにまに進みませ君』

 玉国別は一同に向ひ会釈し乍ら宣伝歌を歌ひつつ、三人の随行と共に、これ又河鹿峠を踏み越え、フサの国の原野を渉りて、印度を指して進み行かむとする。
 治国別の亀彦は立上つて歌もて自分の希望を述べた。
神素盞嗚大神の  隠れ玉ひし斎苑館
 教司と現れませる  日出別に物申す
 ウラルの道を奉じたる  醜の司の吾なれど
 フサの海にて巡り会ひ  汝が命の薫陶を
 受けて誠の人となり  名さへめでたき宣伝使
 喜び勇んで四方の国  自転倒島まで打渡り
 醜の魔神を言向けて  再びこれの斎苑館
 皇大神に従ひて  功績を立てしわが身魂
 見向きもやらず梅彦や  音彦二人を抜擢し
 大黒主をいましめの  任務を依さし玉ひたり
 あゝ恨めしし恨めしし  われも神の子神の宮
 いかでか彼に劣らむや  直日に見直し聞直し
 宣直しまし亀彦を  印度の御国へ遣はして
 八岐大蛇のかかりたる  醜の司を悉く
 三五教の大道に  救ひ助くる神使
 任けさせ玉へ逸早く  神の御前に伺ひて
 わが言霊の神力を  照らさせ玉へ惟神
 菊子の姫と諸共に  謹み敬ひ祈ぎ奉る』
 と歌ひ了つた。日出別命は、これに答へて、

『勇ましき治国別の言あげを
  心涼しく頼もしく思ふ。

 いざさらば汝が命は印度の国
  すみずみ迄も巡り救へよ。

 言霊の幸はふ国の神司
  勝鬨あげて早帰りませ』

 と歌もて印度の国への出陣を許した。治国別は勇み立ち、

『かけ巻も綾に畏き皇神の
  御言のままに進みて行かむ。

 日出別神の命よ今しばし
  わが復言待たせ玉はれ。

 東野別司の前に物申す
  百の司を恵ませ玉へよ。

 われは今印度の国へと進みゆく
  守らせ玉へ菊子の姫を。

 残しおく妻の命もつつしみて
  神の教を宣べ伝へせよ』

 東野別は之に答へて、

『みづみづし益良武夫の亀彦は
  名を万世に伝へますらむ。

 千代八千代万代までも亀彦が
  治国別の名をや照らさむ。

 治国別神の命のいさをしを
  仰ぎて待たむ唐土の空』

 菊子姫は又歌ふ。

『けなげなる尊き便りを菊子姫
  待つ間の永き真鶴の首。

 一足の歩みも心配らせつ
  進み行きませ吾背の君は。

 山を越え荒野をわたり雨にぬれ
  進み行く君見れば雄々しも』

 初稚姫は立上り、金扇を開いて、自ら歌ひ自ら舞ひ、五人の神司が出陣を祝した。
『久方の天津御空の限りなく  照り渡るなる三五の
 月の教に四方の国  青人草や鳥獣
 草の片葉に至るまで  恵の露に霑ひて
 尊き神の御光を  仰ぎ楽しむ葦原の
 八洲の国の其中に  如何なる神の仕組にや
 取残されし印度の国  七千余りの国々に
 王と現れます刹帝利  八岐大蛇の醜霊に
 惑はされつつ日に月に  よからぬ事のみ行ひつ
 世の常暗となりて行く  時しもあれやバラモンの
 道に仕ふる神司  大黒主が現はれて
 ハルナの都を根拠とし  バラモン族を庇護しつつ
 刹帝利族を押込めて  暴威を揮ふぞうたてけれ
 それに付いては毘舎首陀の  三種階級の民族も
 バラモン族の暴虐に  苦み悶へ国原は
 怨嗟の声にみちみちぬ  あゝ惟神々々
 神の御霊の幸はひて  神素盞嗚大神は
 時を計らひ瑞御霊  発揮し玉ひて印度の国
 ハルナの都へ三五の  神の司を遣はして
 世人を救ひ玉はむと  御計り在りし尊さよ
 日出別の教主より  此大業を命ぜられ
 黄竜姫や蜈蚣姫  尊き司を初めとし
 心も明き照国別  神の命や玉国別
 治国別の三柱を  おのもおのもにこと任けて
 神の御為世の為に  遣はし玉ふぞ有難き
 われも初稚姫神  年端も行かぬ身なれ共
 神素盞嗚大神の  遣はし玉ひし八乙女が
 清き御業に神傚ひ  大黒主の館まで
 忍び参りて三五の  誠の道に曲神を
 言向和させ玉へかし  日出別や東野別
 神の司の御前に  謹み敬ひ祈ぎまつる
 父とあれます時置師  神の司は初稚が
 願を必ず許すべし  神の御言の幸はひて
 われを遣はし玉ひなば  如何なる悩みも堪へ忍び
 わが大神の御心を  うまらにつばらに説きさとし
 時節を待つて大黒主を  誠の道に帰順させ
 神の御前に復言  申し奉らむいざ早く
 許させ玉へ惟神  神の御前に祈ぎまつる』
と歌つて、自分も単独にて、大黒主の館に忍び込み、曲神を帰順せしむべく、出陣を許されむ事を請願した。日出別は歌を以てこれに答ふ。

『勇ましき初稚姫の言霊よ
  聞く度毎に涙こぼるる。

 さり乍ら初稚姫は独り御子
  いかでか印度に遣はすを得む』

 初稚姫はこれに答へて、

『いぶかしき日出別の言霊よ
  神に捧げし吾身ならずや。

 時置師父の命も初稚が
  誠の言葉を愛で許しませ』

 時置師神は歌もて答ふ。

『天地の御霊にあれし吾娘
  神のまにまに仕へまつれよ。

 時置師神の司は只一人
  いでゆく汝を雄々しくぞ思ふ』

 日出別命は又歌ふ。

『勇ましき親子二人の心根を
  神は喜び玉ふなるらむ。

 いざさらば初稚姫の神司
  神のまにまに進み行きませ』

 東野別は立上りて歌ふ。

『年若き初稚姫の御姿を
  見るにつけても涙ぐまれつ。

 さり乍ら尊き神の守ります
  司にませば心痛めず。

 いざ早く御言のままに出でまして
  神の御前に復言せよ』

 初稚姫は嬉しげに又歌ふ。

『日出別東野別や垂乳根の
  父の言葉は妾を生かせり。

 有難き神の恵を受け乍ら
  印度の御国へ吾が進みゆかむ』

 かく歌ひて、一同に別れを告げ、瓢然として只一人供人をもつれず、万里の山河を越えて、印度の国へ進み行く。
 神界の御経綸にて最初より印度の国のハルナの都に現はれたる大黒主を言向和す為出張を命ぜらるべき神司は、略決定されてゐたのである。併し乍ら神素盞嗚大神は吾娘の夫が三柱迄も加はり居る事とて、明さまに言ひ出でかね玉ひ、日出別神に命じて、相談会を開かせ、随意に此使に奉仕する事の手続をとられたのであつた。又初稚姫は神素盞嗚大神が八人の乙女を一柱も残さず、敵の牙城に使はし玉ひし尊き清き大御心に感激し、如何にもして、八人乙女の尽し玉ひたる如き神務に従事せばやと、時の至るを待ちつつあつたのである。時置師神の杢助も、初稚姫の健気なる心に感じ、吾子乍らも天晴れなる者よと、ひそかに感涙に咽んでゐた。
 斯くの如くにして、愈印度の国の大黒主に対する言霊戦の準備は全く整うたのである。あゝ惟神霊幸倍坐世。
(大正一一・一〇・二一 旧九・二 松村真澄録)
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