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文献名1霊界物語 第43巻 舎身活躍 午の巻
文献名2第2篇 月下の古祠よみ(新仮名遣い)げっかのふるほこら
文献名3第6章 祠前〔1157〕よみ(新仮名遣い)ほこらのまへ
著者出口王仁三郎
概要
備考
タグ データ凡例 データ最終更新日2023-01-05 18:36:08
あらすじ一行は岩石けわしい急坂を、南を指して下って行く。伊太公はしわがれ声を張り上げて、冷たい風を苦にもせずに滑稽な宣伝歌を歌う。続いて純公が歌った。一行は八分ばかり壊れた祠の前に下りついた。玉国別は目の痛みは軽減したが、頭がメキメキするといって休息を取ることになった。一行は古祠の前に両手を合わせ、天津祝詞を奏上した。一行はまた祠の神の前に和歌を歌った。歌い終わって祠の神に別れを告げ、立ち出でようとすると、前方から駒の蹄の音が騒々しく聞こえてきた。これは大黒主の部下鬼春別将軍の先鋒隊が、斎苑館に向かって進軍してきたのであった。
主な人物 舞台 口述日1922(大正11)年11月26日(旧10月8日) 口述場所 筆録者加藤明子 校正日 校正場所 初版発行日1924(大正13)年7月25日 愛善世界社版77頁 八幡書店版第8輯 56頁 修補版 校定版81頁 普及版31頁 初版 ページ備考
OBC rm4306
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本文  山猿どものつどひたる  懐谷を後にして
 片目を取られし神司  玉国別の一行は
 岩石崎嶇たる急坂を  一足一足力入れ
 南をさして下り行く  又もや吹き来る烈風に
 笠をむしられ裳裾をば  捲くられながらしとしとと
 眼を据ゑてアブト式に  どんどんどんと膝栗毛
 吾物顔に下りゆく  御供に仕へし伊太公は
 皺枯声を張り上げて  一足一足拍子取り
 汗をタラタラ流しつつ  冷たき風を苦にもせず
伊太公『「ウントコドツコイドツコイシヨ」  玉国別に従ひて
 斎苑の館を出立し  意気揚々と膝栗毛
 上りつ下りつ進み来る  今吹く風よりひどいやつ
 どつと許りにやつて来て  俺等の体を中天に
 遠慮会釈も荒風奴  吹き散らさむとした故に
 用心深い宣伝使  吾師の君は吾々を
 労はりたまひ道端の  木の根に確としがみつき
 「ウントコドツコイ危ないぞ」  又もや風が吹いて来た
 うつかりしてると散らされる  これこれ二人の供の者
 確り木の根に喰ひつき  風の通るを待つがよい
 などとドツコイ仰有つた  これ幸ひと三人は
 轟く胸を撫でながら  慄ひ戦き夜を明かし
 又もや吹き来る荒風に  吾身大事と一散に
 懐谷に駆けつけて  避難なしける折柄に
 「アイタヽヽタツタ コン畜生」  高い石めに躓いた
 猿公の奴めがやつて来て  畜生だてら吾々に
 揶揄ひやがる「ウントコシヨ」  それ見る度に「ウントコシヨ」
 癪に触つて耐らない  遠慮会釈も知らぬ奴
 とうとう側へやつて来た  伊太公さまは「ウントコシヨ」
 腕に力を籠めながら  お猿を一匹突き倒す
 キヤツ キヤツ キヤツ キヤツと吠乍ら  縦横無尽に「ウントコシヨ」
 群がり掛る恐ろしさ  大猿の奴めが飛んで来て
 吾師の君の両眼を  キヤツとも何とも吐かずに
 背中の方から掻きむしり  ドテライ羽目に落しよつた
 俺は谷川へ水汲みに  いつた所が「ドツコイシヨ」
 肝腎要の水筒を  小柴の中へ「ヤツトコシヨ」
 落した時の阿呆らしさ  道公さまにクドクドと
 お小言計り頂戴し  俺の立つ瀬はあるものか
 アタ阿呆らしい「ドツコイシヨ」  純公さまの手を引いて
 水筒の所在を尋ねむと  下つて往けば草の上
 平気の平左で水筒奴が  素知らぬ顔して寝て居よる
 確りせぬかと尻たたき  純公さまがひん握り
 深き谷間に下りたつて  突つ込む水筒ブルブルブル
 屁のよな泡を吹き乍ら  腹一杯に飲みよつた
 今度は落しちやならないと  グツと素首ひん握り
 吾師の君の御前に  持ち帰り来て両眼を
 洗へば「ドツコイドツコイシヨ」  俄に止まる眼の痛み
 瑞の御霊の御神徳  あゝ有難や尊やと
 両手を合せ拝む折  脚下に聞ゆる宣伝歌
 こいつはテツキリ三五の  神の司に相違ない
 これより後を追つかけて  「ウントコドツコイ」鎮魂を
 願つて眼病の全快を  祈つて貰はふと願うたら
 律儀一方の宣伝使  なかなか縦に首ふらぬ
 吾は天下の宣伝使  心の油断につけ込まれ
 畜生原に目をとられ  何の顔色あるものぞ
 頼むでないと「ウントコシヨ」  「ヤツトコドツコイ」危ないぞ
 なかなか許して下さらぬ  俺も因果の腰を据ゑ
 もう此上は神様に  お願ひするより道はない
 枯草の上にどつと坐し  両手を合せ惟神
 御霊幸はへましませと  祈りし甲斐もありありと
 パツと開いた左の目  あゝ惟神々々
 神の恵は目のあたり  「ウントコドツコイ ドツコイシヨ」
 これから先はだんだんと  坂がはげしくなるやうだ
 純公気をつけ道公さま  お前の足許危ないぞ
 俺もなんだか膝坊子  キヨクリ キヨクリと吐しよる
 ほんに困つた坂だなア  アイタヽヽヽつまづいた
 躓く石も縁のはし  一樹の影の雨宿り
 一河の流れを汲むさへも  深き縁と聞く上は
 「ウントコドツコイ躓いた」  憎い石でも「ドツコイシヨ」
 余り捨てたものぢやない  あゝ惟神々々
 御霊幸倍ましまして  一日も早く月の国
 ハルナの都へドウドウと  進ませ給へ三五の
 皇大神の御前に  慎み敬ひ願ぎまつる
 「アイタタツタ又倒けた」』
 純公は又唄ふ。
『河鹿峠の山の尾を  吹く木枯に木々の葉は
 敢なく散りて羽衣を  脱いで捨てたる枯木原
 冬野の如くなりにけり  秋の山野を飾りたる
 黄金姫の紅葉も  夕日に清照姫の木も
 今は全く「ドツコイシヨ」  憐れ果かなくなりにけり
 小猿の奴に目の玉を  「ウントコドツコイ」引抜かれ
 吾師の君は嘸やさぞ  残念だらう無念だらう
 「ヤツトコドツコイ ドツコイシヨ」  足許用心するがよい
 高い石奴が並んで居る  小面の憎い猿の奴
 天と地との経綸者  万の物の霊長と
 生れ出でたる人間を  馬鹿にしやがる「ドツコイシヨ」
 どうしてこれが世の人に  話がならうか恥かしや
 三人の供がありながら  肝腎要のお師匠を
 「ウントコドツコイ」むごい目に  遇はして何と申し訳
 神素盞嗚大神の  御前に申し上げられよか
 思へば思へば腑甲斐ない  話にならぬ御供達
 これから何れも気をつけて  吾師の君の身辺を
 守らにやならぬ道公よ  伊太公も確りするがよい
 アイタヽタツタ躓いた  厄介至極の坂道だ
 うかうかしとれば玉の緒の  命も取られて仕舞ふぞよ
 こんなところで斃ばつて  どうして天地の神様へ
 何と云ひ訳立つものか  「ウントコドツコイ コレワイナ」
 又々きつい風が吹く  頭の先から爪の先
 腰の廻りに気をつけて  一歩々々力籠め
 「ウントコドツコイ」此坂を  エンヤラヤツと下らうか
 黄金姫や清照姫の  貴の司は此坂を
 どうして下つて往かれたか  その御艱難こそ思ひやる
 照国別の宣伝使  三人の供と諸共に
 此所を通らせたまうたに  違ひあるまい「ウントコシヨ」
 キツト功名お手柄を  七千余国の国々で
 お立てなさるで厶らうぞ  何程大将が偉うても
 附き添ふ奴が悪ければ  力一ぱい動けない
 純公さまの云ふ事が  お前のお気に触つたら
 直日に見直せ聞直せ  決して決して悪い事は
 「ウントコドツコイ」云はぬぞよ』
 斯く歌ひ乍ら、八分許り毀れた祠の前に下りついた。
玉国別『お蔭で目の痛みも余程軽減したが何だか些し許り頭がメキメキして来た。幸ひ此処に広場があり、毀れた祠が立つて居る、何神様がお祭りしてあるか知らぬが、此処で一息して往かうぢやないか』
道公『ハイ、それが宜敷う厶いませう、貴方は御病症の御身の上、無理をなさつてはいけませぬ。今日計りでない明日も明後日もあるのですから、緩りと御休息なさいませ。道公も大変疲れましたからおつきあひを致しませう』
 玉国別は諾き乍ら蓑を大地にパツと敷いて其上にドツカと腰を下し、古祠の前に両手を合せ、天津祝詞を奏上し初めた。三人も同じく祝詞を奏上する。

玉国別『何神を祭りし祠かしらねども
  いたいたしくもなりましにける。

 よし宮は毀れたりとも神実は
  常磐堅磐に鎮まりまさむ。

 国治立神の命も時を得ず
  根底の国に隠れましぬる。

 あゝ吾は神の御恵蒙りて
  此地の上に勇み居るかな。

 神様の国に生れて神様を
  斎かぬ奴ぞ醜の曲津見。

 この社見るにつけても思ふかな
  天の日澄みの宮は如何にと。

 エルサレム昔の姿消え果てて
  今は淋しき凩の吹く。

 惟神神が表に現れまして
  世を治めます時ぞ待たるる。

 吾思ふ心の儘になるならば
  千木高知れる宮居を建てむ。

 たてとほす誠の道の強ければ
  珍の宮居もやがて建つべし。

 伏し拝む祠の前に涙して
  我大神の行方しのばゆ。

 世をしのび人草を救ふ素盞嗚の
  神の命ぞ尊かりけり。

 自凝の島にまします国武彦の
  神の命の慕はしきかな。

 玉照彦貴の命や玉照姫
  如何まさむと空を仰ぎつ』

道公『神の道朝な夕なに進む身は
  やがて届かむ勝利の都へ。

 瑞御魂厳の御魂と諸共に
  三五教を築きましけり。

 三五の道に仕へし吾なれば
  醜の曲津の如何で襲はむ。

 惟神神より外に何もなし
  親も子もなき吾身なりせば』

伊太公『吾は今神の司に従ひて
  神の大路の坂歩むなり。

 此祠如何なる神のましますか
  知らずながらも祈りたくなりぬ。

 いろいろと神の御名はかはれども
  国治立のみすゑなるらむ。

 皇神よ行先幸く守りませ
  吾師の君の御身はことさら。

 行く先に如何なる曲のさやるとも
  神の息吹に払はせたまへ』

純公『村肝の心の月の清ければ
  如何なる曲もさやらざらまし。

 三五の月の教を守りつつ
  月の御国へ吾進むなり。

 月の国ハルナの都に蟠る
  八岐大蛇を如何に救はむ。

 曲神も皆皇神の御子ならば
  吾等は如何で憎むべしやは』

玉国別『玉国別神の司は今日よりは
  神のまにまに進み往くべし。

 斎苑館神の御言を蒙りて
  吾等四人は大道ゆくなり。

 河鹿山峰の嵐は強くとも
  如何で恐れむ神の兵士。

 吹く風に煽られながら進み行く
  神の司ぞ雄々しかりけり。

 バラモンの軍の司行く先に
  攻め来るとも刃向ふなゆめ。

 さり乍ら千騎一騎の時来れば
  神のゆるしを受けて動かむ。

 動きなき玉の御柱撞固め
  愛善の道伝へ行くなり』

道公『皇神の道にさやりし曲神を
  言向け進む身の幸楽しも。

 此森の千歳の松に言とはむ
  国治立の神の昔を。

 此森の千歳の松の物言はば
  神代の昔聞かましものを。

 過ぎ去りし昔の夢を辿りつつ
  夢の浮世に長らへてゆく。

 現世も又幽世も神の世も
  すべ守ります国の祖神。

 三五の道を立てたる神柱
  神素盞嗚の尊畏き。

 素盞嗚の瑞の御魂にかなひなば
  如何なる曲も背かざるらむ。

 吾は今神の恵に守られて
  師の君に従ひ宣伝の旅行く。

 ゆく先は空照り渡る月の国
  ハルナの都と聞くは勇まし』

伊太公『暫くは嵐吹けどもやがて又
  花咲く春に遇はむと楽しむ。

 山々の諸木の末に至るまで
  冬ごもりして時をまつなり。

 田鶴巣ふ此の松ケ枝は夏冬の
  わかちも知らに栄えけるかも。

 鶯の谷の戸あけて出る春を
  まつも嬉しき宣伝の旅。

 杜鵑八千八声を鳴き涸らし
  黄金花咲く秋をまちぬる。

 冬来ぬと目にはさやかに見えねども
  空吹く風にそれと偲ばる。

 此森に常磐堅磐に在す神
  吾等を永久に守らせ給へ』

純公『澄み渡る秋の大空眺むれば
  忽ち起る醜の黒雲。

 時雨して晴れ往く後に初冬の
  月は御空に輝きにけり。

 日は既に西山の端に舂きて
  うら淋しくもなりにけらしな。

 さりながら神の心にかへりなば
  夜昼しらに賑しと思ふ。

 いざさらば吾師の君よ立ち給へ
  やがては広き道に出でまさむ』

玉国別『有難し眼の痛み今は早
  うち忘れたり神の恵みに。

 いざさらば三人の供よ神の前に
  祝詞捧げて立ち出で往かむ。

 有り難し尊き神の御前に
  息やすめたる恵を嬉しむ。

 御恵の露は木の葉の末までも
  きらめき渡る月の夜半なり。

 望の夜の月は御空に出でましぬ
  山蔭あかくなりしと思へば』

 斯く歌ひ終り祠の神に別れを告げ、立ち出でむとする時しもあれ、前方より駒の蹄の音騒々しく聞え数百騎の兵士時々刻々此方をさして進み来る。玉国別外三人は此物音に耳をすませ何者ならむと双手を組み思案に暮れて居た。今の物音は大黒主の部下鬼春別将軍の先鋒隊が斎苑の館に向つて進軍し来るのである。あゝ玉国別一行の運命は如何に成り行くならむか。
(大正一一・一一・二六 旧一〇・八 加藤明子録)
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