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文献名1霊界物語 第45巻 舎身活躍 申の巻
文献名2第4篇 虎風獣雨よみ(新仮名遣い)こふうじゅうう
文献名3第14章 三昧経〔1204〕よみ(新仮名遣い)さんまいきょう
著者出口王仁三郎
概要
備考
タグ データ凡例 データ最終更新日2023-03-01 23:27:23
あらすじお寅は昔自分が捨てた夫の熊公に暴れこまれて千両の金をとられ、業を煮やして信仰上のぐらつきをはじめだし、ウラナイ教の神をののしったが、最後に自ら舌を噛んだことで神に心を向けた。五三公はこれをきっかけにお寅の迷いをさまそうと、ウラナイ教の神は高姫の罪悪によって天の八衢にさまよったときに移った古狐が造ったものだと歌った。教祖の高姫と黒姫は、極悪無道の神だと思っていた神素盞嗚大神の仁慈の徳に打たれて三五教に帰順し、宣伝使たちの薫陶によって迷いの雲は心から取り除かれた。しかし蠑螈別は依然として高姫の衣鉢を継いでウラナイ教を支持していた。それは、高姫と黒姫の肉体を機関として三五教をかく乱しようと企んでいた悪魔たちが、高姫・黒姫の帰順によってその肉体から逃げ出し、蠑螈別・魔我彦・お寅に宿変えしてしまったのである。蠑螈別は以前は軍人で教育もあるが、そういう人間ほど悪神にとっては道具として便利なのである。悪神に憑依された三人はもはや善悪正邪を判断する力を失っていた。蠑螈別はありがたがって観物三昧経を常々唱えていたが、これは釈迦弟子どもの偽作であって、中身は釈迦のひいきの引き倒しのようなお経である。万公、五三公、アク、タク、テクの五人がヘグレ神社をぶらぶらしていたところ、蠑螈別が熱心に経文を唱えるのが聞こえてきた。五三公は、このお経は釈迦が妻帯したことについてこじつけの説明をするあまり、釈迦の肉体について馬鹿馬鹿しい話をでっち上げた内容なのだと解説した。万公たちは五三公の解説に感心する。五三公は先生のような口調になって冗談を言い、仲間を茶化す。
主な人物 舞台 口述日1922(大正11)年12月13日(旧10月25日) 口述場所 筆録者松村真澄 校正日 校正場所 初版発行日1924(大正13)年9月12日 愛善世界社版225頁 八幡書店版第8輯 329頁 修補版 校定版237頁 普及版87頁 初版 ページ備考
OBC rm4514
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本文  蠑螈別はお寅婆アさまに抓められ、鼻をねぢられ気絶した揚句、犬も喰はない悋気喧嘩をケロリと忘れて、奥の一間でお寅婆アの酌で再び般若湯に舌鼓を打始めた。お寅は神より大切に思うて居つた千両の小判を悪因縁のまはり合せか、十五年前にふりすてた夫、酔どれの熊公にふンごまれ、酒をしたたか呑みつぶされ、ふンだくられて劫を煮やし、迷信者にはよくある信仰上のグラツキを始め出し、口を極めて屁のつつ張りにもならぬ神だとコキおろした揚句、自ら舌を噛み、ハツと気がつき、再び神を礼拝する心に立返つた。五三公は今こそ迷夢を醒ましやらむと歌によそひて説明した。小北山の祭神の虚偽的無名の神なること、高姫が自ら心に積んだ罪悪のために、一旦根底の国に陥り、天の八衢にさまよひ、漸く息を吹返し、気が遠くなつてゐる所へ、其虚を窺つて這入つて来た古狐が神の真似をして、いろいろの他愛もない神名を編み出し、日の出神の生宮と妄信し、自分は変性男子の系統だ、生粋の大和魂だと固く主張し出し、三千世界のことは此日の出神でなければ分らぬ、之を変性女子にソツと知らしてやるお役だと、悪い狐に誑かされて、益々固く自分の副守を信じ出し、変性女子の御霊や金勝要神の御霊が取上げぬのを、非常に憤慨し、黒姫、蠑螈別、魔我彦、其外精神上に大欠陥のあるデモ紳士や婆嬶共を籠絡し、三五教の信者より寄附金を集め、北山村に本拠を構へてゐた所、とうとう化がはげかけたので、蠑螈別に命じ、小北山へ本山を移すことを命じておいたのである。其内に肝腎の高姫、黒姫は極悪無道の神と思つてゐた神素盞嗚大神の仁慈の徳に感歎し、ウラナイ教を弊履の如くに棄てて、三五教に帰順し、宣伝使の中にヤツと加へられたのである。併し乍ら執着心はどこ迄も強く、自分は義理天上日出神の生宮だといふ観念は中々容易に除れなかつた。又黒姫は黒姫で自分こそ竜宮の乙姫の生宮だと固く信じ、随分三五教の宣伝使を手古摺らしたものである。併しながら言依別命以下の熱心なる種々の薫陶に依つて、高姫、黒姫は一日々々薄紙をヘグ様に迷ひの雲が心の空から取除かれた。今は全く二人は迷夢も醒めて、今迄の自分の言行を省み、羞恥の心に悩んでゐる。然るに蠑螈別は依然として高姫の遺鉢をつぎ、執念深くウラナイ教を支持してゐた。其理由は、今迄高姫、黒姫の肉体を機関として三五の誠の教を攪乱せむと企んでゐた諸々の悪魔共は、高姫、黒姫の帰順と共に其身内に止まる余地なく次第々々に脱出して、小北山の蠑螈別、魔我彦、お寅婆さまの肉体に全部宿替をして了つたのである。それだから此等三人の猛烈なる迷信は以前の高姫、黒姫に優る共決して劣らなかつた。又蠑螈別は以前は軍人であつて、相当の社会的教育もあり、一寸哲学もカジリ、各宗の教典も生かじりて稍見聞を広くして居たから、曲神が道具に使ふのには、高姫、黒姫よりも余程の便利があるのだ。併し乍ら何程常識があつても、学問があつても、肝腎要の良心を犯され、精神の大欠陥を来した上は、世間の所謂賢人も学者もヤツパリ愚夫愚婦以上に始末がをへなくなるものである。蠑螈別は高姫のあらはした支離滅裂な神名や教理を審判することの出来ない様な文盲者ではないが、併し乍ら最早今日となつては公平な理解力も全然失つて居た。それ故晨にウラナイの神を念じ、日中にアーメンを叫び、夕暮になれば数珠をもみ、鈴を鳴らして、仏の教典を一生懸命に読誦して唯一の善行と信じてゐたのである。
 蠑螈別の有難がつて唱へる御経はいつも観物三昧経であつた。此経文は釈迦仏の弟子共の偽作であつて、仏教弘通の方便として、釈迦を弁護する為に作つたものである。要するに此経文は釈迦に対し贔屓の引倒しであることは少し思慮ある者は悟り得ることであらう。夕暮になつたので、蠑螈別は例の如く数珠をもみ、鈴を打鳴らし乍ら観物三昧経を称へ出した。
『爾時太子於其根処出白蓮華。其色紅白上下二三華相連。諸女見已復相謂言。如此神人有蓮華相。此人云何。心有染著。作此語已噎不能言。是時蓮中忽有身根如童子形。諸女見已更不勝喜悦現此相。時羅睺羅母見彼身根華々相次如天劫貝。一々華上乃有無数大身菩薩。手執白華囲繞身根現已還没。爾時復有諸婬女等。皆言。瞿曇是無根人。仏聞此語如馬王相漸々出現。初出之時猶如八歳童子身根。漸々長大如少年形。諸女見已皆悉歓喜。時漸長大如蓮華幢。一々層間有百億蓮華。一々蓮華有百億宝色。一々色中有百億化仏。一々化仏有百億菩薩無量大衆。以為侍者。時諸化仏異口同音毀諸女人悪欲。而説偈言。
 若有諸男子 年皆十五六 盛壮多力勢
 数満恒河沙 持以供給女 不満須臾意
時諸女人聞此語已。心懐慚愧懊悩。躃地挙手拍頭。而嗚呼悪欲。各厭女身皆発菩提心』チーン……
 万公、五三公、アク、テク、タクの五人はヘグレ神社をブラブラと巡見して種々と批評を試みて居た所、俄に不思議な、神の館に似合はず、経文の声が聞えて来たので、ソツと壁の外から、足音を忍ばせ、どこの坊主がやつて来て、経文を称へてゐるのだらう、蠑螈別も余程物好だ、ドレ一つ考へて見ようかと、一行五人は耳をすまして聞いてゐる。五人の中で仏の経文を知つてゐる者は五三公一人であつた。
五三『あゝコリヤ不思議だ、あの声は蠑螈別だ。観物三昧経を上げてゐる様だ。ヤツパリ三教合同の御本尊の眷族だと聞いてゐたが、神、仏、耶混淆のウラナイ教の教主さまだな』
万公『観物三昧経にはどんなことが云つてあるのだ。一つ其訳を聞きたいものだなア。オイ是から蠑螈別さまに拝謁を願つて、お経の解説を願ふことにしようかなア』
五三『何……ダメだよ、観物三昧経の真相が理解されたら、馬鹿らしくつて、有難さうに唱へられるものぢやない。ああして棒読みにダヽブダ ダヽブダと読んで行くから、有難い様に聞えるのだ』
万公『さうするとヤツパリ分らぬのが有難いのかなア。五三公さま、お前経文の精神を知つてゐるのなら、一つ其説明を願ひたいものだなア』
五三『余り馬鹿らしくて、説明する丈の価値がないのだ。お釈迦さまも、ああして祭り込まれちや、本当にお気の毒だ。露骨に言へば……全体釈迦如来様は無生無死の大神人国大立尊の別御霊なる大八洲彦命様が月照彦と現はれ三五教の教を宣布し、永く幽政を掌り遂には久劫の昔から成仏して都率天といふ天上に坐し坐し印度の国に於て再び肉体を示顕され時代と地方との関係上から仏法を弘布せむと天津神様の命令を奉じて浄飯王の妻摩耶夫人の腹に宿つて生れ婆羅門教の勢力旺盛にして刹帝利族を圧迫し且つ毘舎、首陀の二族を虐げ弊害が甚だしかつたので婆羅門教を言向和すべく活動されたのだ。併しその教の流れを汲む後世の仏弟子どもが若し人に、釈迦はそれ程久しい昔から成仏して居たといつたならば、妻子の如きものが在るべき筈がないと難じられた時に困る訳だから、その時の尻を結ぶために糞坊主どもが言つたことだ。まだまだその他の仏教にも尻の結べぬ事が書いて居るが皆釈迦如来の精神ではないのだ。
 今唱へて居るのは観物三昧経だが、その意味を訳すれば、釈迦は妻を娶つたけれど交合を為なかつた、所が耶輸陀羅を始め数多の侍女どもが非常に怪しんで居た時に、侍女の一人が云ふには妾は釈迦に奉事して永らくの年を経たけれども未だにその根を見たことが無い、況んや世事あらむやといふ、但俺が根と云つたるは即ち陰茎のことだ。そして世事と云ふのは、やがて交合の事だ、何の事はない釈迦に仕へて年を経たけれどもその陰茎を見たことが無いから況して交合はせぬ筈ぢやと云ふのだ。時にまた一人の女が云ふには、妾は太子に仕へて十八年を経たが未だ太子の便利の患あるを見ない況ンや復た諸の余を見ようぞと云つた。そこで一同が然らば太子は男ではあるまいと云つて居るので釈迦は之を察して態と昼寝をして彼の一物を出して見せた、其趣を経文の儘に棒読みにするから実に有難く見えたり聞えたりするのだ、アハヽヽヽ後の坊主どもが釈迦を贔屓に思ひ過ごしてこんな馬鹿な説を作つて贔屓の引倒しを為たものだ。何程わからぬ人間だとて蠑螈別の如き文盲なものばかりも有るもので無いから坊主のやうにダヽブダ ダヽブダ ダヽブダとばかり読んで居らず、たまさかには俺の様にシヤンと読む人もあるからなア、こんな具合で諸々の仏経は尽く釈迦に托して後の仏者どもが偽作したものだよ、大方の人間は凡ての仏経は全部阿難が書いて置いたものだと固く思つて居るから目指して釈迦を譏つたり非難する様になるのだ』
万公『ヤア有難い。併し乍らヒイキの引倒し、商売道具に使はれちや、お釈迦さまもキツと阿弥陀をこぼして厶るだらう。何程教祖は正しいことを云つても、後の奴がいろいろと誤解をしたり、勝手な熱を吹いたり、自分の説が通らないと、如是我聞とつけて、釈迦に是の如く聞いたと自説を弁護せうとするのだから困つたものだな、併し五三公さま、お前は一行中の大学者だ、ヤアもう感心した、今後は決してお前を軽蔑しないから、どうぞ俺に知識の分配をしてくれ、お頼みだ』
五三『ヨシヨシ俺も神でもなければ仏でもないのだから、万屋の様に何でも引受けるといふことは出来ない。蠑螈別の様に知らぬことでも何とか理屈をつけてチヨロまかすのなら、どうでもなるが、ゴマ化しは永続きがせぬからな、そして又下根の人間に何程結構なことを聞かした所で、聞く耳がないと反対に取れるものだ、さうだから愚夫愚婦には却て誠のことは言はれないのだ。自分の暗愚な卑劣な心を標準として、凡ての人間は聞くのだから、玉に光のない者には本当のことを云つてやると却て誤解するものだ、併し万公さまは下根ではない、中根位な所だから、天国で云へば第二天国といふ所だ。第二天国相応の説明を与へることにせう』
万公『ヤア有難い、中根なら結構だ。俺は又下根だと言はれるかと思つてヒヤヒヤしてゐたよ』
五三『上根にも上中下があり、中根の中にも又上中下があり、下根の中にも亦上中下があつて、三三が九階級、区別がついてゐるのだ、これもホンの大要で、細かく言へば百八十段になる』
万公『さうすると、此万公は中の中位な者かなア』
五三『さうだなア、ヤツとマア中の下位な者だらうよ』
アク『五三公さま、私はどこら位ですか』
五三『ウン、お前は比較的霊が研けてゐる、中根の上だ、モ一つ気張れば上根に進むのだよ』
万公『オイ、アク、慢心すなよ、お芽出たう』
アク『五三公さま、イヤ先生、私のやうな霊でも中の上位な理解力がありますかな』
五三『ハイ大丈夫ですよ、併し慢心をすると、すぐに落ちますからな、ハヽヽヽヽ』
タク『先生、私はどこらですか』
五三『ウン、お前はさうだなア、何と云つてよからうかな』
タク『ヘー、さうすると上中下三根を超越してゐるのですか』
五三『番外だなア、よいと云へばよい、悪いと云へば悪い、まだ混沌として鶏子の如く、溟淆にして牙を含めりと云ふ所だ』
タク『あゝさうすると、開闢の初に現はれた国治立命様同様の身魂ですかな、即ち化して神となる、国治立命と号す……といふ様なものですか。成程国治立命様は世界最初の偉い神様であり乍ら、一番世の中におちぶれて御座つたといふ事だから、いかにも番外でせう。オイ、中の下先生、中の上先生、どうですなア』
万公『ハヽヽヽ、国所立退きの命だな、砂が化して瓦となるといふ所だ』
テク『先生、私は何ですか』
五三『さうだなア、テクもタクと余り勝ち負はないだらう』
テク『ヤア有難う』
万公『ハヽヽヽつまり言へば神界のハネノケ者だ。チツと之から観物三昧経でも研究して、下の下位迄進んだらよからうぞ、ウツフヽヽ』
テク『馬鹿にすない、あんな者がこんな者になるといふ仕組だ、今よくても先がよくならねば誠でないぞよ。霊がよいと申して慢心致すとスコタンを食ふぞよ、万公どのに気をつけるぞよ、早く改心して下されよ、改心が一等ぞよ。艮婆アに間違ないぞよ、蠑螈別の女房お寅が気をつけるぞよ、アハヽヽヽ』
(大正一一・一二・一三 旧一〇・二五 松村真澄録)
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