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文献名1霊界物語 第46巻 舎身活躍 酉の巻
文献名2第2篇 狐運怪会よみ(新仮名遣い)こうんかいかい
文献名3第11章 変化神〔1221〕よみ(新仮名遣い)へぐれがみ
著者出口王仁三郎
概要
備考
タグ データ凡例 データ最終更新日2023-03-14 19:29:14
あらすじ万公は変化神社にて一人、ウラナイ教のようなおかしな神々を信じる信者たちを馬鹿にし、自分の精神は立派だから狐にだまされないのだと一人思いにふけっていた。そこへお菊がやってきて、蠑螈別が大金を持って戻ってきたから、酔いつぶしてその金をひったくり、万公と駆け落ちするために逃げてきたのだという。万公は、自分は治国別について月の国へ行く神命を帯びているのだと断るが、お菊にせまられるとあっさりと気を替えてしまい、一緒に駆け落ちすることになった。
主な人物 舞台 口述日1922(大正11)年12月15日(旧10月27日) 口述場所 筆録者加藤明子 校正日 校正場所 初版発行日1924(大正13)年9月25日 愛善世界社版145頁 八幡書店版第8輯 410頁 修補版 校定版152頁 普及版58頁 初版 ページ備考
OBC rm4611
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本文 万公『アク公さまが演台に  登るや否や小北山
 変化神社の種あかし  怯めず臆せず滔々と
 数多の信者の目の前で  喋り立てたが仇となり
 上を下へと大騒動  乱痴気騒ぎが始まりて
 五六七成就の生宮と  自ら信じ人も亦
 許して居たる竹公が  獅子奮迅の勢で
 攻めかけ来るをアク公が  タクを犠牲に立てながら
 敏くも其場を立ち出づる  此時万公は只一人
 ヘグレ神社を一々に  調べて廻り頂上の
 月の大神日の御神  社の前に突つ立つて
 蠑螈別が奴狐に  つままれよつてこんな神
 勿体らしくも祀りこみ  馬鹿を尽すも程がある
 狐狸に騙されて  出て来る信者の顔見れば
 一人も碌な奴はない  目玉の一つ無い奴や
 聾に躄、肺病やみ  横根、疳瘡、骨うづき
 陰睾、田虫で苦しんだ  ガラクタ人間蜘蛛の子が
 孵化つたやうにウヨウヨと  此世で役に立たぬ奴
 固まり居るこそ可笑しけれ  それ故こんなガラクタの
 お宮を立てて古狐  八畳敷の古狸
 厳めしさうな名をつけて  末代日の王天の神
 上義の姫や常世姫  大将軍と斎ひこめ
 祀つて居やがる馬鹿らしさ  闇の世界と云ひながら
 これ程阿呆が世の中に  沢山居るとは知らなんだ
 さアこれからはこれからは  松彦さまや松姫が
 被つて居つた猫の皮  すつぱり脱いで曲神の
 素性を露はし諸人の  眼をさましやるならば
 如何に驚く事だらう  この万公は精神が
 確りして居る其お蔭  狐狸の曲神に
 騙されないのが不思議だよ  世界の奴は尊きも
 富めるも卑きも賤しきも  欲に心を眩ませて
 知らず知らずに迷ひ込み  曲神どもの玩弄に
 されて居るのが気の毒ぢや  これを思へば一日も
 早く三五教をして  暗き此世の光とし
 暗夜を照らして救はねば  三千世界は忽ちに
 荒野ケ原と変るだらう  あゝ惟神々々
 御霊幸倍坐しませよ』
 かかる所へお菊はスタスタ登つて来た。
お菊『もし万公さま、私最前からどれだけ探したか知れないのよ。こんな寒い所に一人何してゐらしたの』
万公『お前には肱鉄をかまされ竹公さまには怒られ、身を置く所がないので、ユラリ彦さまのお宮の前まで避難のためにやつて来たのだ。お前は又、こんな強い山をどうして一人登つて来たのだ』
『私だつて足がありますわ。況してスヰートハートした万公さまがゐらつしやるのだもの、思ひの外足が軽くて知らぬ間に此処に登つて来たのよ』
『馬鹿にするない、年端も行かないのに男に調戯ふと云ふ事があるものか。随分酷い目に会はしたねえ』
『そりや極つた事ですわ。親の前や人さまの前で、何程好きだとて好きな顔が出来ますか、恥かしいから嫌ひだと云つたのよ』
『それでも昨夜大変俺に恥をかかしたぢやないか。あの時こそ誰も居なかつたのに、ありや余り念が入り過ぎるぢやないか』
『何を言つてゐらつしやるの、あの時も暗がりに、アク、テク、タクさまが隠れて、私と貴方との立ち話を聞いて居たぢやありませぬか。それだから私あんな事を云つたのよ』
『成程さうだつたな、お前は随分細かいとこへ気がつくな』
『そらさうですとも、前後に気をつけにや人に発見されては大変ですもの』
『発見されてもよいぢやないか、何れ夫婦になるのぢやもの』
『それだつて、野合夫婦なんか云はれては末代の恥だわ』
『それなら、何故こんな処へ来たのだ。夜分なら兎も角も、誰が見とるか分らぬぢやないか』
『夜分なら疑はれても仕方がないが、昼の最中だもの、誰が怪しみませう。却つて物事は秘密にすると人に感づかれるものですよ。此処なら何しとつたて大丈夫だわ』
『エヘヽヽヽ、オイお菊、お前は小さい時から可愛い奴だと思うて居たが、ほんとに可愛いものぢやな、それ程私を思うて呉れてるのか』
『極つた事ですよ。あれ程目許で知らして居るのに、万さまは一寸も気がつかないのだもの、ポンポン怒つて居らつしやるのだから本当に焦つたかつたわ』
『なんと本当に分らぬものだな。恐れ入つたよ。そこまで念が入らなくては恋愛の趣味がない、併しお寅さまが承知せなかつたらどうする心算だ』
『何れ容易に承知しては呉れますまいよ。それだから私も一つ考へがあるのよ。万さまはこんな所へ来て、神様の悪口ばかり云つて居ましたでせう』
『ウン、余り業腹だから、小口から狐の神に引導を渡してやつたのだ』
『そんな悪戯せいでもよいに、狐が怒つて魅んだらどうします』
『ハヽヽヽヽ、そんな心配して呉れるな、狐に騙されるやうな精神ぢやない。狐の奴、俺の顔を見ると尾を巻いて忽ち十里位逃げ出すのだから大したものだよ』
『時に万さま、喜んで下さい。二十七万両の金を手に入れました』
『そんな金を何うして手に入れたのだ』
 お菊は耳に口をあて、
『今蠑螈別が三十万両の金をもつて野中の森から帰つてきたのよ。そして三万両をお母アさまに与へ、二十七万両の金をグヅと懐に入れて酒を飲みだしたから、私が酒を飲まして酔ひ潰し、二十七万両の金を引つたくつて、そつと此処まで逃げて来たのよ』
『女に似合はぬ豪胆者だな、そんな金何にするのだ』
『ホヽヽヽヽ、この金もつて山越しにお前と私と駆落をする積りで逃げて来たのよ。サア足のつかない間にこの山を南に渡つて月の国へ逃げようではありませぬか』
『ヤアまア待つて呉れ、私は神様の御命令で月の国へ往く者だが、今は治国別さまのお供してアーメニヤにゆくのだから、其間はお前と一緒に居る訳にはいかない』
『これ万さま、好い加減に呆けて置きなさい。それならお前はこのお菊は本当に可愛いのぢやないのだな』
『可愛くなうてかい』
『それなら私の云ふ事聞いて下さいな』
『ウン、聞くの段ぢやないが、御用の済むまで待つて呉れ』
『エヽ好かぬたらしい、神様の御用なんかどうでもよいぢやないか。サアこれから私と行きませう、二十七万両の金さへあれば、どんな立派な家も建つし、そんな危ないバラモン教を征伐するため、宣伝使のお供して野宿したり、乞食のやうな真似するよりも、茲は一つ考へ所だ。サア往つて下さい、頼みぢやから』
『困つたなア、エヽ仕方がない、自暴だ、それならお前と手に手を取つて此山越しに行かう』
『そりやまア有難う厶います、よう云つて下さいました。私もあんなやんちや親にひつついて居るのは嫌だし、こんな神様の所へ居るのは猶ほ嫌だし、兄様と知らぬ他国で苦労するのなら、こんな嬉しい事はないわ』
『そんな事言つて又中途で俺を放かすやうな事はすまいなア』
『滅相な、変り易いは男の心だから、万さまこそ心を変へないやうにして下さい。ねえ貴方、私好きで好きで仕方がないわ』
『エヘヽヽヽ』
と涎を繰りながら、
『サア、それなら松彦さまや五三公に済まないけれど、二十七万両の金を有つて弥高飛びぢや』
 お菊は山の尾の上を伝ひながら、万公の先に立ち歌ひつつ進んで行く。
『此世の中に生れ来て  何楽しみに人は生く
 浮世の中の楽みは  酒と博奕と色ばかり
 これに越したる楽みは  人間界にはあらうまい
 それに治国別さまは  窮屈至極の三五の
 教のお道に耽溺し  乞食のやうにブラブラと
 可愛い女房を家におき  お道のためとは云ひながら
 そこらあたりをウロウロと  うろつき歩くをかしさよ
 万公さまも神様の  教に些つと陥りこみ
 河鹿峠の峻坂を  越えて漸く小北山
 ウラナイ教の広間まで  やつて来たのは面白い
 私がいつも恋ひ慕ふ  大事の大事の殿御ぞや
 何とか工夫を廻らして  万公さまを銜へ込み
 日頃の思ひを達成し  知らぬ他国で水入らず
 一つ苦労をして見よと  思うて居たらアラ不思議
 一本橋の袂にて  結びの神の引き合せ
 お目にかかつた嬉しさよ  さはさりながら何うかして
 母の蓄へおかれたる  一万両のそのお金
 盗み出して万さまと  駆落するまで親の前
 嫌な男と云ひはつて  油断をさして目的を
 達せむものと思ふ中  降つて湧いたる儲けもの
 蠑螈別が沢山の  お金をもつてニコニコと
 帰り来るを見るにつけ  心の中に雀躍りし
 頻りに酒を勧めつつ  思ふ存分酔ひ潰し
 内懐にしめ込んだ  二十七万両の金
 旨く手に入れ小北山  頂上の宮の御前に
 登りて見れば万さまが  たつた一人で待つて居る
 こんな結構な事あろか  早速情約締結し
 山の尾の上を渡りつつ  吹く凩も何のその
 温いポツポに勢を  得たる嬉しさ恋人と
 手に手を取つて何処となく  逃げ往く身こそ嬉しけれ
 あゝ惟神々々  御霊幸倍坐しませよ』
(大正一一・一二・一五 旧一〇・二七 加藤明子録)
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