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文献名1霊界物語 第56巻 真善美愛 未の巻
文献名2第2篇 宿縁妄執よみ(新仮名遣い)しゅくえんもうしゅう
文献名3第7章 高鳴〔1437〕よみ(新仮名遣い)たかなり
著者出口王仁三郎
概要
備考
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あらすじ門の戸を叩いていた男はベルであった。高姫はベルを引き入れようと教えを説きはじめたが、ベルは変性男子の系統の教えを盗んでいるのは高姫の方だと反論する。高姫はまた屁理屈でベルに反論する。高姫とベルの問答を聞いていた六造も高姫への反対を唱え出した。一人シャルのみが高姫の説に同意し、弟子にしてもらうことを申し出た。高姫が喜んでいると、どこからともなく山彦をとどろかすほら貝の声が近づいてきた。
主な人物 舞台 口述日1923(大正12)年03月14日(旧01月27日) 口述場所竜宮館 筆録者加藤明子 校正日 校正場所 初版発行日1925(大正14)年5月3日 愛善世界社版82頁 八幡書店版第10輯 175頁 修補版 校定版87頁 普及版37頁 初版 ページ備考
OBC rm5607
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本文  七重八重言葉の花は咲きぬれど  実の一つさへなき山吹の
 花にも擬ふ教へ草  インフエルノのどん底に
 霊魂の籍をおきながら  底津岩根の大神の
 誠一つの太柱  此世を救ふ義理天上
 日の出神の生宮と  信じ切つたる高姫は
 如何なる尊き御教も  吾魂に添はざれば
 一々これを排斥し  変性男子の生御霊
 書かせ給へる御教を  所まんだら撰り出し
 自が曇りし心より  勝手次第に解釈し
 其身に憑る曲霊に  身も魂も曇らされ
 唯一心に神の為め  世人のためと村肝の
 心を尽すぞ果敢けれ  妖幻坊の杢助に
 魂を抜かれて中空より  印度の国のカルマタの
 草茫々と生え茂る  原野に危く墜落し
 其精霊は身体を  首尾よく脱離しブルガリオ
 八衢関所に到着し  赤白二人の門番が
 情によりて解放され  天の八衢遠近と
 彷徨ひ廻りて岩山の  麓に庵を結びつつ
 冥土へ来る精霊を  三途の川の脱衣婆の
 気取になつて点検し  一々館へ連れ帰り
 支離滅裂の教理をば  口角泡を飛ばせつつ
 一心不乱に説き立てる  其熱心は天を焼き
 地を焦がさむず勢に  遉慈愛の大神も
 救はむよしもなきままに  三年の間高姫が
 心のままに放任し  眼を閉ぢて自ら
 眼醒むる時を待ち給ふ  かくも畏き大神の
 大御心を覚り得ず  吾身に憑る精霊は
 至粋至純の神霊  日の出神の義理天上
 底津岩根の大神と  曲の霊に騙られ
 信じ居るこそ憐れなり  八衢街道の真中で
 ふと出会した四人連れ  言葉巧に誘ひて
 己が館へ連れ帰り  心をこめて天国へ
 救ひやらむと気を焦ち  力を尽す高姫が
 心を無にしてバラモンの  ヘルやケリナが反抗し
 互に顔を睨み鯛  小さき部屋に燻つて
 白黒眼をつり居たる  時しもあれや表戸を
 叩くは水鶏か泥坊か  但は嵐の行く音か
 何は兎もあれ門口に  現はれ実否を探らむと
 四人の男女を睨みつつ  庭に下り立ち表戸を
 ガラリと開ればこは如何に  髯茫々と生え茂る
 バラモン教の落武者が  泥坊仲間の親分と
 聞くより高姫目を瞠り  神の教の言霊に
 誠をさとし助けむと  心を定めて誘ひ入れ
 四人の前に引き来る  ああ惟神々々
 神の御霊の幸倍ひて  一時も早く高姫や
 其外五人の精霊を  一日も早く大神の
 誠の教に服はせ  救はせ給へと願ぎまつる
 朝日は照るとも曇るとも  月は盈つとも虧くるとも
 仮令大地は沈むとも  誠の力は世を救ふ
 誠の道を誤りし  虚偽に満ちたる高姫が
 教を如何に布くとても  正しき神の在す限り
 如何でか目的達すべき  さはさりながら善人は
 愛と善との徳に居り  真と信との光明に
 浴し仕ふるものなれば  善悪正邪は忽ちに
 心の空の日月に  映ろひ行けど曲津見に
 心を曇らす精霊は  却て悪を善となし
 虚偽をば真理と誤解して  益々狂ふ憐れさよ
 三五教のピユリタンと  救はれきつた精霊は
 如何でか曲の醜言に  尊き耳を傾けむや
 眼は眩み耳ふさぎ  霊の汚れし精霊は
 霊と霊との相似より  蟻の甘きに集ふごと
 喜び勇み集まりて  虚偽と不善の教をば
 こよなきものと確信し  随喜渇仰するものぞ
 ああ惟神々々  神の大悲の御心を
 量りまつりて万斛の  涙は河と流れゆく
 此河下は三途川  脱衣婆々と現はれて
 現幽二界の精霊が  心を洗ふヨルダンの
 流れを渡るぞ憐れなる  此惨状を逸早く
 救はせ給へと瑞月王仁が  謹み敬ひ三五の
 神の御前に赤心を  捧げて祈り奉る。
 高姫は今来た男に向ひ、穴のあく程其顔を打ち見守りながら、
『ヤアお前の面体には殺気が溢れて居る。大方泥坊でもやつて居るのぢやないかな』
『是はしたり、此処へ這入るや否や泥坊とは恐れ入ります。成程貴女の仰有る通り、吾々は元からの泥坊では厶いませぬ。月の国ハルナの都に現はれたまふ大黒主の御家来、鬼春別のゼネラルのお伴を致し、斎苑の館へ進軍の真最中、将軍の部下片彦、久米彦が三五教の宣伝使治国別の言霊に脆くも打ち破られ、浮木の森に引き返し来りたれば、此処に軍隊を二つに分ち、一方は鬼春別、一方はランチ、各三千騎を引き率れ、ビクの国を蹂躙し、次で猪倉山に陣営を構へ、武威を八方に輝かす折しも、又もや治国別の神軍に踏み破られ、鬼春別、久米彦の両将軍は三五教に帰順致され、吾々は解散の厄に遇ひ、心にも無き剥ぎ取り泥坊を彼方此方でやつて居るもので厶る。併し私が泥坊だと云つてお前さまに咎めらるる道理はありますまい。泥坊は泥坊としての最善を尽し、其商売の繁昌を計つて居るのだから泥坊呼ばはりはやめて貰ひませうかい。此方が泥坊なら此処に居る四人も泥坊だ。其外世界の奴は直接間接の違ひこそあれ泥坊根性の無いものはない。いや泥坊根性の無いものは無いのみならず、藁すべ一本なりと泥坊せないものは何奴も此奴もありますまい』
高姫『オホホホホ。泥坊にも三分の理窟があるとか云つて、どうでも理窟の付くものだなア、併し乍らお前のやうに泥坊を自慢らしく云ふものは聞いたことがない。些と恥を知りなさい。それだから神様が「今の人間は天の賊だ、泥坊の世の中だ」と仰有るのだ。遠慮してコソコソやつて居るのなら可愛らしい所もあるが、大きな声で泥坊だと威張り散らすやうになつてはもう世も末だぞへ。そこで底津岩根の大神様が今度立替を遊ばし、鬼も大蛇も賊もないやうになさるのだよ。お前も好い加減に改心なさらぬと未来の程が怖ろしいぞへ』
ベル『アハハハハ。諺にも「猿の尻笑ひ」と云ふ事がありますぞや、吾々は泥坊といつても、唯金銭物品を泥坊する許りだ。それよりも大泥坊、否天の賊が此処に一人あるやうだ。鬼の念仏はこのベル、根つから聞きたうは厶いませぬわい』
高姫『天の賊が此処に一人居るとはそれや誰の事だい。お前は私の顔を睨めつけながら天の賊と云ふた以上は、誠生粋のこの生宮を取り違ひして天の賊と云つたのだらうがな』
ベル『勿論お前の事だよ、よく考へて御覧なさい。変性男子厳の御霊の生宮が、大国常立尊の伝達遊ばした神示を、そつと腹に締め込み、それを自分の物として横領して居るぢやないか。そして自分は義理天上だとか、底津岩根の大神の生宮だとか云つて得意になつて居るのは実に天地容れざる大罪悪、大虚偽もこれに越したるものはあるまい。それだからこのベルが大泥坊天の賊と云つたのが、どこに間違ひが厶るかな、不服とあらばベルの前で説明をして貰ひませう』
と胡床をかき言葉鋭く詰よつた。
高姫『ホホホホホ。ても扨ても分らぬ男だな、善一つの誠生粋の日本魂の、根本の根本の此世の御先祖様の憑らせたまふ生宮に対し泥坊呼ばはりをするとは無智にも程がある、お前のやうな盲聾が娑婆を塞いで居る以上は何時になつても神政成就は出来ませぬわい。何と云ふても霊が地獄に堕ちて居るのだから、人の眼についている塵は目についても己の眼にある梁は目に入らぬと見える、これシャル、六造、この二人の男を見て改心なされや。今が肝腎の時で厶いますぞえ。人民の分際として善ぢやの悪ぢやのとそれや何を云ふのぢや。三五教の教にも「神が表に現はれて、善と悪とを立て分ける」とお示しになつて居るぢやないか。神様の外に善と悪とを立て分けるものは無い。それも根本の弥勒様より外に立分ける者は無い、枝の神では出来ない、それだから根本の神様の御用をする此高姫の言ふことは大神様の御心だから、お前の心に合はなくてもこの高姫の云ふ通り素直になして行ひを改めさへすれば、現界、神界、幽界、ともに結構な御用が出来ますぞや』
六造『高姫さま、何と仰有つても私にはテンと信用が出来ませぬがな、お前の御面相を最前から考へて居るが、ちつとも神様らしい所が現はれて居りませぬ。表向にはニコニコとして厶るが、その底の方に何とも云へぬ険悪な相や、憎悪の相が現はれて居りますぞや。「人間の面貌は心の索引」とか云ひまして、何うしても内分は包む事は出来ませぬ、きつと外分に現はれて来るものですからなア』
高姫『アーアー、何れもこれも分る霊は一人も無いわい。神様も仰有つた筈だ「誠の人が三人あつたら三千世界の立替立直が出来る」との事、今更其お言葉を思ひ出せば実に感歎の外はない。私も長らくこれ程一生懸命に神様の為め、世人の為め、粉骨砕身の活動をして来たが未だ一人の知己を得る事が出来ないのか、情なや情なや ほんに浮世が嫌になつて来たわい』
シャル『もし高姫様、私はどこ迄も貴女のお言葉を信じます。貴女は本当の根本の大神様の生宮様に間違ひはありませぬ。何卒私を貴女のお弟子にして下さいますまいか』
高姫『オホホホホ。成程お前は何処ともなしに気の利いた男だと初から見込んで置いた。矢張り日の出の神の目は違はぬわい。これ皆の泥坊共、高姫の申す事でも誠さへ心にありたら、このシャルの通り一遍に腹へ入りますぞや。分らぬのはお前の心が曇つて居るからであるぞや。ちと御改心なされ、足許から鳥が立つぞや』
 斯る所へ何処ともなく、ブーウ ブーウと山彦を轟かす法螺貝の声近づき来る、ああ惟神霊幸倍坐世。
(大正一二・三・一四 旧一・二七 於竜宮館二階 加藤明子録)
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