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文献名1霊界物語 第57巻 真善美愛 申の巻
文献名2第1篇 照門山颪よみ(新仮名遣い)てるもんざんおろし
文献名3第3章 野探〔1453〕よみ(新仮名遣い)やさがし
著者出口王仁三郎
概要
備考
タグ データ凡例 データ最終更新日----
あらすじ求道居士一行がパインの森で息を休めていると、老若男女の鬨の声が聞こえてきた。群衆は、ワックスが煽動したとおり、悪神の手先・三千彦を捕えたこと、三五教にたぶらかされたデビス姫を捕えようと捜索していることを歌いながら進んでくる。町民一同が脱線的な動きを始めたのは、ワックスがいつも使役している悪孤の所為である。この悪孤は妖幻坊の手下で三九坊と名乗る刧を経た古狐である。この狐はワックスの体内に出入りしていつもよからぬことを計画していた。そこへ三千彦がやってきたので、三千彦を排斥するのはこのときと、有らん限りの力を尽くして、ワックスの口を借りて町民を扇動し、精神をかく乱したのである。町民たちはデビス姫の捜索に出かけてしまい、どの家も留守になってしまった。その間にオークスとビルマは、ワックスの内命によって留守の家からめぼしい物品を盗み出し、テルモン山の岩窟に運んでしまった。ワックスはパインの森に大勢を連れて押し寄せ、求道居士らを誰何した。求道居士は言葉優しくこれまでの経緯を説明し、デビス姫はワックスを叱りつけたが、ワックスの下知によって四人は縛り上げられてしまった。四人はむしろ、縛られて館に行き、誤解を解こうと思っていたのだが、ワックスは三九坊のささやきにより、四人をテルモン山の岩窟に放り込んでしまった。町人たちは勝鬨を上げて帰ってきたが、見れば家の宝が残らず盗まれている。オークスは馬上より大音声を発して、これはすべて三五教の悪宣伝使たちの仕業だと触れて回り、ワックスを先見の明ある救世主だと持ち上げた。町民たちはすっかり信じてしまい、三五教をますます憎み、反対にワックスを神のごとく尊敬するに至った。
主な人物 舞台 口述日1923(大正12)年03月24日(旧02月8日) 口述場所皆生温泉 浜屋 筆録者加藤明子 校正日 校正場所 初版発行日1925(大正14)年5月24日 愛善世界社版35頁 八幡書店版第10輯 270頁 修補版 校定版37頁 普及版16頁 初版 ページ備考
OBC rm5703
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本文  求道居士はデビス、ケリナをパインの森迄送り来り、ヘルと共に少時息を休めて居た。忽ち老若男女の鬨の声、鉦や太鼓を鳴らしながら、
群衆『返せ戻せ、三五教の悪神よ  ドンドコドンドコ ドコドコドン
 チヤンチキチヤンチキ チヤンチキチン  大事の大事のお姫さま
 テルモン館のお姫さま  ドンドコドンドコ ドコドコドン
 チヤンチキチヤンチキ チヤンチキチン  不動の滝へ引き込んで
 悪逆無道の三千彦を  お先へ館へ忍ばせつ
 金剛不壊の如意宝珠  大事の大事のお宝を
 隠した奴は三千彦だ  返せ 戻せ 如意宝珠
 ドンドコドンドコ ドコドコドン  チヤンチキチヤンチキ チヤンチキチン
 如意の宝珠はバラモンの  神のお蔭で返つたが
 肝腎要のお姫さま  返せ戻せやサア早う
 三五教の宣伝使  如何なる魔法を使ふとも
 此方にや此方の魔法がある  返せ戻せサア早く
 大事の大事のお姫さま  も一つ大事なケリナ姫
 三年前に館をば  お出ましなさつたそれ限り
 根つから帰つて厶らない  ドンドコドンドコ ドコドコドン
 チヤンチキチヤンチキ チヤンチキチン  これも矢張三五の
 悪神共のなす業と  ワックス司の御託宣
 よもや間違ひ厶るまい  ドンドコドンドコ ドコドコドン
 チヤンチキチヤンチキ チヤンチキチン  エーエーエ
 さても此度テルモン館  俄に悪魔が到来し
 肝腎要の如意宝珠  盗んで次にお姫さま
 銜へて帰なうと企みつつ  まづ手初めに教主さま
 小国別の命をば  所在魔法を使ひつつ
 命を取らうと企み居る  斯うなりや館の損でない
 宮町中の大損だ  テルモン山の中腹に
 泰平の夢を貪りし  天下唯一のパラダイス
 三五教の鬼が来て  水も漏らさぬ悪企み
 根本的に看破した  ワックスさまは偉いもの
 テルモン館の救世主  宮町中の救け神
 悪いお方と聞いてたに  古今無双の神力を
 現はしなさつた偉い人  讃めよ称へよ崇めよ拝め
 讃めよ称へよ崇めよ拝め  ドンドコドンドコ ドコドコドン
 チヤンチキチヤンチキ チヤンチキチン  パインの森には何となく
 怪しい人の影がある  これも矢張三五の
 悪神共の襲来か  デビス、ケリナの姫さまの
 吾々町人一同は  一度もお顔は拝まねど
 御容色の勝れた人ぢやげな  皆さま確りなされませ
 三五教を守護する  高倉、旭の明神が
 女に化けてテルモンの  館へ侵入すると云ふ
 大国彦の神様の  さしも厳しき御託宣
 ワックスさまに降りしと  聞いて吾等はうかうかと
 無事泰平の夢を見て  これが暮して居られうか
 何程姫に見えたとて  決して信じちやなりませぬ
 ワックスさまの云ふ通り  一旦女を見つけたら
 とつ捉まへてワックスの  お目にかけた上でなくば
 決して館に送るなよ  ドンドコドンドコ ドコドコドン
 チヤンチキチヤンチキ チヤンチキチン』
と、赤襷赤鉢巻に白い旗に文字をムシヤムシヤと書いたのを立て乍ら、黒い顔した老若男女が坂道を下つて来る。斯の如く町民一同が脱線的蠢動を初めたのは、ワックスがいつも使役して居る悪狐の所為である。この悪狐は妖幻坊の部下であつて三九坊と称ふる数千年の劫を経た古狐で、時々テルモン山に夜中数千の火を点し、或は文字をもつて大の字を現はしなどして、町民を誤魔化して居たのである。此三九坊はワックスの体内に出入して何時も好からぬ事を計劃して居た。其処へ三五教の三千彦が突然やつて来たので、自分の正体の現はれむ事を恐れ、三千彦を排斥し、三五教の宣伝使を一人も窺はしめざるやう為すは今此時と、有らむ限りの力を尽し、先づ第一に町民の精心を攪乱すべく、ワックスの口を藉つて辻演説を初めたものである。百戸許りの町民は、ワックスの妖言を一も二もなく信じて仕舞ひ、家を空にして姫の捜索に出掛けたのである。どの家もどの家も家を空にして外に飛び出し、猫の子一匹留守をして居なかつた。其間にオークス、ビルマの両人はワックスの内命により、留守の家々を探つて目ぼしい物品を残らず盗み出し、テルモン山の或る岩窟へ運ばせて置いた。百戸が百戸とも最も大切なる物品を一つも盗まれない家は無かつた。ワックスは数多の人々を引き連れ乍ら、四人の休息せるパインの森に押し寄せ来り大音声、
ワックス『ヤアヤアそれなる、円頂緇衣の比丘共、汝は三五教の魔法を使ひ、二人の姫様をいづくにか、奪い取り隠し置き、旭、高倉の白狐を使ひ、デビス姫、ケリナ姫に化けさせ、再び如意宝珠の宝を手に入れむとして進み来りし大悪人奴、又一人は一ケ月以前三人抜刀をもつて宮町を荒した大泥坊の中の片割、隠しても隠されまい。サアどうぢや、尋常に縛につけ』
と呶鳴り立てた。求道居士は言葉柔しく、
『拙者は決して悪神では厶らぬ、元はバラモン教のカーネル、エミシと申すもの、大黒主様の命を奉じ、鬼春別、久米彦両将軍に従ひ、斎苑の館へ進軍の途中、三五教の宣伝使迦葉尊者、治国別に出遇ひ誠の道を説き示され、比丘となつたもので厶る。さうして此御両人はテルモン館のデビス姫様、ケリナ姫様で厶るぞ。危急の場合をお助け申し、此処迄お送り申たもので厶る。サア疑を晴らして吾々一同を御案内召され』
ワックス『アハハハハハ、吐したりな糞坊主奴、怪弁をもつて神力無双の某を誤魔化さむと致すとも、左様な事に誑らるる如き某では厶らぬぞ。デビス姫様は決してそのやうなお耳はして厶らぬ。全く高倉と申す悪狐で厶らう、化損ねて犬に耳を噛まれた証拠にはまだ血が滴つて居るぢやないか。もう一人のケリナ姫に化けた奴狐も首筋に創を致して居るぢやないか、其方も亦耳の辺りに創の跡がある。きつと犬に噛まれて、化けて此処まで来よつたに違ひない。サア皆の者猶予はいらぬ、ワックスの命だ、縛りあげて姫の住所を白状させる為め、テルモン山の岩窟に送つたがよからう』
デビス『これお前は家令の悴、野呂作のワックスぢやないか、何と云ふ失礼な事を云ふのだ。妾の命を助けて下さつた御恩人、無礼の事を致すと量見は致しませぬぞ』
ケリナ『ヤア珍しやワックス殿、其方は相変らず脱線を続ける男だな。吾等妹姉は小国別の娘に間違ひない程に、サア早く其処を退いてお呉れ、お父上の御身の上が気にかかるから一時も早く帰らねばなりませぬ』
ワックス『ツベコベと吾々を誤魔化さむと致しても其手に乗るものではない。サア皆さま、あの耳を噛まれて居るのが四足の証拠だ。早く縛りなさい』
と下知すれば、数十人の荒男は有無を言はせず四人を雁字搦に縛り上げた。求道居士初め其外三人は名もなき小童共にムザムザ縛られるやうな者ではなかつたが、一層の事縛られて館へ帰り、ワックス其外を驚かしてやらうと、態とに縛に就いたのである。然るにワックスは胸に一物ある事とて、三九坊の副守の命ずる儘に三千彦を放り込んだ向かひ側の谷間の岩窟に一人宛分けて、大勢と共に送り込み錠を固く鎖して仕舞つたのである。
 町民は勝鬨をあげて各家路に帰り見れば、バラモン神を祭る最も必要な金銀製の香炉や水壺が、一個も残らず紛失して居た。何れも周章狼狽街路に出て、互に盗難の次第を物語つて居る。其処へ意気揚々として驢馬に跨りやつて来たのは、ワックス、オークス、ビルマの三人であつた。一同は三人の周囲に群がり来り、盗難の次第を訴へた。オークスは馬上より大音声を発して云ふ。
『三五教の悪宣伝使、テルモン山の館へ忍び込み、デビス姫をチヨロまかし、如意宝珠を隠し、小国別を呪咀して命を取り尚是にては飽き足らず、宮町の家々の重宝、バラモン神を祭る重要の器具を一つも残さず奪ひ取りしは、全く彼等の魔法の致す所、決して油断をするな。グヅグヅして居ると大切な娘を取られ、財産を奪はれ、遂には皆さまの命迄取られますよ。最早テルモンの神館は小国別様は九死一生の場合、とてもお命は難しい。加ふるに二人のお娘子は魔法使の為に行方は分らず、到底安心して暮す事は出来ますまい。又肝腎要の如意宝珠を失うた上はハルナの都に坐ます大黒主様の怒に触れ村中追放に遇ふか、或は鏖殺に遇はねばならぬ所を此ワックス様が、御神力によつて如意宝珠を手に入れて下さつた為め、宮町百戸の罪は逃れたと申すもの、されば今後はワックス様を館の主と崇め奉り、本当のデビス姫が見つかつた上で御夫婦にお成り下さるやう、御両人に村中がお勧め申し、そして祖先より伝はつた家を守らうでは厶いませぬか。ワックス様は今日迄は故意とに馬鹿になり、放蕩息子と見せかけて、此国難をお救ひ下さつた誠の救世主で厶いますぞや』
と嘘を甘く並べ立て、説きつけた。集まり来りし老若男女は、何れも三五教の悪神の魔法にかかつて苦しむ事を恨み、且つワックスの神力を賞揚し、『ワックス万歳』を三唱し乍ら各家路に急ぎ帰る。帰つて見れば先祖代々から伝はつた財物の祭具が無いので又もや憂に沈み、益々三五教の宣伝使を憎み、その反対にワックスを神の如くに尊敬するに至りぬ。
(大正一二・三・二四 旧二・八 於伯耆国皆生温泉浜屋 加藤明子録)
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