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文献名1霊界物語 第69巻 山河草木 申の巻
文献名2第4篇 新政復興よみ(新仮名遣い)しんせいふっこう
文献名3第22章 有終〔1767〕よみ(新仮名遣い)ゆうしゅう
著者出口王仁三郎
概要
備考
タグ データ凡例 データ最終更新日2018-11-24 16:58:31
あらすじ一行はあばら家を借りて住み、子分たちが畑で野菜を作り、国照別がそれを町に売りに出て、一年ほど暮らしていた。しかし、ふとしたことから一行の素性が秋山別・モリスの耳に入り、両老中は清香姫に自分の至誠を表すために地位・名望を投げ捨てて共に耕作に従事し、その上で城に帰るように懇願した。城に帰った清香姫は、両親に自分たち兄妹の意中を明らかにした。楓別命夫婦は吾が子らの誠に感じ入り、自分たちは退隠して清香姫、国照別に政治を譲った。清香姫・国照別らは仁恵を行い、徳政を施し、貧富を収まるべきところに収め、上下の障壁を取り、老若男女に選挙権を与えた。ここに騒乱はたちまち収まり、地上の天国が実現した。国照別は選ばれて、ヒルの国の大王となった。一方、その後珍の国では、上下の乖離がますますはなはだしく、国愛別・岩治別、春乃姫・常盤姫らの活動により人心はやや緩和したけれども、いよいよ状況は厳しくなってきていた。そこへ、ヒルの国の大王となった国照別は多数の部下を従えて、救援に駆けつけた。国照別は三年ぶりの故国の惨状に心を痛めたが、民衆は国照別の行軍に恭順の意を示して迎えた。国愛別らは、国照別を導いて城内深く入り、ここにおいてようやく、松若彦・伊佐彦は今までの地位・爵位を投げ打って、民衆の前に罪を謝すこととなった。国愛別は春乃姫と夫婦となり、また民衆に推されて珍の国の大王となった。ここに貧富の懸隔は打破され、上下の待遇は改善され、ようやく珍の国は平安無事に治まった。
主な人物 舞台ヒルの都、ウヅの都・高砂城 口述日1924(大正13)年01月25日(旧12月20日) 口述場所伊予 山口氏邸 筆録者松村真澄 校正日 校正場所 初版発行日1927(昭和2)年10月26日 愛善世界社版302頁 八幡書店版第12輯 383頁 修補版 校定版317頁 普及版66頁 初版 ページ備考
OBC rm6922
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本文  国照別一行はヒルの都の町外れの半倒れた古家を借つて住込み、博奕をやめ、自分は青物を担うて町中を売り歩き、乾児は畠を作つて野菜の栽培をやつてゐた。そして清香姫は裁縫炊事等に全力を尽してゐた。春子姫は浅、市、馬、駒治などの乾児を率ゐて、毎日野良へ出で耕作に従事してゐたが、誰も其素性を知るものはなかつた。然るに一年許り経つて、ふとした事から清香姫、春子姫が此町外れの茅屋に賤の女となつて、四五人の男と共に耕作に従事してゐる事が、其筋の耳に入り、秋山別、モリスは職に居る訳にも行かず一切の地位も名望も抛ちて、老躯を引提げ、耕耘に従事した。そして清香姫に自分の至誠を現はして再び城中に帰つて貰ふ事にした。清香姫は国照別と共に城中へ帰り、父楓別命及び母の清子姫に対して、自分等兄妹の意中を露程も包まず吐露した。両親も吾子の至誠に感じ、自分は退隠して、高倉山の宮に専仕し、清香姫、国照別の意見に従つて、国内に仁恵を行ひ、且つ衆生の意を迎へて、徳政を施し、貧富其の処を得せしめ、上下の障壁を除り、老若男女一般に選挙権を与へた。茲に於てすでに擾乱勃発し、国家崩壊せむとする危機一髪のヒルの天地は、忽ち黎明の新空気に充ち地上に天国を実現する事となつた。そして国政を改めて、インカ国の制度を改善し万代不易の礎を固め、国照別は選まれて大王となり、ヒルの国家は永遠無窮に、旭の豊栄昇りに栄ゆる事となつた。実に名にし負ふ高砂島の聖場、高倉山は永久に平和の花香り、鸞鳳空に飛び、迦陵頻伽は春夏秋冬の別なく、御代の隆盛を謳ひ、神人和楽して、国内一点の不平も不満もなく至治太平の瑞祥を味はふ事となつた。あゝ惟神霊幸倍坐世。
 話変はつて、珍の国にては上下の乖離益々甚だしく、衆生は猛虎の如く狂ひ立つて、松若彦、伊佐彦の館を包囲し、各地に殺人強盗出没し、人心戦々恟々として不安の雲に包まれた。侠客の愛州始め岩治別の岩公は、数多の乾児と共に衆生の中に入つて、天地の道理を説き、稍人心緩和したりと雖も、容易に治まらず、国家は累卵の危きに立至つた。又春乃姫、常磐姫は昼夜の別なく宣伝に努め、松依別は親爺の貯蓄金を取出し、貧民窟に持運びなどして、大に人心の緩和に努めた。されど一旦燃え上つた人心は容易に治まらず、何時大変事が勃発するか分らなくなつて来た。賢平の力も取締の力も施すに由なきに至つた。加ふるに地震荐りに至り所々に大火災あり収拾す可らざる状態となつた。国依別、末子姫は夜陰に紛れ城内を抜け出し数十里を隔てた玉照山の月の宮に立籠もつて、国家の危急を救ふべく、老体乍ら祈つて居た。斯る所へヒルの国の大王国照別は数多の勇み男を引つれ、珍の国救援の為に夜を日についで駆けつけた。岩治別は愛州の命に依り、ヒルの国の国照別に応援を請ふべくアリナ山の頂上迄登つた所、ベツタリ国照別の一行に出会し、詳細に珍の国刻下の現状を述べ、国照別も意外の事に驚き乍ら、一行数百人都を指して、駿馬に跨がり進み入る。
 四五日の後、国照別は三年振に再び自分の故国に帰り、珍の都の姿を見た時は、実に今昔の感に打たれざるを得なかつた。大廈高楼は暴動の為に爆破され、富豪の邸宅は焼払はれ、至る所に仮小屋が建てられ、衆生の悲惨な生活状態が、国照別の仁慈に富める心を痛めた。
 国照別は『ヒルの国の大王、珍の国の世子国照別』といふ大旗を風に翻し乍ら、珍の都の大道を堂々と進み入つた。此旗印を見て衆生は再生の思ひをなし、手にした兇器を投捨てて地上に平伏したり。かかる所へ春乃姫、常磐姫は宣伝に窶れたる黒い顔をさらし乍ら現はれ来り、国照別の応援を涙と共に感謝する。又国愛別の愛州は数多の乾児と共に、高砂城の表門に待迎へ、国照別を導いて城内深く入つた。松若彦、伊佐彦は今迄の地位と爵位を抛ち、衆生の前に丸裸となつて罪を謝した。
 之より国照別、春乃姫、愛州の国愛別、岩公の岩治別は評定所に入つて、政治の改革を断行する事となり、国依別、末子姫を玉照山より迎へ還し、ヒルの国同様の神政を行ひ、愛州の国愛別を妹の春乃姫に娶合はし、民衆に推戴されて国愛別は大王となり、貧富の懸隔を打破し、国民上下の待遇を改善し、世は平安無事に永遠無窮に治まつた。あゝ惟神霊幸倍坐世。
    ○
 珍の野に村雲起り月も日も
  玉照山にかくれけるかな。

 国愛別神の誠の現はれて
  醜の荒びも静まりにけり。

 霜の朝雪の夕を凌ぎつつ
  春乃の姫の御代に会ふかな。

 高砂の珍の御国の御柱と
  現はれたてる松の常磐木。

 常磐姫松の操のなかりせば
  珍の御国は栄えざらまし。

 岩治別司の君の真心に
  岩より堅き国は立ちぬる。

 国照別雲押分けて下りまし
  月日輝く御代となしぬる。

 大老の松若彦も魂を
  やき直しつつ鄙に下りぬ。

 伊佐彦の古い頭も衆生の
  烈しき声に眼さめけり。

 国愛別珍の真人は高砂の
  城の主となりにけるかな。

 春乃姫国愛別にあひ添ひて
  珍の御国の花となりぬる。

 松依別父の宝をあし原の
  醜草村に撒きすてにけり。

 樽乃姫サデスムスをば患ひて
  牢屋の中に斃れけるかな。

 国依別末子の姫は玉照の
  神の御山に永久に仕へし。

 惟神神の力の現はれて
  五六七の御代は豊かに立ちぬ。

 此話高砂島の事のみか
  其他の国にもありさうなこと。

 天地のゆり動くなる今の世は
  心許すな何れの国も。

 伊予の温泉に病養ふ其暇に
  成りにけるかな此物語。

 此書の世に出づる日を松村の
  握りしペンの勇ましきかな。

 世に弘く伝へむとして物語りぬ
  高砂洲の雲の往来を。

(大正一三・一・二五 旧一二・一二・二〇 伊予 於山口氏邸、松村真澄録)
(昭和一〇・六・二三 王仁校正)
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