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文献名1霊界物語 第70巻 山河草木 酉の巻
文献名2第2篇 千種蛮態よみ(新仮名遣い)せんしゅばんたい
文献名3第10章 二教聯合〔1777〕よみ(新仮名遣い)にきょうれんごう
著者出口王仁三郎
概要
備考
タグ データ凡例 データ最終更新日2020-05-28 01:15:37
あらすじ千草姫は、キューバーを差置いて照国別が斎主に選ばれたことに腹を立て、祭典に出席せず、自室に閉じこもっていた。祭典を終えて王、太子、重臣たちが城に戻ってきて、玉座の次の間で直会を開き、今日のありさまを語り合っている。千草姫は潜んで聞き耳を立てている。そして、キューバーが投獄されたと聞いて、照国別を排除し投獄して仇をうとうと、内に激しい怒りを宿す。王は祝歌を歌う。遠き昔より、ウラル教を奉じて治めて来たトルマン国も、バラモン教やスコブツエン宗らの邪教が入り来たり、敬神・尊祖・愛国といった心も消え失せてきた。強いもの勝ちの世に、コミュニズム(共産主義)、アナーキムズム(無政府主義)、ソシャリズム(社会主義)等の悪思想がはびこり始めた。そこへ、スコブツエン宗が大足別の武力をもって、トルマン国を脅かしたのが、今回の戦争であった。ところが、千草姫に丸め込まれるや、一転大足別を裏切って身を転じる変わり身は、何としたことだろう、油断のならないやつだ。それだから、バラモン軍を退けトルマン国を助けてくれた照国別に斎主をお願いしたのだ。祭典では、ウラル神と三五教の大国治立大御神・神素盞嗚大神が納まったことを見て、キューバーは怒り、乱暴狼藉を働いた。彼が前非を悔いるまでは、決して牢獄から出しはしない。そして今日からトルマン国は、三五教とウラル教、二つの教えをいただき、世の大本の神を祭って国民を導いていくのだ。また、照国別は歌う。自分、照国別も、昔は梅彦という、ウラル教の宣伝使であった。竜宮島へ渡り、またペルシャの海に来たり、終には暴風に遭って九死一生の時、三五教の宣伝使・日の出別の言霊によって三五教となった。そして照国別という名前を頂いたのであった。ここ、ウラル教を頂くトルマン国の救国軍に加わったのも、大神がお引き合わせになったことでしょう。人間界では、ウラルと三五の教えは二つであるけれども、世界を作った大本の誠の神は一柱である。だから、何れも同じ神の道として、祭典を司り参加できない理由はないのである。これからは万教を一つになして、愛善の神の御徳を遍く宣伝し、神政成就に使える覚悟です。ここに自分の抱負を述べると共に、王室の永遠の栄えをお祈り申し上げます。チウイン太子は歌う。富み栄えたるトルマン国を奪い取ろうと画策したのが大黒主であり、その手先がキューバーである以上、キューバーの悪行は天地も許さない大罪である。実は、キューバーをどうしたらよいかと照国別・照公と計り、神に祈ったところ、夢のお告げに、必ず明日キューバーを縛れ、と現れた。もうこうなった以上、母・千草姫の怒りを買うは火を見るよりも明らか、しかしながら国家を救うためには如何ともしがたかったのである。父王、照国別よ、キューバーの処遇の理由をこの通り、今ここに陳謝いたします。さて、三五教とウラル教はここに連合して、トルマン国はもちろん、七千余国のインド全土に神の教えを伝え、一日も早く神国成就の業に仕えるべきである。かく、神の前に自分の赤心を明かし、誓います。するとその場へ千草姫が現れ、王の隣に座を占めた。千草姫は夜叉のごとき勢いで、怒りで顔を真っ赤にし、目は血走っていた。この突然の出現に、座は異様な空気に包まれてしまった。
主な人物 舞台 口述日1925(大正14)年08月24日(旧07月5日) 口述場所丹後由良 秋田別荘 筆録者加藤明子 校正日 校正場所 初版発行日1925(大正14)年10月16日 愛善世界社版124頁 八幡書店版第12輯 435頁 修補版 校定版127頁 普及版63頁 初版 ページ備考
OBC rm7010
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本文  千草姫は、最愛のキユーバーがハリマの森の祭典に於て、祭官の列外に立たせられ、照国別をして斎主となした其処置に憤慨し、病と称して城内深く閉ぢ籠り、刹帝利、チウイン太子の参拝あるにも拘らず、吾居間にだだをこねて寝込んで仕舞つた。一方キユーバーは何気なく祭典を見むとて刹帝利に随ひ、ハリマの森に来て見れば、新調の盛装を身に纒ふて、照国別が斎主をやつて居る。一般の群集は、
『何と立派な宣伝使だ、ウラル教の中にもあんな神徳の高い宣伝使は無からう。今度の国難を救ふて下さつたのもあの宣伝使ださうだ。それだから、今度のお祭に王様の先に立つて斎主を勤めて居られるのだ。ほんとに偉い生神ぢやないか。又スコブツエンのキユーバーなんて、今迄偉さうに威張つて居やがつたが、今日の態つたら無いぢやないか。あの見窄らしい態を見い。祭官の端にも加へて貰はず、玉串の献上もさしてよう貰ひやがらぬぢやないか』
などと囁く声が耳敏きキユーバーの皷膜に響いたので、キユーバーは立腹の余り俄に逆上し、荘重なる儀式を蹂躙し、斎主の冠を擲きおとしたのである。それがチウイン太子の英断によつて、彼は即座にふん縛られ、忽ち牢獄に繋がれて了つた。こんな事とは夢にも知らぬ千草姫は、キユーバーの一刻も早く帰れかしと、一時千秋の思ひをして待ち焦れて居た。そこへガーデン王、照国別、照公、勇将ジヤンク、チンレイ、ハリス其他の面々と共に万歳を三唱し乍ら、玉座の次の間に帰つて来た。さうして今日の祭典の状況につき種々と談じ合ひ、特にキユーバーが聖場を乱し、忽ち縛につき牢獄に投ぜられた事なぞ迄、刹帝利の前にて興味を湧しつつ話し乍ら、直会の宴が開かれて居た。疑ひ深き千草姫は玉座の次の間に身を潜め、耳を澄まして聞いて居たが、キユーバーが乱暴を働き牢獄に投ぜられたと聞くより気が気でならず、どうとかして照国別を排除し、出来得べくんば彼に難癖をつけ牢獄に投じ、キユーバーの仇を打たむと瞋恚の炎を焦して居る。刹帝利は上機嫌で、照国別に再生の恩を謝し、トルマン国の救世主と迄称揚した。王は先づ盃を手にし乍ら祝歌を謡ふ。
『トルマン国は神の国  遠き神代の昔より
 ウラルの彦の神霊を  斎き祭りて世を治め
 来りし事の尊さよ  さはさり乍ら世の中に
 八岐大蛇や醜狐  荒ぶる鬼の身魂等が
 漸く首をもたげつつ  バラモン教やスコ教や
 其他百の邪宗教  吾神国に襲ひ来て
 国人達の魂を  支離滅裂に乱しつつ
 敬神尊祖愛国の  誠心は消え果てて
 唯国人は我利我欲  形の上の宝のみ
 豺狼の爪牙を磨きつつ  あさり居るこそ悲しけれ
 富者は益々富み栄え  貧者は益々窮乏し
 怨嗟の声は国内に  漲り果てて………………
 ……や……………  その他所在悪思想
 国の外より襲ひ来て  人の心はまちまちに
 野獣の如くなりにけり  かかる所へつけ込んで
 大黒主の開きたる  バラモン教の別派なる
 スコブツエン宗と云ふ邪教  燎原を焼く火の如く
 蔓延したるぞ是非なけれ  スコブツエン宗のキユーバーは
 大黒主の命を受け  吾国内に根拠をば
 定めて日に夜に活躍し  吾官民を睥睨し
 暴威を揮ひ居たりしが  尚ほ飽き足らずバラモンの
 大足別と結託し  トルマン国を手に入れて
 七千余国の月の国  片つ端から蹂躙し
 野望を達成せむものと  企らみ居たる憎らしさ
 大足別の軍隊を  率ゐて王家を威喝なし
 思ひもかけぬ此度の  軍を開き国民を
 苦め難ませヅウヅウしくも  吾城内に忍び入り
 千草の姫の弁舌に  捲き込まれては急激に
 進路を転じ城内の  味方とかはりし早業は
 実に不思議の手品師だ  へぐれのへぐれのへぐれむしや
 へぐれ神社の身霊だろ  彼は城内に現はれて
 表面忠義をよそほへど  仲々油断のならぬ奴
 それゆへ此度の祭典に  彼をば退け吾国を
 助け給ひし三五の  照国別の宣伝使
 御苦労乍ら斎主をば  願ひ奉りし次第なり
 あゝ惟神々々  ウラルの神の御神力
 三五教を守ります  大国治立大御神
 神素盞嗚の大神の  高き御稜威に守られて
 左守右守の二柱  いよいよ国の守り神
 千代に八千代に永久に  納まりますぞ尊けれ
 キユーバーの司はこの体を  見るより痛く腹を立て
 乱暴至極に祭壇に  かけ登りつつ師の君の
 冠を矢庭に突落とし  尚ほも悪言暴語をば
 吐き散らすこそ憎らしき  チウイン太子の命令に
 ジヤンクの司現はれて  彼の妖僧を縛り上げ
 一先づ牢獄に投げ込みて  キユーバーが心のどん底ゆ
 前非を悔ゆるそれ迄は  閉ぢ込めおかむ吾心
 あゝ勇ましや勇ましや  トルマン国は今日よりは
 三五教とウラル教  二つの教を遵奉し
 世の大本の大神を  斎き奉りて国民を
 導き行かむ頼母しさ  あゝ惟神々々
 神の御徳の有難き  神の恵の尊けれ』
 照国別は言葉静に謡ふ。
『三五教の宣伝使  照国別も其昔
 ウラルの神の御教を  奉じて教を伝へむと
 名も梅彦と賜はりて  竜宮洲に打渡り
 三年の辛苦も水の泡  止むを得ずして六人が
 棚なし船に身を任せ  大海原を渡りつつ
 ペルシヤの海に来て見れば  暴風怒濤に悩まされ
 九死一生の其場合  三五教の宣伝使
 日の出の別の言霊に  危き命を助けられ
 いよいよ茲に三五の  神の教に仕へつつ
 神の御言を蒙りて  照国別と名を賜ひ
 産土山の斎苑館  珍の聖地を後にして
 教を伝へ今茲に  トルマン国の危急をば
 救はむ為の御軍に  加はりたるもウラル教
 守らせ給ふ大神の  清き縁の引き合せ
 人間界より眺むれば  ウラルの道と三五の
 教は二つに見ゆれども  世界を創りし大元の
 誠の神は一柱  何れもおなじ神の道
 それ故吾は三五の  神の教にあればとて
 ウラルの宮の祭典に  与り得ざる理由なし
 キユーバーの司の言霊は  偏狭至極の世迷ひ言
 いざこれよりは万教を  一つになして愛善の
 神の御徳を天の下  四方の国々宣伝し
 神政成就の神業を  仕へ奉らむ吾覚悟
 諾なひ給へ刹帝利  チウイン太子の御前に
 吾誠心のありたけを  明して言挙げ奉る
 トルマン国は永久に  この王室は万世に
 渡りて民の親となり  神の創りし此国を
 常磐堅磐に栄ゆべく  守らせ給へと願ぎ奉る
 開かせ給へと願ぎ奉る』
 チウイン太子は又謡ふ。
『此神国は永久に  栄え栄えて限りなく
 天津御空の星の如  浜の真砂の数知れず
 日に夜に国民繁殖し  穏麦豆粟よく実り
 トルマン国の中心を  清く流るる清川は
 魚類多く繁殖し  野にも山にも鳥獣
 数多住ひて国の富  世界に冠たる目出度さよ
 然るに大黒主の神  瑞穂の秋の豊の国
 トルマン国を奪ひ取り  第二の根拠を作らむと
 スコブツエン宗を持ち込みて  吾国内を乱さむと
 大陰謀を企らみて  妖僧キユーバーを派遣なし
 此度の騒動の端緒をば  開きたるこそ由々しけれ
 彼キユーバーの悪業は  天地も許さぬ大罪ぞ
 然りとは云へど吾々は  神の教にある上は
 彼が心の改慎を  認めた上に解放し
 再び神の御使に  任せむものと思へども
 吾母君を誑かし  大御心を奪ひたる
 其曲業は許されじ  照国別の宣伝使
 照公司と計らひて  彼が体の処決をば
 如何はせむと大神に  祈れば夢に現はれて
 必ず明日はキユーバーを  縛れと命じ給ひけり
 斯くする上は母上の  心を怒らせ奉らむは
 火を覩るよりも明けし  されども神の詔
 国家の為を思ふ時  許し置かれぬ吾立場
 諾ひ給へ父君よ  照国別の宣伝使
 茲にキユーバーを縛りたる  理由を陳謝し奉る
 三五教やウラル教  茲に両教聯合し
 トルマン国は云ふも更  七千余国の月の国
 漏らさず落さず国民に  尊き神の御教を
 教へ伝へて一日も  早く神国成就の
 大神業に仕ふべし  あゝ惟神々々
 神の御前に赤心を  明かして誓ひ奉る
 赤心籠めて願ぎ奉る』
 斯く歌ふ折しも、夜叉の如き勢、満面朱を濺ぎ、血眼になつて現はれ来り、刹帝利の右に憤然と座を占めたのは王妃千草姫であつた。一座は千草姫の突然の出現によつて一種異様な空気に包まれて了つた。
(大正一四・八・二四 旧七・五 於由良海岸秋田別荘 加藤明子録)
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