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文献名1霊界物語 第72巻 山河草木 亥の巻
文献名2第2篇 杢迂拙婦よみ(新仮名遣い)もくうせっぷ
文献名3第12章 懺悔の生活〔1821〕よみ(新仮名遣い)ざんげのせいかつ
著者出口王仁三郎
概要
備考
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あらすじ一夜明けて、ヨリコ姫はキューバーに、僕となってスガの宮に仕えるように説き諭す。キューバーは案に相違して、あっさり申し出を受け入れて、人の嫌がる雑用を進んでこなすことに同意する。キューバーは掃除をしながらダリヤ姫に見とれているが、なにやら企んでいる様子で、「今は女に心を奪われている時ではない」と一人問答しながらたたずんでいる。
主な人物 舞台 口述日1926(大正15)年06月30日(旧05月21日) 口述場所天之橋立なかや別館 筆録者加藤明子 校正日 校正場所 初版発行日1929(昭和4)年4月3日 愛善世界社版142頁 八幡書店版第12輯 655頁 修補版 校定版147頁 普及版56頁 初版 ページ備考
OBC rm7212
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本文  大黒主を笠に被て  七千余国の月の国
 吾物顔に振舞ひつ  大足別の軍勢を
 片手に握り片手には  スコブッツエンの経典を
 力となしてトルマンの  神の国をば振り出しに
 タラハン城やデカタンの  大高原に散布せる
 数多の国々悉く  吾の掌裡に握らむと
 心驕りしキユーバーも  天運茲に尽きたるか
 三五教の宣伝使  梅公別の神力に
 千辛万苦の計画も  根本的に破壊され
 寄辺なくなく大野原  雨に衣はそぼち濡れ
 吹き来る風に髪の毛を  梳りつつ漸くに
 スガの港に来て見れば  前代未聞の大慶事
 山王の神の旧跡に  三五教の大神の
 珍の御舎千木高く  鰹木さへもきらきらと
 ハルの湖辺に影写し  眩き許りの光景に
 舌を捲きつつすたすたと  此世を忍ぶ蓑笠の
 軽き扮装草鞋ばき  手被脚絆を身に纒ひ
 金剛杖をつきながら  爪先上がりの山道を
 あえぎあえぎて上り見れば  社の傍に建てられし
 さも宏壮な大道場  宗教問答所と筆太に
 書き記したるに目をつけて  思はずにやりとほくそ笑み
 宗教問答に対しては  是だけ広い月の国
 キユーバーの右に出づるもの  只の一人もなかるべし
 いよいよ天運循環し  一陽来復時到る
 神の光もいや長く  八千代の椿優曇華の
 花咲く春に遇ふ心地  あゝ面白し面白し
 坊主鉢巻締め直し  如何なる奴かは知らねども
 高が知れたる女ども  奮戦激闘秘術をば
 尽して挑み戦へば  何の手間暇要るものか
 風に木の葉の散る如く  旭に露の消ゆるごと
 春の氷の解くるごと  スカ屁を放つたるその如く
 影も形もなき崩れ  尻はし折つて一散に
 雲を霞と逃げ出すは  今目の当り見るやうだ
 如何なる女か知らねども  天下唯一の救世主
 神徳無双のキユーバーが  舌鋒にかかつちや耐るまい
 相格崩して笏を捨て  大地にバツたと鰭伏して
 謝り入つて吾弟子に  何卒加へて下さいと
 歎願致すに違ひない  あゝ面白い面白い
 五月の空は曇れども  キユーバーの心の空晴れて
 日月天に照る如く  スガの山下宮の棟
 輝き渡らむ神の国  占領なさむは案の内
 なぞと高をばくくりつつ  問答所の玄関に
 立ちて様子を窺へば  花に嘘つく美婦人の
 花香の姫に迎へられ  ハツと驚き眉を寄せ
 ハートに波は打ち乍ら  素知らぬ顔を装ひつ
 庭下駄覆いて境内を  参拝すると云ひ乍ら
 作戦計画備へつつ  いよいよこれから正念場
 舌端火を吐きヨリコ姫  煙に巻いて呉れむずと
 いきまき居たる可笑さよ  案内につれて奥の間の
 問答椅子によりかかり  ヨリコの姿を眺むれば
 案に相違の気高さに  魂消ん許り驚けど
 元より曲者胴を据ゑ  二口三口戦へど
 元より蟷螂の斧をもて  竜車に向ふ如くなる
 話にならぬ勝敗に  腰を抜かして打ち倒れ
 二人の姫に介抱され  夜具を着せられ一夜を
 是の館に明しける  明くれば女帝のヨリコ姫
 キユーバーの傍に立ち寄りて
 『スコブッツエン宗の教祖さま  昨夜は誠に御失礼
 直日に見直し聞き直し  宣り直されて悠りと
 これの館に投宿し  妾の下僕となりなさい
 女許りの此館  男がなくては仕様がない
 風呂も焚かして上げませう  お飯も炊かして上げませう
 下駄の歯入は云ふも更  雑巾もつて床の間の
 掃除は愚竹箒  手に携へてお屋敷の
 隅々迄も清らかに  木の葉や塵を掃きなされ
 それが嫌なら便所の  お掃除さして上げませう
 女許りの行く雪隠  香しい匂ひがしますぞや』
 云へばキユーバーは諾いて
 『如何にも女帝様御尤も  私は偉い男だと
 今迄思うて居たけれど  女のお前にへこまされ
 口さへ開かぬ不甲斐なさ  も些と修業が足らないと
 ボツボツ悟らして貰ひました  いよいよ是から私は
 懺悔の生活営んで  人の嫌がる便所の
 掃除を大事に勤めませう  太閤さまでも初まりは
 信長公の草履持ち  下から上つた出世なら
 基礎はなかなか固けれど  雲を渡るよな計画は
 危険の伴ふものと知り  すつかり改心致しました
 何卒私に目をかけて  気長く使つて下さんせ
 天晴修業が出来たなら  三五教の神様の
 御用の端でも務めます』  云へばヨリコは諾いて
 『汝の言葉に偽りが  無ければそれで宜しかろ
 これから確り気をつけて  お便所の掃除をなさいませ
 これこれ花香よダリヤさま  今日からキユーバーのお爺さま
 此処の下僕と定まりました  遠慮会釈は要らないで
 甚く使つてやりなさい』  などと得意の面持を
 二人の前に輝かし  吾居室さして入りにける
 あゝ惟神々々  神の光に恐れたか
 但しは思ふ事ありて  キユーバーが一時呆けたか
 雲の上から地の底へ  下つたやうな境遇に
 甘じ暮す筈はない  雨か暴風雨か将風か
 地震雷洪水か  神ならぬ身の知るよしもなく
 花香の姫やダリヤ姫  不安の色を浮べつつ
 ヨリコの言葉に従ひて  キユーバーを下僕と使ひける
 あゝ惟神々々  神の経綸の面白さ。
 玉清別の神司  ダリヤの姫と諸共に
 宮の階段刻みつつ  神の御前に額づきて
 祝詞を唱ふる折もあれ  箒を持ちしキユーバーは
 ダリヤの姫の後姿  穴の開くほど打ち眺め
 「アーアほんに何とまあ  姿の綺麗な淑かな
 何処に欠点ない娘  俺も男の端だもの
 女の持てない事あろか  トルマン城に乗り込んで
 天下の美人と聞えたる  千草の姫さへ惚した
 腕に覚のある男  高が知れたる薬屋の
 娘ぢやないか赤心を  尽してかかれば訳もなく
 俺に靡くに違ひない  女護の島か竜宮の
 乙姫館に住み乍ら  女の尻の大掃除
 朝から晩迄柔順しう  やつて居るのも気が利かぬ
 エーエ思へばじれつたい  心猿意馬奴が狂ひ出し
 何うしても斯うしても耐らない  とは云ふものの今暫し
 辛抱しなくてはならうまい  こんな所で襤褸出して
 追放されやうものならば  肝腎要の吾企み
 又もや画餅になるだらう  恥を忍んで朝夕に
 苦労するのも後の為め  今に見て居れヨリコ姫
 花香の姫やダリヤ姫  俺に秋波を送らねば
 ならないやうにしてやらう  それが男の腕前だ
 先の百より今五十  などと短気な事はせぬ
 大望抱へしキユーバーの身  大器晩成と云ふ事は
 吾には尊き金言だ  恋雲しばし吹き散れ」と
 吾と吾身を伊吹きしつ  箒で払ふ可笑さよ
 玉清別はダリヤ姫  後に従へ階段を
 下りて見ればキユーバーは  箒を持ちて庭に立ち
 空行く雲を打ち眺め  感慨無量の為体
 見るよりダリヤは傍に寄り  『キユーバーさまえ』と背叩き
 笑へばキユーバーは吃驚し  揉手をし乍ら腰屈め
 『ハイハイ誠に御失礼  お二人さまの言霊の
 清き響に憧れて  思はず知らず恍惚と
 霊を抜かれて居りました  サアサア私がお館へ
 お伴をさして貰ひませう』  云へば玉清別司
 右手を振りつつ『キユーバーさま  決して心配要りませぬ
 ダリヤの姫と二人連れ  滅多の事は有りませぬ
 左様ならば』と云ひ捨てて  神館さして帰り行く
 後見送りてキユーバーは  舌をチヨンチヨン打ち鳴らし
 『チエー畜生馬鹿にすな  睦じさうに二人連
 甘き囁きつづけつつ  これ見よがしに行きよつた
 怪体が悪いと思へども  此処をも一つ耐へねば
 肝腎要の大望が  成就せないと思へばこそ
 歯ぎりを噛んで辛抱する  嗚呼叶はぬ叶はぬ耐らない
 目玉飛び出すやうだワイ』
(大正一五・六・三〇 旧五・二一 於天之橋立なかや旅館 加藤明子録)
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