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文献名1霊界物語 第78巻 天祥地瑞 巳の巻
文献名2第1篇 波濤の神光よみ(新仮名遣い)はとうのしんこう
文献名3第4章 焼野の行進〔1960〕よみ(新仮名遣い)やけののこうしん
著者出口王仁三郎
概要
備考
タグ データ凡例 データ最終更新日2018-08-17 00:26:17
あらすじ東の空がようやくしののめて、日が上ってくると、真鶴の声、カササギの声が冴えて、朝香比女の一行を迎え出るごとくであった。朝香比女の神は船を巌が並んだ浜辺に寄せると、一行は駒に乗って上陸した。そこは、萱草、葦がぼうぼうと道なきまでに生い茂った原野であった。一同は、この草原が曲神の隠れ家になっていると見て取った。朝香比女の神は、この草原に真火を放って清めようと、初頭比古の神に命を下した。初頭比古の神は火打石を受け取ると、神言を奏上しつつカチリカチリと打ち出せば、枯草に真火は燃え移った。おりしも、海面より激しく風が吹いてきて、火は四方八方にみるみる広がっていった。幾千里の大原野は見る見る黒焦げになり、竜、大蛇、猛獣等の焼け滅びた姿が無残の光景をとどめた。神々はそのなきがらを土中に埋め、数多の月日を費やした。グロノス、ゴロスは鷹巣の山を指して逃げ去った。朝香比女の神は、焼き清めたこの大野原に、国魂神を移住させて島を拓こう、と歌った。一同は、真火のいさおしをたたえ、大野原から曲神を追い払ったことを喜んだ。グロノス、ゴロスの逃げた行方を気にしつつ、この島に住むという御樋代神・葦原比女の神をたずねて、一行は進んでいった。
主な人物 舞台 口述日1933(昭和8)年12月20日(旧11月4日) 口述場所大阪分院蒼雲閣 筆録者林弥生 校正日 校正場所 初版発行日1934(昭和9)年5月5日 愛善世界社版 八幡書店版第14輯 46頁 修補版 校定版66頁 普及版 初版 ページ備考
OBC rm7804
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本文  東の空は漸く東雲めて、海面を飛交ふ鴎の声は彼方此方よりものやさしく響き来り、グロスの島ケ根はカラリと明けて鷹巣の山は屹然と島の東方に聳えたち、天津日は悠然として紅の幕を別けながら昇らせ給ひ、昨夜の物凄き光景はあとなく消え失せ、真鶴の声、鵲の声、冴えに冴えつつ、朝香比女の神の一行を迎へまつるものの如し。
 朝香比女の神は御舟を千引巌の碁列せる浜辺に静々と寄せ給ひ、駒諸共に御舟を出でて陸地に一行出でさせ給ひ、初頭比古の神は御舟を浜辺の片方にかたく結びつけ、起立比古の神外二柱の女神と共に陸に上らせ給ひつつ、萱草、葦の莽々と道のなきまで生ひ茂りたる原野を御覧しつつ初頭比古の神は御歌詠ませ給ふ。

『荒れ果てし島にもあるか萱草の
  生ひ茂りたる野は限りなし

 よしあしの道を塞ぎて茂りたる
  島根は曲津の潜むも宜なり

 駒の脚いるる隙さへなきまでに
  生ひ茂りたるよしあし原よ

 わが公に畏れ多けれどいや先に
  駒をうたせて道別けせむかな』

 朝香比女の神は馬上に跨り、御歌詠ませ給ふ。

『見はるかす島のことごと醜草に
  包まれけるかも曲津の棲処は

 曲神はこの草原に潜みゐつ
  百の災起すなるらむ

 見の限り雲立ち昇り霧湧きて
  風さへ冷ゆるあらき国原よ

 この国土を拓かむとして葦原比女
  神は早くも渡らせ給へる

 葦原比女神の神言のみあらかに
  進み語らむ時の待たるる

 グロノスやゴロスの潜むこの島は
  鳥の鳴く音も悲しげに聞ゆ

 真鶴は翼揃へて鷹巣山の
  尾根をよぎりつ近づき来るも

 この島も真鶴数多棲みけるか
  翼の音の近づき来るも』

 起立比古の神は御歌詠ませ給ふ。

『御樋代の神に仕へて今日も亦
  御樋代神に会ふぞ目出度き

 目路の限り生ひ茂りたる草の生に
  真火を放ちて曲津を焼かばや

 この島にありとしあらゆる曲津見を
  焼き滅すと思へば楽しき

 曲神の眼を醒す真火の光りは
  又と世になき宝なるかも』

 立世比女の神は御歌詠ませ給ふ。

『曲神といへどももとは主の神の
  水火より出でし神なりにけり

 鋭敏鳴出の神のたまひしこの真火は
  曲津を清むる剣なるかも

 比女神の生言霊にグロスの島の
  曲神はいつかかげをかくしぬ

 ひろびろと限りも知らぬグロス島の
  雑草の野に風さやぐなり』

 天晴比女の神は御歌詠ませ給ふ。

『黒雲の覆ひし昨夜に引替へて
  御空晴れつつ日光清しも

 曲津見は天津日の光に驚きて
  草葉のかげに身をひそめけむ

 いろいろに言霊宣りてさとせども
  曲津の耳は木耳なりしよ

 かくならばこの生島を拓く為に
  真火の荒びも是非なかるらむ

 雲をぬく鷹巣の山の山麓に
  御樋代神はおはしますらむ

 御樋代の神のまします清宮居は
  広き流れにかこまると聞く

 この野辺に火を放つとも御樋代の
  神の宮居は恙無からむ』

 朝香比女の神は再び御歌詠ませ給ふ。

『科戸辺の風は出でたりいざさらば
  真火を放てよこの草の野に』

『吾公の神言畏みいざさらば
  真火を放たむ初頭比古われは』

 かく御歌もて応へ給ひつつ初頭比古の神は、朝香比女の神の御手よりうやうやしく燧石を受取り、荒金の如き石もて燧石を、神言を奏上しつつカチリカチリと打ち出で給へば、真火は辺りに飛散し忽ち幾年ともなく積れる萱草の茂れる根もとの枯草に真火は移りける。折しもあれ、海面よりはげしく吹き来る風に吹きまくられ、見る見る四方八方にひろごり、紅蓮の舌は四辺かまはず、木も草も生物もあとを絶てよとばかり舐めまはりける。
 幾千里に亘る大原野は、見る見る黒焦げとなりて彼方此方に竜神、大蛇、猛獣等の焼け亡びたる姿、天日に曝され、無残の光景をとどめけるにぞ、御樋代神は四柱の神に命じて各自その遺骸を土中に埋めさせ給ひつつ、数多の月日を費し給ひけるぞ畏けれ。
 朝香比女の神は御歌詠ませ給ふ。

『あはれなる醜の魔神は亡びたり
  その遺骸をわれ葬りつ

 グロノスやゴロスの曲津の司等は
  未だ滅びず逃げ失せにける

 曲津見は鷹巣の山の空指して
  雲を起して逃げ去りしはや

 かくの如焼き浄めたる大野原は
  国魂神を移すによろしも

 国魂の神をこの土に移し植ゑて
  グロスの島を拓かむと思ふ

 よしあしの群がり生ひしこの島は
  土自ら肥えにけらしな

 曲神の棲処はことごと焼かれたり
  いざこれよりは神国をひらかむ』

 初頭比古の神は御歌詠ませ給ふ。

『御樋代の神の姿の雄々しさよ
  燃ゆる火の如輝きましつつ

 わが公は光の神にましませば
  常世の闇も晴れ渡るなり

 御空飛ぶ百鳥千鳥も驚きて
  いづくの果てか姿かくしぬ

 目路の果てに白煙たつはまさしくや
  野火の燃えたつしるしなるらむ

 風のあし如何に速けく走るとも
  燃えつつ進む真火はおくれむ

 上べのみは燃え尽せども草の根は
  未だ燃えつつ煙たちたつ』

 起立比古の神は御歌詠ませ給ふ。

『御供に仕へまつりて今日の如
  雄々しき楽しき日はあらざりき

 燃えさかる野火の勢ながめつつ
  公の力の功をおもふ

 何よりも尊きものと悟りけり
  公が持たせるこれの燧石は

 万里の島も公の賜ひし燧石にて
  魔神の潜む棲処は絶えむ

 ここに来て真火の力の功績を
  さとりけるかな起立比古われは

 数十里の野辺はみるみる焼け失せぬ
  風の力と真火の功に』

 立世比女の神は御歌詠ませ給ふ。

『黒雲の包みしグロスの島ケ根も
  晴れ渡りつつ月日かがよふ

 昼月の光冴えにつつ大空に
  吾等が振舞ひを見つつ笑ませり

 わが駒の脚下広くなりにけり
  百草千草焼きはらはれて

 大野原にすくすくたてる太幹の
  松と楠とは蒼く残れり

 火にさへもひるまぬ常磐樹の心こそ
  朝香の比女の操に似たるも』

 天晴比女の神は御歌詠ませ給ふ。

『曲神の醜の棲処は悉く
  真火の力に払はれにけり

 海ゆ吹く潮の風の強くして
  見る見る荒野は浄まりしはや

 今日よりは如何に曲津見荒ぶとも
  恐れざるべし真火の功に

 火を吹きて吾等をおどせしグロノスや
  ゴロスの曲津はいづらへ行きけむ

 グロノスとゴロスの曲津見罰めずば
  この国原は安からざるべし

 葦原比女神のみあらかを今よりは
  勇み進みて探ねゆくべし

 いざさらば御前に立ちて仕ふべし
  天晴比女の神はうたひつ

 果てしも知らぬ大野原
 真火の力に悉く
 焼き払はれし面白さ
 科戸の風にたすけられ
 真火は忽ち四方八方に
 ふくれ拡ごりゴウゴウと
 火焔の舌を吐きながら
 総てのものを焼き尽す
 その勢の凄じさ
 馬背に跨り眺むれば
 火の海原の如くなり
 ああ惟神々々
 御樋代神の御尾前に
 仕へて進む焼野原
 駒の蹄もカツカツと
 果てしも知らに進みゆく
 この稚国土の稚野原
 未だあちこちに煙たち
 靄の如くに棚引けり
 常磐の松や楠は
 彼方此方の原頭に
 緑の梢かざしつつ
 グロスの島の瑞兆を
 寿ぐ如く見えにけり
 鷹巣の山に雲湧きて
 峰の百樹は青々と
 緑に映ゆる目出度さよ
 御樋代神と天降ります
 葦原比女の神司
 五柱の神従へて
 鷹巣の山の山麓に
 広き流れをめぐらしつ
 朝香の比女の出でましを
 喜び迎へ待たすらむ
 駒の歩みは速くとも
 この高原の末遠く
 鷹巣の山の麓まで
 進むは容易にあらざらむ
 この駿馬に大いなる
 翼のあらば大空を
 鷹の如くに天翔り
 進まむものを如何にせむ
 焼野ケ原をチヨクチヨクと
 吾等は気ながく進むべし
 ああ惟神々々
 公の御行に幸あれよ
 公の御行に光あれ』
 かく歌はせつつ、大野ケ原を五柱の神は吹き来る風に御髪を梳りつつ意気揚々と、葦原ケ丘の聖所を指して進ませ給ひける。
(昭和八・一二・二〇 旧一一・四 於大阪分院蒼雲閣 林弥生謹録)
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