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文献名1霊界物語 第79巻 天祥地瑞 午の巻
文献名2第2篇 竜宮風景よみ(新仮名遣い)りゅうぐうふうけい
文献名3第11章 瀑下の乙女〔1992〕よみ(新仮名遣い)ばっかのおとめ
著者出口王仁三郎
概要
備考
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あらすじ大竜身彦の命は、艶男のために、竜宮島第一の景勝地・鏡湖の下方の琴滝に寝殿を作って住まわせた。艶男はこの寝殿で朝夕、天津祝詞や生言霊を奏上して、竜の島根の開発を祈っていた。竜神族の女神たちは、この寝殿の広庭に集まって艶男の言霊を聞きに集まっていた。その言霊の力で、あたりに散在する巨岩は瑪瑙に変わり、滝のしぶきにぬれた面を日光に映して、得もいわれぬ光沢を放っていた。ある朝、艶男が滝の光景を称える言霊歌を歌い終わると、夜の明けた庭に、竜宮城に仕える見目形優れた七乙女が、何事かをしきりに祈っているのが見えた。艶男が七人に何を祈っているかを問い掛けると、七人の乙女、白萩・白菊・女郎花・燕子花・菖蒲・撫子・藤袴はそれぞれ、艶男への思いを打ち明け、せめて声を聞くためにここに来ているのだ、と歌った。艶男は、七人の乙女に言い寄られて、ただどうしようもない自分を嘆く歌を歌うのみであった。滝の落ちる剣の池の砂は、艶男の言霊によって金銀となり、水底の白珊瑚は乙女たちの赤き心によって赤珊瑚に染まり、滝のしぶきは珊瑚の枝に真珠・瑪瑙・黄金・白金に変じた。天地瑞祥の気はあたりに充満し、孔雀、鳳凰、迦陵頻伽が太平を歌う声が四辺から響いてきた。
主な人物 舞台 口述日1934(昭和9)年07月18日(旧06月7日) 口述場所関東別院南風閣 筆録者白石恵子 校正日 校正場所 初版発行日1934(昭和9)年10月25日 愛善世界社版 八幡書店版第14輯 220頁 修補版 校定版213頁 普及版 初版 ページ備考
OBC rm7911
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本文  大竜身彦の命は、水上山の聖場より、はろばろ波の秀を踏み渡り来りし御祖の神の御子艶男を優遇せむと、種々焦慮の結果、竜宮島第一の景勝地たる鏡湖の下方、琴滝を庭園に取り入れ、大峡小峡の木材を伐り集め、碧瓦赤壁の寝殿を造り、此処に住まはす事となりぬ。琴滝は鏡湖の水を集めて、ここに千丈の広布を掛けし如く、昼夜間断なく琴の音を響かせ、その荘厳雄大なること言語に絶するばかりなりける。
 艶男は朝な夕な此寝殿に、天津祝詞や生言霊を奏上して、竜の島根の開発を祈りつつありけるが、数多の女神たちは、その円満清朗なる声にあこがれ、その端麗なる容姿に恋慕して、この寝殿の広庭に集り来り、言霊の練習をかたはら励みつつ、天国の楽しみに浸りける。この滝の落つる清泉を剣の池と称ふ。
 朝な夕なに宣り上ぐる言霊の力によりて、地の面に散在する巨巌は、忽ち瑪瑙と変じ、滝のしぶきに漏れし面を日光映じて、得も言はれぬ光沢を放ちたり。
 艶男は欄干に立ちて歌ふ。
『鏡の湖の真清水を
 此処にうつして落ちたぎつ
 この琴滝のいさましさ
 天の河原の落つるかと
 思ふばかりの光景ぞ
 われは朝夕この滝の
 珍の水音聞きながら
 心清しく洗ふなり
 神の賜ひし言霊の
 水火を清めて鳴り渡る
 これの住処のさわやかさ
 天にも地にもかくの如
 清く楽しき清どころ
 他にはあらじと夜な夜なを
 眠らず起き居て見つ聞きつ
 常世の春を歓ぐなり
 泉の面を眺むれば
 大魚や小魚は群がりて
 夜は波間にあぎとひつ
 天地の恵を仰ぐなり
 ああ天国か楽園か
 竜宮の島根かしら滝の
 漲り落つる水音は
 天地の神の御声かも
 ああ面白やたのもしや
 百年千年をながらへて
 これの清所に永久の
 生きの生命を楽しまむ
 一二三四五六七八九十百千万
 千万神たち守らせ給へ』
 斯かる折しも鶏鳴暁を告げて、翼の白き鵲は、剣の池のほとりに群れ来り、清殿の屋上にカーカーと啼き狂ふ。
 湖の白鳥は、何時の間にか剣の池に集り来り、艶男が言霊を聞かむとするものの如く見えにける。
 ほのぼのと明けはなれたる庭の面をよく見れば、竜宮城に仕へたる数多の乙女の中に、眉目形優れたる七乙女が、池の面に向ひて合掌し、何事かしきりに祈り居る。
 艶男は欄干に立ちて此の光景を眺めながら、
『烏羽玉の夜は明けにけりわが庭の
  池の面清く乙女立たせり

 よく見れば七人乙女の優姿
  何を祈るか聞かまほしけれ』

 此の七乙女は、白萩、白菊、女郎花、燕子花、菖蒲、撫子、藤袴と言へる侍女神なりける。
 白萩は歌ふ。
『うるはしき君の御声にひかれつつ
  思はず知らず此処に来つるも

 御姿を見るにつけても魂勇み
  生きの生命の栄えこそすれ

 滝津瀬の音にまぎれぬ言霊の
  君の力の大いなるかな

 夜な夜なを夢に現に汝が面
  わが目に浮きて眠らえぬかな

 せめてもの思ひ晴らすとわれは今
  剣の池の清水掬ぶも

 此水は生命の清水真清水よ
  汝が目にふれし生命の水よ

 此処に来て恋てふものを悟りけり
  われも女神の数にしあれば

 朝夕に宣らす言霊響かひて
  わが胸先は高鳴りにけり』

 艶男は歌ふ。
『いたづきに悩むわれなり真心の
  君に報ゆる術なきを恥づ』

 白萩は歌ふ。
『いたづきの身におはすとも何かあらむ
  君の言霊にわが心満てり』

 白菊は歌ふ。
『いたづきておはすかわれはしら菊の
  恋しきままに朝を来にけり

 わが心剣の池の真清水と
  澄みきらひつつ君をおもふも

 恋しさの綱にひかれて朝まだき
  君の住まへる側近く来つ

 御声を聞くにつけても勇ましく
  わが魂は蘇るなり

 白妙の衣まとひし汝が君の
  御装ひはめでたかりける

 時じくに言霊放つ琴滝の
  それにも増して清き君はも

 わが願よし叶はずも君許に
  ありて御声を聞かば嬉しき

 白菊は山野に匂へば艶人の
  御手に手折らるよすがさへなし

 野に匂ふ白菊の花も御恵の
  つゆにしあへばうなだれにつつ

 一度の露の情を浴びむとて
  滝の麓にわれは来つるも

 白菊の花は優しと思召せ
  情のつゆによみがへる身よ』

 艶男は歌ふ。
『いとこやの乙女の姿たしたしに
  われは眺めつ心ときめく

 優しかる七乙女らの御姿
  さやけかりけり麗しかりけり

 此島に渡り来てよりめづらしき
  ものを見る哉まなかひ清く

 珍しきものの中にもとりわけて
  愛らしきかな七乙女たち

 水中の月に等しきわれなれば
  汝が優しきかげを見るのみ』

 女郎花は歌ふ。
『剣池底の真砂もたしたしに
  見ゆる清しき君にもあるかな

 あこがれの心おさへて夜な夜なを
  われは涙に袖を濡らせり

 滝津瀬のしぶきを浴びてわが袖は
  涙と共に濡れにけらしな

 一夜さのつゆの情をたまへかし
  伊吹の裾野に咲く女郎花よ

 巌を噛む滝津瀬の音高ければ
  わが言の葉も消えむとぞする

 悲しさをうたふ心を打消して
  落ちたぎつかも琴滝の音

 如何にしておもひの丈を語らむと
  思ふも詮なし高き滝の音に

 剣池の泉を隔てて欄干に
  立たす君なりわれ如何にせむ

 池水の深き心を悟れかし
  木石ならぬ君にあらずや

 君おもふ心の糸のもつれあひて
  とく術もなき小田巻の吾』

 艶男は歌ふ。
『乙女らの悲しき心悟れども
  われ国津神許させ給へ

 千早振る神に誓ひてわれは今
  汝をめぐしと言挙げおくなり

 さりながら夜の契は許せかし
  神に仕ふるわれは艶男』

 燕子花は歌ふ。
『千万の生言霊を宣らすとも
  われはひるまじ寝ずばやまじ

 玉の緒のよしや生命は亡するとも
  一夜の枕かはさで止むべき

 七乙女悲しき心をよそにして
  君は捨つるかわれらが真心を

 世の中に情を知らぬ男の子なれば
  鬼よ魍魎よ魂なし男の子よ

 どこまでも此真心の届かねば
  鬼となりても君悩まさむ

 悩ましの心与へし君なれば
  まことの鬼の姿とぞ思ふ

 君よ君如何に怒らせ給ふとも
  われは恐れじ飽くまで恨みむ

 恨みわび玉の生命は捨つるとも
  わが魂は暫しも離れじ

 君なくばわれは悩まし朝宵を
  玉の生命は亡せむとぞする

 悩ましさ苦しさ故に朝まだき
  御声聞かむと迷ひ来つるも

 君が手に打ち叩かれて罷るとも
  われは恨みじ嘆かじと思ふ

 いたづきの身なりと宣らす言の葉を
  われは諾ふ弱き女にあらず

 玉の緒の生命をかけて恋したる
  君の生命はわがものなるよ

 あこがれて只いたづらに亡ぶよりも
  汝が生命をとりて笑まむか

 かくならば最早厭はじ人の目も
  神の怒りもものの数かは

 鬼となり雷となり魔となりて
  君の生命を奪はむと思ふ』

 艶男は燕子花の猛烈なる恋に稍辟易しながら、悄然として歌ふ。
『思ひきや此島ケ根にかくの如
  強き乙女の雄猛び聞くとは

 見も知らぬ島に渡りて思はざる
  人に思はれ苦しとおもふ

 如何程に情の言葉宣らすとも
  わが心根をかへじと思ふ

 わが生命奪はるるとも恨みまじ
  情のこもる刃と思へば』

 かく歌ひながら、艶男は早や燕子花の猛烈なる恋愛に、到底反抗するの勇気なく、彼が意に従ふべしとの覚悟を極めて居たりけるが、そしらぬ体をよそほひて、
『天地の神に願をかけし後
  われは応へむ暫しを待たれよ』

 燕子花は歌ふ。
『御言葉に間違ひなくばわれとても
  心安めて時を待たなむ』

 菖蒲は歌ふ。
『乙女等の赤き心のかたまりて
  真砂は赤く染まりけるかな

 赤玉の光さやけき君故に
  御池の鯉も赤く染まれり

 次々に赤くなりゆく魚族の
  色に見えたりわれらが真心

 池の辺に匂ふ菖蒲の紫を
  君に捧げむ受けさせ給へ

 水底に一本生ひし白珊瑚も
  いやつぎつぎに赤く染まりぬ

 珍しき赤き珊瑚の梢には
  黄金白銀真珠の花咲く

 水の面に枝をさし出し珊瑚樹は
  見る見るうちに空に伸び行く

 艶男の君の心のあらはれか
  乙女の心か皆赤くなりぬ

 汀辺の瑪瑙の巌もつぎつぎに
  色は変りてわが面うつせり

 昔よりかかる例もあら滝の
  落ちこむ庭のめづらしき哉

 及ばざる恋と思へどわが心
  あやめも分かずなりにけりしな

 只一人君に語らふ力なく
  七人乙女さそひて来れり

 恥かしさ恋しさ故にわれはただ
  言挙げもせず黙し居たりき

 かくなればわれは恐れじ只君の
  めぐしと宣らす御声聞きたし

 御姿見るにつけてもわが胸の
  高鳴り止まず苦しき朝なり』

 撫子は歌ふ。
伊吹山尾根に麓に咲き匂ふ
  撫子今日は汀辺に匂ふ

 八尋殿の欄干に立たす御姿
  見れば清しも白萩に似て

 生命までかけて恋せし乙女子の
  優しき心を君は捨つるや

 よしやよし君に焦れて罷るとも
  われは悔まじ恨まじと思ふ

 力なく淋しくふるふ撫子の
  君が御目にとまらぬ悲しさ

 七乙女ここに揃ひて恋語る
  悲しき心を君は知らずや

 世の中に情を知らぬ益良男は
  鬼の化身か悪魔の化身か

 乙女らのいやなき心聞し召して
  怒らせ給ふな真心の声よ』

 藤袴は歌ふ。
『七乙女いやつぎつぎに真心を
  述ぶれど君は木耳の耳か

 見るかげもなき草花の藤袴
  君にまみえむことの恥かしも

 花の香はあまり見えねど藤袴
  底の心を汲ませ給はれ

 朝夕を峯の狭霧に包まれて
  うなかぶしつつわれは泣くなり

 かくまでも真心の丈を繰り返し
  繰り返せども音なしの君

 うちつけに恋の征矢をば放ちつつ
  血に泣く乙女はほととぎすかも』

 艶男は歌ふ。
『七乙女朝な夕なに集ひ来て
  宣る言霊はかなしかりけり

 天の下に男の子と生れしわれなれば
  ひとりは許せ天地の神

 乙女らの真心聞きてわれは唯
  泣くより他に術なかりけり』

 剣の池の金砂銀砂は、艶男の言霊によりて真誠の金銀と変化し、水底に一本生ひし白珊瑚は乙女の赤き心に染まりしか、次第々々に色を増して赤珊瑚と変じ、滝のしぶきは珊瑚の梢にとどまりて、真珠、瑪瑙、黄金、白銀と咲き匂ひ、天地瑞祥の気は四辺に充満し、孔雀、鳳凰、迦陵頻伽の泰平をうたふ声四辺より響き来れる。
 ああ惟神霊幸倍坐世。
(昭和九・七・一八 旧六・七 於関東別院南風閣 白石恵子謹録)
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