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文献名1霊界物語 第81巻 天祥地瑞 申の巻
文献名2第1篇 伊佐子の島よみ(新仮名遣い)いさごのしま
文献名3第2章 月光山〔2029〕よみ(新仮名遣い)つきみつやま
著者出口王仁三郎
概要
備考
タグ データ凡例 データ最終更新日----
あらすじイドム王は王妃、左守、右守、軍師らとともに月光山に逃れ、再挙を図ることとなった。また、王女チンリウ、侍女アララギをはじめ多くの勇士が捕虜となり、サール国城中の牢獄につながれてしまった。イドム王と王妃は、娘の消息がわからなくなってしまったことを歎いていた。一同は再起の時を誓いつつ、チンリウ王女の消息を探るために、三人の武士をひそかに敵国に遣わすことにした。左守、右守、軍師は敗戦の責任に遺憾の意を歌に歌ったが、アヅミ王はこれまで、主の神から恵みを受けながら務めを怠っていたことに気づいた。そして、月光山のいただきに大神の宮居を造営し、朝夕の祈りを捧げるよう大臣たちに命じた。大宮居造営に際して左守、右守は国津神たちを召集した。そして無事に地鎮祭を終えると、国津神たちは祝宴を開いた。アヅミ王はこの様を見て、国の礎が固まったことを感じ、喜びの歌を歌った。そして、一同は改めて再起の意を固めることとなった。
主な人物 舞台 口述日1934(昭和9)年08月04日(旧06月24日) 口述場所伊豆別院 筆録者谷前清子 校正日 校正場所 初版発行日1934(昭和9)年12月30日 愛善世界社版 八幡書店版第14輯 429頁 修補版 校定版28頁 普及版 初版 ページ備考
OBC rm8102
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本文  イドム城は敵の襲来に破れて、敗走したるアヅミ王初め妃ムラジ、左守ナーマン、右守ターマン及び軍師シウラン其の他討ち洩らされし軍人等は遠く南に逃れ、月光山の嶮所を扼し、ここに城壁を造り、南端の国原を治めつつ再挙の時を待つ事とせり。
 王の一人娘チンリウ及び侍女のアララギの両人を初め数多の勇士は、敵の捕虜となりて遠く大栄山を北に越え、サールの都の城中の牢獄に繋がれ、悲しき月日を送る事とはなりぬ。
 アヅミ王は最愛の娘チンリウの姿なきに歎きの余り述懐を歌ふ。
『遠き神代の昔より
 平和の風に包まれて
 安く楽しく暮したる
 イドムの国は果敢なくも
 サールの国のエールスが
 軍のために奪はれて
 今ははかなき南方の
 月光山に退きて
 再挙を計るくるしさよ
 数多の味方は敵軍に
 討ち滅されわが軍は
 もろくも敗れを取りにけり
 かかる歎きのその中に
 我世を継ぐべき愛娘
 チンリウ姫の姿なく
 たづぬる由も泣くばかり
 或は敵に討たれしか
 思へば思へば悲しもよ
 天地の神の御恵に
 姫の行方を夢になと
 知らせ給へと祈れども
 何のしるしも荒風の
 山野を吹きゆく音ばかり
 ああ惟神々々
 再び軍を調へて
 祖先の賜ひしイドム城
 再びわが手に取りもどし
 姫の在処を探らむと
 千々に心を砕くなり
 思へば思へば味気なや
 月光山は清くとも
 川の流れは清しとも
 何の楽しみなきままに
 月日を暮す果敢なさよ
 月は御空に輝けど
 星は黄金とまたたけど
 吾目はくもりて涙のみ
 救はせ給へ天津神
 国津御神の御前に
 はかなき我世に再生を
 偏に祈り奉る。
 月光の山に漸く逃れ来て
  再挙を計る吾は苦しも

 いとこやのチンリウ姫は今いづこ
  生命失せしか心もとなや

 時を得てイドムの城を取り返し
  祖先の功を輝かしみむ

 エールスの猛き軍に破られて
  もろくも吾は逃げ来つるかも

 わが軍そなへ破れて敵軍に
  イドムの城は奪はれにける

 如何にしてもイドムの城を取り返し
  国津神等を安く住ませむ

 エールスの悪逆無道に国津神は
  朝な夕なを歎くなるべし

 国津神は親を奪はれ子をとられ
  珍の宝も奪はれにけむ

 諸の果実ゆたかに実るなる
  イドムの国はあらされにける

 国津神の祖と生れにし吾にして
  朝夕歎く浅ましさかな』

 ムラジ姫は歌ふ。
『安らけきイドムの国は上も下も
  驕りし罪に斯くは滅びしか

 天地の恵になれて昼夜の
  恵み忘れし報いなるらむ

 今日よりは天地の神をおそれみて
  厚く敬ひ仕へ奉らな

 神々の厚き恵を忘れたる
  イドムの国は斯くも滅びぬ

 月光の山に天地の神々を
  斎き奉りて世を開くべし

 上も下も曇り果てたる国故に
  神の譴責に滅びしならむ

 主の神の守りなければ国津神の
  力に国の治まるべしやは

 上も下も神の恵を悟りつつ
  心清めて務めはげまな

 シウランの軍のきみも心せよ
  人の力に戦は勝てず

 国津神の名は称ふれど人の身よ
  人の力は限りあるなり

 限りなき神の力を身に受けて
  のぞまむ道に仇神はなし

 仇神は隙を窺ひ攻め来り
  イドムの国を乱しけるかな』

 シウランは歌ふ。
『畏しやムラジの姫の御言宣り
  吾は宜よとをののくのみなる

 今となりて王の御国をあやまりし
  吾は世に立つ顔もなし

 吾王に不明の罪を詫び奉り
  軍師の司を返し申さむ

 今日よりは凡人となりて国の為
  王の御為に誠を捧げむ

 大軍を抱へながらも敵軍に
  敗れし思へば吾顔立たじ

 願はくば軍師の司を召し上げて
  凡人の群におとさせ給へ』

 アヅミ王は歌ふ。
『勝敗は時の運なり汝のみか
  吾の罪なり心安かれ

 君なくばこれの御国は治まらじ
  心の駒を立て直すべし

 エールスは戦のそなへを足はして
  再びここに押し寄するらむ

 押し寄する敵の鉾先くじきつつ
  月光山を永久にささへむ

 歎くとも及ばざりけり天地の
  神を祈りて敵に備へむ』

 シウランは歌ふ。
『吾王の御言畏み吾は只
  嬉し涙にくるるのみなり

 今日よりは神の力を力とし
  王の恵にむくい奉らむ

 吾王よ御心安くおはしませ
  敵を千里に吾退けむ

 この広き伊佐子の島の隅々まで
  王の領有ぐ御国となさむ』

 ムラジ姫は歌ふ。
『蘇る心地するかもシウランの
  軍師の言葉力と頼みて

 千載の恨みはらすとイドム城に
  軍を向けて奪ひ返さむ

 さりながら二年三年の備へして
  エールス王を征討め奉れよ』

 シウランは歌ふ。
『ありがたしムラジの姫の御言葉
  吾は必ず報い奉らむ

 さりながらチンリウ姫の御行方
  ためらはずして探し求めむ

 軍人の中にも雄々しき武士を
  選びてサールに遣はさむかな』

 アヅミ王は歌ふ。
『チンリウ姫の在処を吾はさぐりたし
  一日も早く軍を遣はせ

 三柱の武士を遣はしひそやかに
  姫の在処を求め来れよ

 チンリウの姫の行方の判るまで
  吾戦ひを起さじと思ふ

 チンリウの侍女のアララギ諸共に
  生命保つか心もとなし

 アララギは賢女なればチンリウ姫を
  かばひていづくにか潜みゐるらむ

 アララギの誠を一つのたよりとし
  吾は日夜をなぐさめて居り』

 左守のナーマンは歌ふ。
『吾王の心思へばかなしもよ
  吾身の力足はなくして

 王いますイドムの城を奪はれて
  吾は生きたる心地せざるも

 歎くともせむすべなければ村肝の
  心を堅めて再挙を計らむ

 月光の山に仕へて夜もすがら
  涙にくるるは姫の御事

 亡びたる国を再び生かさむと
  心は闇にさまよひにける』

 右守のターマンは歌ふ。
『恥かしや吾は右守を務めつつ
  イドムの国を奪はれしとは

 如何にしても元津御国を取り返し
  王の御稜威を照らさでおくべき

 国津神の驕りの罪の報い来て
  斯くもかなしき憂目にあひしか

 火と水と土を尊み畏みて
  神を敬ひ世に生きむかも

 火と水をおろそかにせし報いにて
  吾住む地も奪はれにけり

 斯くならばせむすべもなし村肝の
  心堅めて再挙せむのみ』

 アヅミ王は歌ふ。
『今日よりは月光山の頂に
  主の大神の宮居造らむ

 主の神の恵になれて今までは
  朝夕べを務めせざりき

 朝夕を神の御前に額づきて
  国の栄を祈り奉らむ

 国津神を呼び集へ来よ主の神の
  御舎急ぎ造り奉ると』

 左守の神は歌ふ。
『吾王の教畏み今日よりは
  主の大神の御舎仕へむ』

 これより左守の神は附近の国津神に命令を降しけるにぞ、国津神は大いに喜び、老も若きも男も女も月光山に集り来り、大峡小峡の良材を本打ち伐り末打ち断ちて柱梁等集め、ここにいよいよ主の大神の宮殿を造営の運びとはなりける。
 左守の神は先づ地鎮祭を行ひ、石搗の歌をうたふ。
『月光山の聖場に
 アヅミの王の御言もて
 主の大神の御舎を
 大宮柱太知りて
 高天原に千木高く
 仕へ奉ると今ここに
 国津神等集りて
 いと勇ましく地かための
 珍の祭りを務むなり
 彼方此方の岩座を
 この聖場に持ち運び
 槻の大木を伐り採りて
 石搗柱と定めつつ
 大地の底のわるるまで
 力を籠めて打つ石の
 千代に八千代に動ぎなく
 イドムの国の礎と
 御代に輝けよこの石は
 月光山の溪間より
 国津神等の誠もて
 集まり来りし御魂石
 ああ面白や面白や
 打てよ打て打て石の面
 大地の底へととほるまで
 打てよ打て打て天地の
 一度にどよむところまで
 よーいとなあ、よーいとなあ』
 右守のターマンは歌ふ。
『ああ有難や有難や
 今日の吉き日の吉き辰に
 アヅミの王の御言もて
 月光山の頂上に
 いと美しき主の神の
 御舎建つるいさましさ
 この大宮の建つ上は
 朝な夕なに謹みて
 吾等は仕へ奉るべし
 如何に雄々しき吾王の
 いますと言へど神なくば
 永久の御国は治まらじ
 イドムの城を取り返し
 エールス王を平げて
 神代のままのイドム城
 王の御稜威は四方八方に
 輝き渡らむ礎と
 思へば今日の足れる日の
 この石搗の音のよき
 御空に天津日照り渡り
 吹き来る風の清しさに
 汗さへ出でぬ石搗の
 この働きの勇ましさ
 ああ惟神々々
 神の恵ぞ畏けれ』
 漸くに石搗の儀式は終了し、一同は月光山の聖場に果実の酒等を酌み交し、あらゆる馳走を作りて、祝宴は小夜更くるまで開かれにける。
 アヅミ王はこの場に静々と現はれ来り、この光景を眺めて歌ふ。
『月光の山は八千代に栄ゆべし
  国の礎固めし今日はも

 天地をゆるがせ歌ふ神々の
  声いさましく目出度かりけり

 左守、右守其の他の司の神々も
  今日の務めをよろしみ思ふ

 いと早く貴の御舎仕へ奉れ
  主の大神を斎き奉ると』

 ムラジ姫は歌ふ。
『よみがへりよみがへりたり月光山
  今日の歓び天に響きて

 奪はれしイドムの国の礎を
  月光山に搗き固めたり

 かくならば主の大神の御稜威もて
  イドムの国を再び治めむ

 エールスの悪魔の司を言向けて
  サールの国に追ひ返さなむ』

 シウランは歌ふ。
『ありがたし今日の吉き日のよろこびは
  神もいさむか天地晴れたり

 一片の雲さへもなき大空の
  蒼きは神の心なるらむ

 吾心勇み勇みて大空の
  雲井の蒼にとけ入りにけり

 わが国は神を斎きて朝夕の
  御祭りせずば治まらざるべし

 兎にもあれ角にもあれや吾王の
  神を祭らす御心嬉しも』

 左守のナーマンは歌ふ。
『風清く空晴れ渡る今日の日の
  石搗祭り清しかりけり

 月光の山は今日よりかがやかむ
  主の大神の光り添ふれば

 常闇の世を照らさむと主の神の
  御光仰ぐ月光の山』

 右守のターマンは歌ふ。
『うるはしき月光山の頂上に
  神天降らすと思へば嬉し

 天地の神を祭りて国の政
  はげむは王の務めなるらむ

 吾王は真の務め悟りましぬ
  これの御国は今日より栄えむ

 南のはてなる月光山の上に
  神を祭りて再挙計らすも

 吾心とみにいさめり月光の
  山に天降らす神を思ひて』

 その他国津神等の祝歌は数多あれども、省略することとせり。
(昭和九・八・四 旧六・二四 於伊豆別院 谷前清子謹録)
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