ID787
著者出口信一
題名「「文明の共存」実現への鍵を持つ「日本的神観」の再認識を」@『月刊日本』2006年11月号p86-91
発行日2006/11
出版社K&Kプレス
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表紙-
カテゴリその他
媒体形式雑誌
内容2006年9月にイランで開催された「世界平和と救世主再臨に関する国際宗教者会議」に出席した様子を尋ねたインタビュー記事。
「全体として会議というよりもセミナーの印象でした。事前に発表者が提出したペーパーに基づく発表があり、補足的に質疑応答があるという形です。とにかく発表者が一方的に論じるだけで、今日世界平和を考える上で重要と思われる「宗教間対話」的な議論や語り合いはほとんどありませんでした。」
「総じて世界平和を実現するにはイスラムを世界に浸透させるのが第一という感じの話が多かったです。「文明の衝突」といえる現下の情勢を超えるための文明間・宗教間の対話といったテーマの話はほとんどなかった。」
「彼らは自己の宗派・神学を通じて世界や他の文明・宗教を論ずる傾向が実に強い。我々日本人は「万物同根」「万教同根」の無意識的な自他一体感に立って他の文明・宗教を見、平和を祈る。かなりギャップを感じましたね。」
「今日の「文明の衝突」状況は、その衝突の主体となりつつあるユダヤ教・キリスト教・イスラム教といった中東の砂漠地帯で発生した天啓宗教のドクマ(独善教義)化が引き金になっており、彼等自身ではもはや自己文明の方向修正は困難なのではないか」
「自然も人間も神の生命の分れということをドクマではなく「神話」という深層意識情報として保っている日本は、このような地球世界の「文明の共存」「文明の融和」実現に向け、大きなイニシアティブを取れる可能性があるとの感を深くしました。」
「世界的な「文明の共存」実現のための文明間・宗教間対話の「場」を日本が文明的自覚の下に設定できればよいと思います。」
「先日お目にかかった中東問題の専門家、佐々木良昭さん(東京財団)も「少数でもいいから国際的な『賢人会議』が必要だ」と仰っていました。中東圏でも宗教ドクマ化の弊害を自覚している政治家や有識者が居る筈です。アジアや欧米にも「文明の共存」実現を願う有力者はいるでしょうから、このような方々を日本がコーディネートして意見交換のネットワークを作り、水面下での合意形成をはかる。その中からイスラムとイスラエルの和解を含む中東全域の和解を促進する機運が起こればと思います。」
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