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文献名1霊界物語 第1巻 霊主体従 子の巻
文献名2第2篇 幽界より神界へ
文献名3第14章 神界旅行の一〔14〕
著者出口王仁三郎
概要
備考
タグ データ凡例 データ最終更新日----
あらすじすでに二三丁来たかと思ったが、八衢に引き返してきてしまっていた。そして、地獄に落ちる亡者が、地の底へ急転直下の勢いで落ちていくのを見た。
天然笛を吹くと芙蓉仙人が現れたので聞いてみると、この亡者は大悪の罪により頓死したので、急速に地獄に落ちたのだ、という。
人は死ぬと死有から中有に、そして生有という順序で推移する。死有から中有まではほとんど同時である。四十九日の間が中有であり、その後、親兄弟が決まって生有となる。そのときの幽体は、三才の童子のように縮小されている。
ただ、大善と大悪には中有がなく、ただちに行き先が決まる。大善の者はただちに天国に生まれるが、大悪の者は、先のようにすぐさま地獄に落ちていくのである、と。
それを聞き終わると、ふたたび高天原のほうへ神界旅行に向かおうとした。ところが、顔いっぱいに凸凹のできた妙な婦人が、八衢の中心に忽然と現れた。そして自分の姿を見るなり、神界の入り口指して駆け出した。
自分はひとつ、この怪人の正体を見届けよう、と好奇心にかられて追跡した。そして異様な声を頼りに、怪女と化け物が集っているところを見つけた。
怪女は化け物を放り投げて、化け物が苦しむのを眺め、その血を吸っていた。自分は神界の旅行をしているつもりであるのに、なぜこんな鬼女のいるところに来たのだろう、と合点が行かず、神様に助けを求めようと思った。
瞑目端座して、天津祝詞を奏上した。すると、「目を開けて目を覚ませ、なぜ八衢にいつまでも踏み迷って、神界旅行に旅立たないのだ」と自分をたしなめる声が聞こえた。
化け物がだましている声かもしれないと迷っていると、一喝され、思わず目を開くと、荘厳な宝座が見えた。そのせつな、ふと気づくと高熊山のガマ岩の上に端座していた。
主な人物 舞台 口述日1921(大正10)年10月18日(旧09月18日) 口述場所 筆録者外山豊二 校正日 校正場所
OBC rm0114
本文の文字数3354
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本文  瓢箪のやうな細い道をただ一人なんとなく心急はしく進んでゆくと、背後の山の上から数十人の叫び声が誰を呼ぶともなしに聞えてくる。
 そこで何がなしに後をふり返つて見ると、最早二三丁も来たと思つたのに、いつの間にか、また元の八衢に返つてゐた。そこには地獄へ墜ちて行くものと見えて、真黒の汚い顔をしたものが打ち倒れてゐる。これは現界で今肉体が息を引取つたもので、その幽体がこの所に横たはつたのであり、また先の大きな叫び声は、親族故旧が魂呼びをしてをる声であることが分つた。さうすると見てをる間に、その真黒い三十五六の男の姿が何百丈とも知れぬ地の底へ、地が割れると共に墜ち込んでしまつた。これが自分には不審でたまらなかつた。といふのは、地獄に行くのには相当の道がついてをる筈である。しかるに、忽ち急転直下の勢で地の底へ墜ちこむといふのが、不思議に思はれたからである。とに角かういふふうになる人を現界の肉体から見れば、脳充血とか脳溢血とか心臓破裂とかの病気で、遺言もなしに頓死したやうなものである。そこで天然笛を吹いてみた。天の一方から光となつて芙蓉仙人が現はれ給うた。
『一体地獄といふものには道は無いのでせうか』
とたづねてみた。仙人いふ。
『この者は前世においても、現世においても悪事をなし、殊に氏神の社を毀つた大罪がある。それは旧い社であるからといふて安価で買取り、金物は売り、材木は焼き棄てたり、または薪の代りに焚いたりした。それから一週間も経たぬまに病床について、黒死病のごときものとなつた。それがため息を引取るとともに、地が割れて奈落の底へ墜ち込んだのである。すなはちこれは地獄の中でも一番罪が重いので、口から血を吐き泡を吹き、虚空を掴んで悶え死に死んだのだ。しかもその肉体は伝染の憂ひがあるといふので、上の役人がきて石油をかけ焼き棄てられた』
との答へである。そこで自分は、
『悶え死をしたものは何故かういふふうに直様地の底へ墜ちるのでせうか』
と尋ねてみた。仙人は答へて、
『すべて人は死ぬと、死有から中有に、中有から生有といふ順序になるので、現界で息を引取るとともに死有になり、死有から中有になるのは殆ど同時である。それから大抵七七四十九日の間を中有といひ、五十日目から生有と言つて、親が定まり兄弟が定まるのである。ただし元来そこには山河、草木、人類、家屋のごとき万有はあれども、眼には触れず単に親兄弟がわかるのみで、そのときの、幽体は、あたかも三才の童子のごとく縮小されて、中有になると同時に親子兄弟の情が、霊覚的に湧いてくるのである。
 さうして中有の四十九日間は幽界で迷つてをるから、この間に近親者が十分の追善供養をしてやらねばならぬ。又これが親子兄弟の務めである。この中有にある間の追善供養は、生有に多大の関係がある。すなはち大善と大悪には中有なく、大善は死有から直ちに生有となり、大悪はただちに地獄すなはち根底の国に墜ちる。ゆゑに真に極善のものは眠るがごとく美しい顔をしたまま国替して、ただちに天国に生まれ変るのである。また大極悪のものは前記のごとき径路をとつて、悶え苦しみつつ死んで、ただちに地獄に墜ちて行くのである』
と。自分はそれだけのことを聞いて、高天原の方へむかひ神界旅行にかからうとした。ところが顔一杯に凸凹のできた妙な婦人が、八衢の中心に忽然として現はれた。自分の姿を見るなり、長い舌をペロリと吐きだし、ことさらに凹んだ眼の玉を、ギロギロと異様に光らせながら、足早に神界の入口さして一目散に駆けだした。
 自分は……変な奴が出てきたものだ、一つ跡を追つて彼の正体を見届けてくれむ……と、やや好奇心にかられて、ドンドンと追跡した。かの怪女はほとんど空中を走るがごとく、一目散に傍の山林に逃込んだ。自分はとうとう怪女の姿を見失つてしまひ、途方にくれて芝生の上に腰を降し、鼬に最後屁を嗅されたやうな青白いつまらぬ顔をして、四辺の光景をキヨロキヨロと見まはしてゐた。どこともなく妙な声が耳朶を打つた。
 耳を澄まして考へてゐると、鳥の啼き声とも、猿の叫び声ともわからぬ怪しき声である。恐いもの見たさに、その聞ゆる方向を辿つて荊を押しわけ、岩石を踏み越え渓流を渡り、峻坂を攀ぢ登り、色々と苦心して漸く一つの平坦なる地点に駆けついた。
 見ると最前みた怪女を中心に、あまたの異様な人物らしいものが、何かしきりに囁き合つてゐた。自分は大木の蔭に身を潜めて、彼らの様子を熟視してゐると、中央に座を構へた凸凹の顔をした醜い女の後方から、太いふとい尻尾が現はれた。彼はその尻尾をピヨンと左の方へ振つた。あまたの人三化七のやうな怪物が、その尻尾の向いたる方へ雪崩を打つて、一生懸命に駆け出した。
 怪女はまたもや尻尾を右の方へ振つた。あまたの動物とも人間とも区別もつかぬやうな怪物は、先を争ふやうにして又もや、右の方へ一目散に駆け出した。怪女はまたもや尻尾を天に向つてピヨンと振りあげた。
 あまたの怪物は一斉に、天上目がけて投り上げられ、しばらくすると、その怪物は雨のごとくなつて降り来たり、あるひは渓谷に陥り、負傷をするものもあり、あるひは荊棘の叢に落込み全身を破り、血に塗れて行きも帰りもならず、苦悶してをるのもあつた。中には大木にひつかかり、半死半生のていにて苦しみ呻いてゐるのもある。中には墜落とともに頭骨を打ち挫き、鮮血淋漓として迸り、血の泉をなした。
 怪女は、さも嬉しさうな顔色をあらはし、流るる血潮を片つ端から美味さうに呑んでゐた。怪女の体は見るみる太り出した。彼の額部には俄にニユツと二本の角が発生した。口はたちまち耳の辺まで裂けてきた。牙はだんだんと伸びて剣のやうに鋭く尖り、かつ、キラキラと光りだしてきた。
 自分は神界の旅行をしてをるつもりだのに、なぜこんな鬼女のゐるやうな処へ来たのであらうかと、胸に手をあてて暫く考へてゐた。前後左右に、怪しい、いやらしい身の毛の戦慄つやうな音がまたもや、耳を掠めるのである。自分はどうしても合点がゆかなかつた。途方にくれた揚句に、神様のお助けを願はうといふ心がおこつてきた。
 自分は四辺の恐ろしいそして殊更に穢らはしい光景の、眼に触れないやうにと思つて瞑目し静座して、大声に天津祝詞を奏上した。ややあつて「眼を開け」と教ゆる声が緩やかに聞えた。自分はあまりに眼前の光景の恐ろしさ、無残さを再び目睹することが不快でたまらないので、なほも瞑目の態度を持ちつづけてゐた。
 さうすると今度は、前とはやや大きな、そして少し尖りのあるやうな声で、
『迷ふなかれ、早く活眼を開いて、神世の荘厳なる状況に眼を醒ませ』
と叫ぶものがあつた。自分は心のうちにて妖怪変化の誑惑と思ひつめ、……そんなことに乗るものかい、尻でも喰へ……と素知らぬふうをして猶も瞑目をつづけた。
『迷へるものよ、時は近づいた。一時も早く眼を開いて、神界の経綸の容易ならざる実況を熟視せよ。神国は眼前に近づけり。されど眼なきものは、憐れなるかな。汝いつまで八衢に踏み迷ひ、神の命ずる神界の探険旅行に出立せざるや』
と言ふものがある。自分は心の中で……神界旅行を試み、今かくのごとき不愉快なることを目撃してをるのに、神界の探険せよとは、何者の言ぞ。馬鹿を言ふな、古狸奴、大きな尻尾をさげて居よつて、俺が知らんと思つて居やがるか知らんが、おれは天眼通でチヤンと看破してをるのだ。鬼化け狸に他人は欺されても、おれは貴様のやうな古狸には、誑らかされないぞ。見る眼も汚れる……と考へた。そうするとまた前のやうな声に、すこし怒りを帯びたやうな調子で、
『貴様は道を知らぬ奴だ』
と呶鳴る。
 そのとたんに目を思はず開いて見ると、前の光景とは打つて変つた荘厳無比の宝座が眼前に現はれた。その一刹那、松吹く風の音に気がつくと、豈計らんや、自分は高熊山のガマ岩の上に端座してゐた。
(大正一〇・一〇・一八 旧九・一八 外山豊二録)
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