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文献名1霊界物語 第45巻 舎身活躍 申の巻
文献名2第2篇 恵の松露
文献名3第5章 肱鉄〔1195〕
著者出口王仁三郎
概要
備考
タグ データ凡例 データ最終更新日----
あらすじ松彦たちはお寅たちの身魂の因縁話の迷信にあきれていると、一人の娘がやってきて、義理天上日の出神の生き宮である魔我彦に、上義姫が用があるからちょっと来てくれと促した。
別館に居る松姫は、元は高城山のウラナイ教団を率い高姫の片腕として活躍していたあの凄腕の松姫である。三五教に帰順し、玉照彦を奉迎して帰った三五教の殊勲者でもある。
蠑螈別がウラナイ教の残党を集めて小北山に根拠を構えて邪教を宣伝し始めたので、言依別命は松姫に命じてウラナイ教に潜入させた。松姫はたちまち小北山の実権を握り、蠑螈別やお寅たちは表面上は蠑螈別を教祖としていたが、松姫の言にしたがっていた。
魔我彦はかねてから松姫に想いを寄せてあからさまに言い寄っていたが、松姫はわざわざ魔我彦を呼んで、改めてきっぱりと断りを入れた。
魔我彦は、松姫の侍女のお千代にも馬鹿にされ、気分を害して松姫の館を去っていく。
主な人物 舞台 口述日1922(大正11)年12月11日(旧10月23日) 口述場所 筆録者北村隆光 校正日 校正場所
OBC rm4505
本文の文字数4796
本文のヒット件数全 2 件/教祖=2
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本文  思はず酒に酔ひつぶれ  前後も知らず喋り立て
 つひ脱線の其挙句  お寅の前でうつかりと
 高姫恋しい恋しいと  云つた言葉を聞咎め
 酒つぎ居たるお寅さまは  烈火の如く憤り
 胸倉とつて抑へつけ  前後も知らぬ正宗の
 肉の宮をば打ちたたき  義理天さまの手をかつて
 奥の一間に連れ込んで  布団の上に寝させおき
 此場を繕ふ可笑しさよ  末代さまと崇めたる
 松彦一行此居間の  乱れ果てたる有様を
 眺めて不審の眉ひそめ  其入口に佇みて
 魔我彦さまが棕櫚箒  持つて掃除の済む間
 阿呆待ちし乍らやうやうに  一間に入りて座につけば
 隣に聞ゆる呻り声  お寅婆さまはひどい奴
 高姫殿が恋しいと  囈言ばかり並べ立て
 夢中になつて呻り居る  お寅は眥つり上げて
 面を膨らす折柄に  万公さまが手を組んで
 俄に装ふ神懸り  ウンウンウンウンドスドスン
 一尺ばかりも飛び上り  両手をキチンと胸に組み
 此方は耕し大神だ  潮時狙つて囁けば
 お寅は吃驚仰天し  万公さまの肉宮は
 矢張り耕し大神か  そんなら霊の因縁で
 お菊の婿になるお方  あゝ有難い有難い
 なぞと頻りに手を合せ  蠑螈別の腹立ちを
 ケロリと忘れたあどけなさ  松彦初め一同は
 此場の有様打眺め  実に迷信の集団と
 呆れ果てたる折もあれ  一人の娘が現はれて
 これこれもうし義理天上  日出神の生宮さま
 上義姫さまがお前さまに  俄に用が出来た故
 お客様等に失礼して  一寸でよいから来て呉れと
 仰有いましたよ逸早く  御いでなされと手を支へ
 話せば魔我彦立ち上り  皆さま失礼致します
 お寅婆さまやお菊さま  末代様や皆様を
 大切にもてなし成されませ  暫くしたら又此処へ
 帰つて来ますと云ひ乍ら  使ひの娘と諸共に
 離れの館へスタスタと  肩怒らして進み行く。
 別の館には松姫の居間があり間は狭けれど三間作り、飾りもなく白木作りで小ザツパリした家である。松姫は千代と云ふ十二三の小娘を小間使として此処に引籠りウラナイ教の実権を握つて居る。表面からは蠑螈別が教祖なれど実力は此松姫にあつた。それ故蠑螈別もお寅婆さまも一目を置いて内部では全部其頤使に甘んじて居た。無論此松姫はもとウラナイ教の取次で高城山に教主をやつて居た剛の女である。さうして三五教に帰順し玉照彦を奉迎して帰つた殊勲者である。松姫は蠑螈別一派がウラナイ教の残党を集め小北山に霊場を開き邪教を宣伝しウラル教式を盛に発揮してゐたので、言依別命が特に松姫に命じウラナイ教に差遣はし、教理を根本的に改正せしめむとなし給うたのである。それ故松姫は特別の神力備はり流石の蠑螈別も一歩を譲り徒に教祖の虚名に甘んじ、朝から晩まで神のお出入と称して酒に浸り高姫の行衛を尋ね求めつつ酒に酔つて悶々の情を消して居たのである。
魔我『上義姫様、今お千代さまを以て私をお呼びなさいましたのは何の御用で厶りますか』
松姫『別に折入つて用と云ふ事はありませぬが、お前さま、私の事を今日限り云はない様にして貰はないと困りますから、一寸来て貰つたのです』
魔我『私が貴女に対し、何ぞお邪魔になる事を申ましたか』
松姫『貴方いつでも私に向つて、いやらしい事を仰有るぢやないか。今日迄一日のばしに色々と云つてお前さまの恋の鋭鋒を避けて来ましたが、今日はお前さまに、とつくり云うておかねばならぬ。今のお客様は松彦様と云ふお方でせうがな、松彦様は誰方の生宮だと思つてゐますか』
魔我『末代日の王天の大神様の生宮ぢやありませぬか』
松姫『さうでせう。さうだから末代様とは何うしても夫婦にならねばならぬ因縁があるので、義理天上さまは私の事を只今限りスツパリと諦めて貰ひ度いのだ』
魔我『昔の神様は末代さまと上義姫さまと夫婦だつたでせう。然し乍ら今日は霊とお成り遊ばし肉の宮が違つて居るのだから貴女と私と夫婦になつた処で滅多に罰は当りますまい。何と仰有つても私は是まで影になり日向になり苦労をして来たのだから、藪から棒をつき出した様に、そんな事を仰有つても仲々承知致しませぬぞや』
松姫『これ義理天上さま、影になり日向になり私のために尽したとは、どんな事をして下さつたの。お礼も申さねばなりませぬから一寸聞かして下さい』
魔我『義理天上の生宮だけあつて私は義理固いものですよ。お前さまが三五教であり乍ら、うまく化けて這入つて厶つたのは百も千も私は承知してゐるのだ。蠑螈別さまも「彼奴あ怪しい、ヒヨツとしたら爆裂弾となつて来たのだらうから酒にでも酔ひ潰して片づけてやらうか」と、お寅婆アさまと私と三人の処でソツと相談をなさつた事がある。それでも此の魔我彦はお前さまが可愛いものだから、何とか云つて助けておけば否応なしにウンと云ふだらうと思つたものだからいろいろと弁解してヤツとの事に蠑螈別やあのえぐいお寅婆さまを納得させ、今ではお前さまがウラナイ教第一の権威者となり、蠑螈別だつてお寅さまだつて貴方を内証で先生と仰ぎ、何事も皆貴女の神勅を受けて処置する様にならしやつたのも皆魔我彦が斡旋の功で厶りますよ。此魔我彦が居なかつたら貴女の生命は、とうの昔になくなつてゐるのだ。さア之でもいやと仰有いますか。松彦様が成程末代日の王様で厶りませう。然し乍らそれは霊の御夫婦、私と貴女は肉体の夫婦の縁を結んで頂かねば此魔我彦の男が立ちませぬ。さあキツパリと返答を聞かして下さい。返答によつては此魔我彦にも考へがありますから』
松姫『ホヽヽヽヽ考へがあるとは如何しようと云ふの。お前さまに考へがあれば此方にも亦考へがある。サア其考へを聞かして貰ひませう』
 魔我彦は言葉につまり、
魔我『エ…………其考と云ふのは即ち感慨無量だと云ふのです』
松姫『ホヽヽヽヽ感慨無量が如何したと云ふの。可笑しい事を仰有るぢや有ませぬか』
魔我『こんな問答はぬきにして手取り早く条約成立をさして下さいな』
松姫『何の条約です。治外法権、内地雑居、条約改正、機会均等の流行る世の中窮屈な条約は結び度くはありませぬ。総て国家でも相互の間に危険が迫つた時に条約が成立するものだ。天津条約だとて、華府会議の条約だとて、決して天下太平のために結ばれたのぢやありませぬ。貴方と私との間に別に危険の要素が含まれて居るのぢやなし、何の為の条約ですか。又其条文の趣は何んな事が問題になつて居りますか。それを聞いた上でなければ、さうやすやすと条約締結批准交換も出来ぬぢやありませぬか』
魔我『貴女の仰有る条約の条と私の仰有る情約の情とは情に於て天地霄壌の相違があります。貴女の条はスヂと云ふ字、私の情は青い心と云ふ情ですよ』
松姫『上義姫の上とは違ひますな』
魔我『そりや全然正反対です』
松姫『肝腎の条が正反対なれば条約したつて成立せぬぢやありませぬか。無条件否無情漢だと思はずに、こんな提案は速に撤回して下さい。末代日の王様が今にお越しになつたら叱られますからな。ホヽヽヽヽ、あの末代さまは何うして厶るのだらう。エーじれつたい。好きは来らず嫌は来る、本当に世の中は思ふ様には行かぬものだわ。これ千代さま、お前御苦労だが早く末代さまに別館へ来て下さる様お招き申して来て下さい』
千代『はい、只今行つて参ります』
魔我『これ、お千代さま、一寸待つてくれ、今行つて貰つては大に困る。行つてもいい様になつたら此義理天上さまが指図をするから』
千代『いえいえ、私は魔我彦さまの召使ひぢやありませぬ。上義姫様の家来ですから貴方の仰有る事は聞く義務はありませぬ。私は御主人様に全権委員を任されたのですから、自分の権利を執行すれば宜いのです。阿呆の天上さま、大きに憚りさま』
と云ひ乍らツツと立ち上り左の足でポンと畳を脅かしスタスタと表へ出て行かうとする。
魔我『こりやこりやお千代殿、何故長上の云ふ事を聞ませぬか。子供の癖に我の強い』
お千代『師の君の厳の言葉を如何にして
  魔我彦さまにまげらるべしやは。

 村肝の心も腰も魔我彦が
  恋の魔神にとらはれてゐる。

 義理天上日出神とはおとましや
  赤い顔して焔吹きつつ』

魔我『こりやお千代、そりや何を吐す。義理天上日出神を何と心得て居るか。世界の根本の根本から何もかも知りぬいた誠一つの大和魂の生粋の生宮さまだぞ』
千代『ホヽヽヽヽ不義理の天上、上義姫様に弾かれて目から火の出の神様、心も腰も曲つた魔我彦様、よう、まアそんな馬鹿な事を仰有られたものですわ』
松姫『相生の松の緑も高砂の
  幹の根元に荒浪がうつ。

 相生の松の緑は千代かけて
  栄え栄えて曲る事なし。

 魔我彦が何程日の出の神だとて
  此松のみは影もささせぬ。

 松彦と松姫二人並ばして
  松の神世の千代を祝ぐ』

魔我『今日か明日か、何時吉日が来るやと
  まつ甲斐もなき魔我彦の胸。

 さり乍ら日の出の神の魔我彦は
  理を非に曲げても通さなおかぬ。

 義理と云ふ事を知るなら上義姫
  吾心根もちとは汲ませよ』

松姫『山の井の底にも知れぬ水鏡
  汲みとり難きふり釣瓶かな』

魔我『ふり釣瓶いかにピンピン覆るとも
  汲んで見ようぞ天上車井』

松姫『義理天上車に釣瓶はかかるとも
  片方は汲めど片方からから。

 並べては少しも汲めぬ山の井の
  釣瓶を如何に濡らす由なし』

千代『義理天上恋の破れた悲しさに
  首をつる瓶とおなり遊ばせ。

 ホヽヽヽヽ釣瓶おろしにかけられて
  沈み給へり恋の深井に』

魔我『まだ年も行かぬ癖して魔我彦に
  何をつるつる水臭い事云ふ』

千代『如何しても末代さまの御前に
  行かねばならぬ魔我左様なら』

魔我『まて暫し、そんな事なら俺が行く
  子供の飛び出す幕でないぞや』

松姫『義理天上日の出の神の生宮に
  今日は改め一言申す。

 松彦は此松姫がその昔
  相知り合うた珍の恋人。

 恋人と聞いて驚き給ふまじ
  神の許せし夫婦なりせば』

魔我『何とまア悪性な事になつて来た
  こんな事なら救ふぢやなかつたに』

松姫『村肝の心の底ぞ知られける
  枉のすくひし魔我彦司を』

 魔我彦は双手を組み、
『エーエ、雪隠の火事だ』
松姫『オホヽヽヽ』
千代『イヒヽヽヽ、阿呆阿呆阿呆』
魔我『エー、コメツチヨの癖に八釜しいわい。キヽヽヽヽ気色が悪いわい。サツパリ杓子だ。源助だ、アーア』
(大正一一・一二・一一 旧一〇・二三 北村隆光録)
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