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文献名1霊界物語 第55巻 真善美愛 午の巻
文献名2第3篇 玉置長蛇
文献名3第13章 蘇歌〔1421〕
著者出口王仁三郎
概要
備考
タグ データ凡例 データ最終更新日----
あらすじ
主な人物 舞台 口述日1923(大正12)年03月04日(旧01月17日) 口述場所竜宮館 筆録者加藤明子 校正日 校正場所
本文の文字数4313
本文のヒット件数全 1 件/竜宮館=1
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本文  青葉もそよぐ夏の風  すき通りよき一室に
 館の主テームスは  鬼春別や久米彦の
 心を疑ひ且つ憎み  ただ一刻も速に
 吾家を出し呉れんずと  心は千々に逸れども
 大恩受けし三五の  神の使の宣伝使
 治国別の一行に  憚りながら胸押へ
 一間の内に駆け入りて  棕櫚箒に頬被
 させて並べた四つ箒  未だ帰らねば神様に
 お願ひ申して追ひ出し  家の禍除かむと
 瞋恚の心に悩まされ  鬼春別のゼネラルが
 一心不乱に読経する  隣の居間に身を忍び
 一生懸命陀羅尼をば  腹に唱へて待ち居たる
 忽ち身体震動し  頭は痛み胸つかへ
 人事不省に陥りて  其精霊は逸早く
 身体内を脱け出し  限りも知れぬ枯野原
 寒風荒む地獄道  杖を力によぼよぼと
 涙と共に進み行く  道の傍へに立ち並ぶ
 一つ家屋を見つけ出し  一夜の宿をからむとて
 立寄り見ればこは如何に  柱は腐り棟ゆがみ
 悪獣悪虫往来し  吾身辺を目標に
 群がり来るいやらしさ  こりや叶はぬとテームスは
 力限りに逃げ出せば  道の左右に怖ろしき
 妖怪変化の現はれて  妖姿怪体現じつつ
 獣の肉や人の肉  争ひいがみ喰ひ合ふ
 其光景に仰天し  逃げむとすれど足重く
 同じ所をぢたばたと  汗を流して藻掻き居る
 斯かる所へ中空より  雷鳴轟く怪声が
 耳を打つよと見る中に  悪鬼羅刹が現はれて
 限り知られぬ夜叉悪鬼  従へ攻め来る怖ろしさ
 極暑の風や極寒の  嵐に吹かれ何処となく
 身は中空に飛び散りて  遙彼方の山の上に
 佇み居たる訝かしさ  忽ち聞ゆる阿鼻叫喚
 よくよく見れば山麓の  谷間々々に濛々と
 燃え上りたる大火焔  黒煙四辺を包みつつ
 怪しき姿の精霊や  黒蛇なぞが火の中に
 苦しみ悶ゆる怖ろしさ  身の毛もよだつ計りなり
 再び羅刹は現はれて  妻のベリシナ初めとし
 スミエル、スガール両人を  力限りに虐待し
 身を引き裂きて血を絞り  砕いて喰ふ有様に
 目も当られずテームスは  悔悟の涙に暮れながら
 両手を合せて大神の  救ひを祈り奉らむと
 思ひし事も水の泡  言霊車止まりて
 唯一言も転び得ず  途方に暮れたる時もあれ
 天を焦して下り来る  一大火光は忽ちに
 容色端麗比類なき  大神人となりにける
 よくよく見れば三五の  神に仕ふる万公が
 五色の衣を纒ひつつ  テームス爺に打ち向ひ
 種々雑多と霊界の  因縁話を説き諭し
 親子の契を結びつつ  背に背負ひて濛々と
 燃え拡がりし火焔をば  難なく分けて下りつつ
 青草茂る大野原  一直線に東方に
 向つて駆け出す勇ましさ  万公別はテームスを
 背に負ぶつて進む中  際限もなき大沼の
 前にピタリと行き当り  息を休めて手を合せ
 皇大神を祈る折  碧き湖沼は忽ちに
 いと香ばしき青畳  テームス館の奥の間と
 変りたるこそ不思議なれ  テームス、ハツと気がついて
 四辺を見れば三五の  治国別を初めとし
 松彦竜彦万公や  鬼春別や久米彦の
 軍の司を初めとし  妻のベリシナ、スミエルや
 スガール、アーシス、アヅモスの  家の子迄が枕頭に
 双手を合せ三五の  神の助けを祈り居る
 真最中と見るよりも  遉のテームス自我を折り
 執着心を放棄して  一切万事三五の
 教に任す事としぬ  ああ惟神々々
 御霊幸倍ましませよ。
 テームスは四辺をキヨロキヨロ見廻し乍ら、一同の吾枕頭に端坐し祈願を籠めて居るのを見て、感謝の涙を流し乍ら、
テームス『ああ、ベリシナお前は此処に居たか、スミエルもスガールも無事であつたか、アア結構々々、もうお前は悪鬼羅刹に引き裂かれ、殺されて仕舞うたと思うて居たに、まア結構であつた。夢ではあるまいかな』
ベリシナ『爺殿確りなさいませ。貴方は今目を眩かして殆ど死んで居られたのですよ。治国別様や鬼春別様、万公さまを始め御一同の丹精によつて罪を赦され、再び此世の明りを見る事が出来たのです。早く神様初め皆様にお礼を申しなさい』
テームス『ああこれはこれは御一同様、よくまア助けて下さいました。私は祖先代々よりの宿業によつて何とも形容の出来ぬやうな地獄に堕ちて参りました。罪程怖ろしいものは厶いませぬ。貴方方がお出下さいませぬでしたら、テームス家の祖先を初め、子孫に至る迄一人も残らず八万地獄に堕されて無限の責苦に遇はねばならぬ所で厶いました。娘のスミエルやスガールが猪倉山に囚はれ深い陥穽に堕し入れられ苦しめられたと聞いてから、鬼春別様、久米彦様外御一同のお方が憎らしくなつて表面では素知らぬ顔をして居るものの、心の中は鬼の様に殺気立ち、一時も早く吾家を放逐したいと我情を張つて居りました。娘の囚はれたのも全く吾々の祖先や子孫をお助け下さるためのお仕組だつたと云ふ事を深く悟りました。鬼春別様、久米彦様、其他の方々様、私の罪を何卒お赦し下さいませ。私は霊界に往つて貴方の清き尊き御精霊に助けられて参りました。又万公さまも……瓢軽な落付のない困つた男だ、何程娘スガールが恋慕して居つても、こんな男をテームス家の養子にする事は出来ない、ぢやと云つて娘の恋の醒めない中はどうする事も出来ない。一層のこと毒害でもせうか……と心の中に誰しらず悪い考へを抱いて居りました。此罪も万公さま何卒赦して下さい。霊界に於て進退谷り苦悶の最中をお助け下さつたのは貴方の精霊で厶いました。サアこれから此家を万公さまと番頭のシーナさまとに任せますから好きな様にして村人を助けてやつて下さい。テームスは財産に対してはもう些の執着もありませぬ』
 鬼春別は涙を流し乍ら、
鬼春『テームス様、よくも其処迄悟つて下さいました。拙者も治国別様の御教導によつて生乍ら地獄を逃れ天国に救はれ、因縁あればこそ、かうして仮令一夜なりとも逗留さして頂いたので厶います。又二人のお娘子を困らしめたのも、やつぱり吾々が責を負はねばなりませぬ。娘の親として吾々をお恨みなさるのも決して御無理は厶いませぬ。貴方が箒を立てて早く帰れがしとお祈りして居られたのも幽かに私の耳に響いて居りました。夫故態と貴方の耳に聞ゆるやうに聖経を読誦し、貴方の反省を促さむとして居た所、貴方は経力に打たれて人事不省におなりなさつたのです。……ああ済まぬ事をした……と、直様霊界に祈つて居りました所、よくまア蘇生して下さいました。何卒これで恨をスツカリと晴らして下さいませ』
テームス『ハイ勿体ない、そんなお言葉を聞きましては冥罰が当ります。貴方のお蔭で、吾々一族が無間地獄の苦しみを受けるのを脱れる端緒が開けたので厶います。実に人間の怨恨程怖ろしいものは厶いませぬ。何卒これからは足らはぬ吾々一族を可愛がつて御指導下さいませ』
と熱涙を浮べて合掌する。鬼春別は嬉し涙に掻き暮れ物をもえ言はずしやくり泣きをして居る。エミシもスパールも神恩の有難きに感謝し言葉塞がり涙に暮れて居た。
治国『テームス殿、今回の幽界旅行によつて、因果転生の道理がお分りになつたでせうなア』
テームス『ハイお蔭に依りまして後生の怖ろしい事を悟りました。唯人間は惟神のお道に従つて、世間愛や自然愛を超越し、神の愛に生き、善徳を積まねばならないものと深く悔悟致しました。さうして貴方のお弟子と思つて居た万公さまは、深き因縁によつてテームス家の相続者となり、祖先以来の罪悪を払拭し給ふ御方と深く悟りました。何卒、結構な宣伝使の随行者なれ共、曲てテームス家の養子に与へて下さいますまいか。折入つてお願ひ致したう厶います』
治国『万公さまに異存さへなくば、私は些も構ひませぬ。道晴別、松彦、竜彦、貴方の意見は何うですかな』
道晴別『神の道闇を晴らしてわけ上る
  日の出の神の御旨なるらむ』

松彦『松の世の小天国を築かむと
  神は万公を下せしならむ』

竜彦『罪汚れ百の悩みをたつ彦の
  教の開く基なるらむ』

治国別『有難し吾三柱の珍の弟子
  諾ひますも神心ならむ。

 いざさらばテームス夫婦スガール姫
  万公を君が家柱とせよ』

テームス『有難し治国別の御言葉を
  慎み神に仕へ奉らむ』

ベリシナ『罪多きテームスの家も三五の
  神の伊吹に清められける』

スガール『村肝の心の底より愛したる
  万公別に添ふぞ嬉しき』

シーナ『大神の御言畏みテームスの
  家に誠の花は咲くらむ』

スミエル『惟神結び給ひし縁なれば
  吾も仕へむシーナの君に』

アーシス『治国別神の司の口をもて
  結びたまひし縁ぞ尊し』

お民『三五の月は御空に輝きて
  吾胸さへも晴れ渡りぬる』

鬼春別『大空に輝く月の影見れば
  笑ませ給ひぬテームス家の棟』

久米彦『厳御魂瑞の御霊は玉置の
  テームス館に輝きたまふ』

スパール『月清く大空青き今宵こそ
  闇の晴れたる心地こそすれ』

エミシ『バラモンの軍の司カーネルと
  仕へし吾も心嬉しき』

治国別『テームスの家の誉は今日よりぞ
  月日の如く輝きまさむ』

テームス『罪多き吾館をば清らけく
  治めたまひし神ぞ尊き』

 斯く互に述懐を述べ、和気靄々として神前に額づき、各祝詞を奏上し、テームスが再生の神恩を感謝したりける。
 窓の外には涼しき夏の風ヒチリキを吹いて穏かに通ふ、ああ惟神霊幸倍坐世。
(大正一二・三・四 旧一・一七 於竜宮館 加藤明子録)
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