文献名1道之大本
文献名2よみ(新仮名遣い)
文献名3第34章よみ(新仮名遣い)
著者出口瑞月
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本文
一、木の葉の下露も流れ流れて末には遂に大海の水となる。
二、燐寸一本より磨り出したるかすかな火も、遂には大なる都を焦土に変らしむ。
三、聊かの罪穢れ過ちなりとて慎み改めざる時は、大なる罪となり、大なる災禍を招き、その家を滅ぼしその身を滅ぼし、遂には霊魂の生命をも失ふに至るべし。
四、霊魂を失ふは未だしも宜しけれども、その霊魂を生かす殺さずして限りなき水火の苦しみの中に落さるる事あり、慎まざるべからず。
五、ゆゑに神の掟は毛筋ばかりも忽になすことなかれ。小さき蟻の穴より千里の堤も崩るることあり、恐るべし。
六、善なることは仮令少しなりとも勉めてこれを行ふべし。一粒の粟の種を程よき土に下せば、万倍の実を結ぶを見よ。
七、天地万有の大元霊たる天御中主大神は人草の正しき心や、公の望によりて祈る事を喜ばせ給ひて、その者の上に限りなき栄えと進歩とを授け給ふ。
八、上帝は絶えず人草の為せる業を一々みそなはし給ふ故に、善をなせる者には直に幸を与へ、悪を為せる者には直に禍を下し給ひて戒め給ふ。
九、善悪二つながらその報いの速かなる事あたかも影の形に従ふが如きものなり。
一〇、上帝は常に人草の霊魂の中に清き麗はしき直日の霊を与へて、常に善き事を行はしめ、その身を光り輝く伊都能売の神となさんとし給ふ也。
一一、信仰なき者は生れながらに与へられたる直日の霊を失ひ、あるいは害ひ破るもの故、その身に光りも艶も力もなし。
一二、その身またその魂に光りなき者は、鳥獣に等しくして、ほとんど神の御子たる人間の資格なき者といふべし。
一三、人は万の物の頭にしてその魂は神の直々の分派なれば、月日と共に光り輝くべき筈のものなり。
一四、神は遠き近きの分ちもなく明き暗きの隔てもなし。ゆゑに世界の隅々までも神の眼は行き亘れるなり。ゆゑにこの世において悪しき事の神の眼を隠るる所は立錐の地もなし恐るべし。
一五、人の霊魂は生ける真の神の分け霊なればその霊魂は神に等しく、その目も同じきものなるに、一寸の先も見えざる愚物となり果てしは何故なるか、宜しく省みよ。
一六、みな貪欲身欲猜みなどの悪魔に誘はれて、その貴き霊を汚がし曇らせ、自ら神明に遠ざかりて、曲津の宮にさまよへるが故なり。噫。
一七、宇宙の主宰たる真の神に見えなば世界の事は鏡にかけし如く明かに見透し得らるるなり。