文献名1開祖伝
文献名2よみ(新仮名遣い)
文献名3はしがきよみ(新仮名遣い)
著者愛善苑宣教部・編
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OBC B100600c001
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本書は開祖・出口直子刀自の人なりと、その御生涯の事跡のあらましを略述したものである。略述ではあるが、史実の正確を期するためには出来る限りの検討をなし、かつ事実を事実として率直に伝えることに意が注がれてある。従って従来諸種の刊行物に掲載されたものの中からも、誤りはもちろん訂正されるとともに、根拠薄弱なものはこれを割愛している。
教えの権威はその歴史にあり、人にありといわれる。むしろ愛善苑においては、明治二十五年大本発端以来の歴史そのものがもっとも重要な教えである。一見些細な史実の一つ一つに、神の経綸の神秘が啓示されてあり、あるいは地上天国実現についての大神劇の型が演ぜられてあると教えられている。
しかしそれらについての詳細な紹介と解説は他日に期することとし、本書においては、ただ御事跡の主だったもの、および比較的わかり易い事柄を平面的に記述するに止められた。それでもなお入神後の御事跡中には、一般には不可解と思われるものも相当あろうが、それらについてはあまりにこだわることなく、「そういう事もあったのか」と、しばらく読み過ごしておかれたい。
とまれ、人の世のあらゆる艱苦にめげず、凜として清冽な一筋を貫き通された八十三年の御生涯、寒夜氷を割って水行されること、多きは一夜に十三回を数えたという烈々たる開祖の信仰は、読む人をしてその霊性を目覚めしめ、混迷期にあってわずらい悩む現代人に、大いなる光となり力となることを信ずるものである。
事跡の配列、言句の整理になお幾多工夫すべきものがあるが、他日再版の機会に改良したい。つたない筆の運びが開祖の御徳をそこなうこと万々なるを謹んでお詫び申しあげる次第である。
愛善苑宣教部