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文献名1開祖伝
文献名2よみ(新仮名遣い)
文献名321 贈られた土塊よみ(新仮名遣い)
著者愛善苑宣教部・編
概要
備考
タグ データ凡例 データ最終更新日----
ページ 目次メモ
OBC B100600c21
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本文  開祖様の神がかり状態を聞いた八木の久子さんは、良人の福島寅之助さんと娘のお藤さんと三人連れで開祖様を見舞いました。その時の見舞金は十銭銀貨一つでありました。開祖様はそれを押し返して、
「持っていんで孫に饅頭でも買ってやれ。私は何も土産にやるものがないからなぁ、一寸待っていて」と云いながら裏口へ出て行かれ、間もなく蒲鉾板の上に何か黒いものを載せて出て来られました。
「さぁ、これが私の土産じゃ。これを持って行け」といわれるので、見ると一塊の黒土が載せてありました。久子さんはあきれて、
「お母さん、土みたいなものを」
といいますと、開祖様は、
「土みたいなものじゃないよ。お土があるから皆が生きていられるのじゃ。百万円の金よりも一握りのお土の方が、どれだけ大切かわからぬのじゃ。金はこの世の亡びのもと、これがわかってきたらこの世がみろくの世になるのじゃ」
「お母さん、みろくの世いうたら何?」
と頑是無いお藤さんが、母の久子さんに聞きました。すると開祖様が引き取って、
「お藤はええ子じゃ、子供は素直で神様に好かれるものじゃ。みろくの世になれば世界の人が、この子供のように初心になるのじゃ」と申されました。
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