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文献名1開祖伝
文献名2よみ(新仮名遣い)
文献名332 水洗礼よみ(新仮名遣い)
著者愛善苑宣教部・編
概要
備考
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ページ 目次メモ
OBC B100600c32
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本文  綾部の冬は随分きびしい寒さですが、寒中でも開祖様はお筆先の御用をされるたびごとに水ごりをかかされたことはありませんでした。
 時には夜中五回も六回も水ごりをせられ、浴びられた水はすぐに凍って、夜が明けて見ると、井戸端には氷の層が数段に重なっていて、それを見て幾回水ごりをせられたかがわかったということです。御老体におさわりがあってはとお止め申しても「神様にもったいない」と仰せられて、お続けになりました。
 底知れぬ敬虔さは、汚れなき御身をも更にお清めにならねば「もったいない」と感ぜられたのです。
 その後、神様から、水行を止めよと申され、それでもなお、お続けになっていましたが、ある日水行をしようとして浴場で足を踏みはずされ、それからようやくお止めになりました。
 寒中に手あぶりも用いず、夏に扇子も使わず、夜具はもちろん身につけるものは木綿一式で、絹物は断じて用いられませんでした。御老体に重い木綿のゴツゴツでは余りにもおいたわしい、せめて着物の裏だけなりと絹を使わしていただきたいとの信者の申し出でも、何としてもお聞き入れがなく、粗衣粗食をもって貫かれました。
「澄子、わしの口の中を見てみな、熱でこんなもんじゃ、あまり世界のことが心配になるのでなあ」
と仰せになって舌をお見せになるといかにも、うこん色になっていました。
「御飯も何にものどに通らぬ」と申されて、明けても暮れても、世界の大難を小難にとお祈りになって居ました。
 二代様が心配のあまり「あなたがどれほど心配されても世界の人が知ることでなし、止めなされ」と申されますと、
「神様が御心配なされておられるから、わしの肉体にこたえるのじゃ」
といつも仰せになっていました。
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