文献名1王仁文庫
文献名2第9篇 道の大本よみ(新仮名遣い)
文献名3第13章よみ(新仮名遣い)
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データ最終更新日2018-11-05 02:11:32
ページ48
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本文
一、一本の木、左の枝には梅の花咲き、右の枝には桜の花の咲くためしなし。ゆゑに人々よ一つの舌をもつてあるひは神を祝ひ讃め称へ、あるひは神を譏り人を呪ひ、または罵るなかれ。
二、一本の木に、二色の木の花は咲かず、これ真理なればなり。一つの舌をもつて言葉を二つにするものは、真理に背くものにして大なる罪なり。
三、常に勇み喜び美しき言葉をもつて、神に仕へ奉るべし。
四、神を譏りつつ神に仕ふるものは、神の忌みたまふ行為にして、亡ぶの基なり。
五、神より他に世を裁く権利なければ、人はただ神の言葉によりて語るべし。
六、我が身を殺すも舌なり。国を亡ぼすも家を破るも、また小さき一枚の舌なり。国と国との戦ひもまたこの舌一枚の用ひ方による。神の善き教を宣べ伝ふる宜しき行為も、神の教を無視する悪しき言葉も同じ一枚の舌の使ひ方によるのである。全世界を清むるも舌の働きなり。全世界を汚すもまた舌なり。舌は善く用ふべし。妄りに用ふべからず。三寸の舌をもつて我が身を殺し、人を害ひ、世界を毒す。実に恐るべきはこの小さき舌なり。
七、一旦口に出したる事は固く行へ、しかも善なることは是非に行へ。万一悪なる事なれば速かに悔い改めて、更め言へ。
八、神または人に向ひて、吾れはかくなさんと言ひながら、その言葉を果さざるものは神を無視し、かつ軽んじ、人を欺き、またおのが精神を欺く罪人なり。