文献名1道之大本
文献名2よみ(新仮名遣い)
文献名3第11章よみ(新仮名遣い)
著者出口瑞月
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一、ここに明治三十八年正月、神の御光輝やきて、さしもに頑強なりし役員ら心の眼開け来りて、直日の霊によりて省みる事を得たり。
二、村上王愛、四方王智、翻つてここに誠の道を覚り、今や獅子奮迅の勢いをもつて、大本教の為に殉ぜんとするに至れり。未だ眠りの覚めざる役員何某ら、ある人の仰せなりとて曲津神に誑らかされ、正しき道にさやらん事を専らに勉む。
三、ある人の教に就くや、王仁の教に従ふや、もしも王仁に就かば、世の切り替の時天より罰せられん、返答如何にと嚇し立つる。されど天は至愛なり、直日の霊に奇しき光りを先づ与え玉ひしかば、かかる八十曲津の言葉を聞入るもの無かるべし。
六、王仁は末法の世の教なりとて、己が力の足らざるより、百方これを妨げんとす。されど最早時は至れり、王仁今まではよく堪へ忍びたりしも、この上は一日もたゆとう事能はず、真理の為めには倒れても屈せざるの決心なり。
七、ある人大曲津神に心の根城を奪はれ、己先づ根の国に陥りて、数多の八十曲津神を遣はし、王仁の正道を損なひ破らんとするなり。
八、八種の雷神死物狂ひに荒び健び、王仁が教の園を荒し廻らんとす。荒魂の大神荒れ出でまして、峯の尾毎に追ひ伏せ、川の瀬毎に打ち払ひ玉へり。
九、王仁はここに天津神と瑞の霊の大神の御言もて、太占に占へて御子を生む。後より八十曲津来りてその子をくびり殺さんといきまくなり。
一〇、ここに王仁の生めりし御子、村上の房を荒魂の剣をもて、鷹栖の山の尾の上に切り散らし、四方の藤をまた荒魂の都牟刈の太刀もて、幾多の川の瀬に追ひまくる。
一一、王仁純子の二人、直日に省みて、ある人の心の根城に寄れる大曲津神を討たんとすれども、未だ全く亡ぼし得ず。今や四方より包み囲みて討つ手段を取りつつあり。
一二、八十曲津神猛り来り、二つの御子に告げて曰く、みましもし王仁の言葉に服従ひて国を造り御子生みなば、その後より躍り行きて、その国を破りその御子を殺さんとこそ云ひて迫る。彼れ荒魂の剣もて追払へば草の葉の露の朝日に消ゆる如くに失せにけり。
一三、王仁ここに和魂幸魂によりて、竹原の房を生み、次に山本作次郎、田中の由を生みぬ。
一四、奇魂の光り輝きて、幾多の川の傍りに、四方の純子姫を生む。
一五、大曲津の神と語らひて、八十曲津の神幾多の川に追ひ来り、奇魂の神現はれて、川の瀬に追ひ巻られて逃げ去りぬ。
一六、神直日大直日に見直し聞直し、村上を八千矛とし、藤を少名彦名としてここに国造り始めぬ。