文献名1道之大本
文献名2よみ(新仮名遣い)
文献名3第18章よみ(新仮名遣い)
著者出口瑞月
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本文
一、神には正神あり邪神あり。而て正神は宜しく敬すべし。邪神は決して敬すべからず。
二、最も敬すべき神は真神なりすなはち、
天之御中主大神なり
大国常立神なり
天祖天照大御神なり
豊受比売大神なり
月夜見大神なり
素盞嗚大神なり
大己貴大神なり
大宮比売神なり
産土大神なり
その他我国の神典に見へたる正しき神々は悉く敬ひ奉るべし。
三、すべて邪神には威霊なし。ゆゑに敬するに足らず。もし過ちてこれを敬するときは、罪を正神に得て、その身を損ひ家を破るの災禍あるべし。
四、平城天皇は詔して淫祠を禁じ玉へり。淫祠は邪教なり、あづさ巫子、口寄せ、狐下げ、神仏混交などを云ふ。
五、道を奉するものは宜しく敬神の大義を覚りて邪神に誑かさるる事なかれ。
六、敬神とはただ正神を信じて、邪神を排斥するを云ふ。主一無適の心は則ち敬神なり。邪神を崇め敬ふものは慢神の罪に陥りて、根の国底の国へ追ひやらるべし。
七、外貌恭々しくして神に仕へまつるとも、その心の中主一無適ならざるときは、すなはち敬神となすべからず。ただ真神を主としてこれを尊奉しこれを畏信し、これを依頼し、これに帰依し、心を一にして、外教邪神に惑はざるを敬神と云ふなり。
八、人は祖に本づき、祖は神に本づく。神は実に人の祖を生み給ひてこの世界に下し万物の霊長となし玉ひしなり。
九、神の徳を行はせ玉ふや、生成化育を以てその心となし玉ひ、衣食住の道を始め、療病の法に至るまで、生民の為に開かせ玉ひしなり。
一〇、宮を造り家を建て、橋を架け、舟車を造り、電信電話を通じ、桶類瀬戸物、金物織物の用に至るまで、みな利民厚生の目的に出で玉ふものなれば、人たるものは宜しくその洪恩を感謝し奉りて敬神の大道を軽視すべからず。
一一、敬神の義は本教の大本なり。
神武天皇及び崇神天皇以来、歴代の天皇の敬神は言ふを待たず、中臣忌部物部の大人、また代々神祇を崇敬せられたるものぞ。
一二、すべて正しき神は生成化育、修理固成を以て心となし玉へども、邪神は断滅破壊死絶禍災をもつて本来の目的とするものなれば、万物の霊長たるもの宜しく自省すべき事なりとす。
一三、神は善言美詞を喜び玉ひ、邪神は妖言怪語を好みて、常に社会の災害を期待するものなり。