文献名1歌集・日記
文献名2よみ(新仮名遣い)
文献名3花明山よみ(新仮名遣い)
著者出口王仁三郎
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データ最終更新日2025-12-24 13:16:36
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本文
現代短歌道に一歩を踏み入れて、ヨボヨボ足の私の歌集発行に対して、深甚の好意を寄せられ、幼稚極まる花明山歌集の為に序文を書いて下さつた前田夕暮先生を始め楠田敏郎、飯田兼次郎両兄の序文や跋文を寄せて下さつた事を、茲に有難く感謝の意を表する次第であります。
自分は現代の短歌に対して極めて初心者である。昨年まで好んで作して来たものは、自分の立場上主として道歌を詠じ、余暇には狂歌・狂句・随意句・情歌・冠句・川柳等に趣味を持ち、中年より和歌の師岡田惟平翁に師事して旧派の歌を学んだものである。昨年飯田兼次郎氏の紹介にて、始めて現代歌壇の『詩歌』に入社してより、数十社の歌壇へつぎつぎ入社出詠する事になつたもので、元より自分の作品に対しては確信は持つて居ない。歌人の中には自分の多作多入社に対して芸術的道徳が欠けては居らぬかと評する人もあるが、自分としては所謂、歌壇の趨勢を観望して居る次第である。教務多忙の中から寸閑を利用して出詠するのであるから、十分の詮衡は出来てゐないのは当然である。自分の様な拙劣な歌を何故発表するかと批評する人もあるだらうが、そんな事に頓着するやうな神経質ではない。今後もどしどし発表する考へであつて読者の有無は眼中にないのである。歌人の中には、初心者の癖に歌集を発表するなんか生意気だと云ふ人もあるだらうが、そんな事はどうでもよい。現代短歌の歌集は今回が始めであるが、既に自分は四百頁の歌集を今日までに数十冊発刊して居る。文句の多い現代歌壇に送つてゐないから、誰も短歌壇の人々は知つて居ないだけである。
扨、自分ながら確信を持たぬこの歌集は、紀念ブツクとして発表したまでであるから、現代の立派な歌人諸士には余り読んで戴き度くないと思ふ。
昭和六年五月五日
於花明山 著者