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文献名1故山の夢
文献名2よみ(新仮名遣い)
文献名3仲裁よみ(新仮名遣い)
著者出口王仁三郎
概要
備考
タグ データ凡例 データ最終更新日2024-10-30 20:57:00
ページ211 目次メモ
OBC B119300c049
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本文       二十五歳の頃
浄瑠璃の師匠お玉に治郎松が関係したと大和屋文句いふ
愛人をかすめて顔に泥ぬつた代償二百円出せと言ふ侠客
二百円出さねば冷たい地獄川になげこんでやるとおどす侠客
治郎松は長吉の手を経て五十円渡してあればやらぬと頑張る
五十円受取り長吉は両別けしその半分は自分にしてわたす
長吉もまたお玉の愛をかけられて二十五円を渡したるらし
大和屋とお玉二人の美人局にうまくかかつた野呂作治郎松
大切な五十円の金で淫売したお玉を願うといきまく治郎松
大和屋と治郎松二人の仲にたち長吉は言ひわけたたずふるへり
     ○
治郎松と母親おこの婆さんが助けて呉れよと吾が家に飛び込む
たすけずばお前に貸した金呉れと婆さん頑張り身うごきもせず
やむを得ず治郎松の家に夜行けば大和屋乾分と門口にどなれり
村びとに憎まれものの治郎松を大和屋責むとて群集ざわめく
群集をひきわけ治郎松の家に入り破軍星を背にして座につく
大和屋は門より乾分に命令しきつき談判持ちこませ居り
治郎松は青い顔して縮み上がり喜三やんたのむと部屋に逃げ込む
大和屋の乾分留公与三公と火鉢へだてて掛合ひにけり
大和屋は門より手ぬるいぞこの喜楽叩きのばせと命令してをり
叩くなと殺すなとせよ貴様らのままになるかと吾もどなれり
吾が声に留公与三公両人は手足わななきこゑふるはせり
口ばかり大きい奴は三文のおもちやの獅子よと吾罵りぬ
棒太口魚よ神楽獅子よと吾はまた命知らずにののしる吾が口
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