文献名1故山の夢
文献名2よみ(新仮名遣い)
文献名3草籠よみ(新仮名遣い)
著者出口王仁三郎
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データ最終更新日2024-10-30 20:57:00
ページ348
目次メモ
OBC B119300c079
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本文
二十六七歳の頃
二才の妹を背中に負うて 隣の小母さんと草籠さげて
陽炎もえたつ曽我部の田圃 若い緑のよもぎ摘む
摘むだ蓬に春陽がさして ぷんとかんばし春の色
○
摘んだよもぎをお釜に蒸して 裏の小川ですつかり洗ろて
臼にうつして杵にて搗いて ポンポンポンポン草の餅
とり粉にまぶして俎で伸ばし お座布の様にひろげておいて
包丁で断ち切る菱の餅 ほんに子供の楽しい節句
○
白い徳利に桃の花さして 菱のお餅を五色に並べ
雛さんの御前で兄弟揃て ちよびちちよびりとお酒のむ
雛段に飾つた桃太郎さんは にこにこ笑つてものいはぬ
春の親しいお酒のにほひ お室にかをる桃の花
草の香床しい菱の餅
○
小麦の花咲くたんぼの小川 水もぬるんで小鮒が泳ぐ
鰌やもろこが小溝に跳ねる 竹もて編んだじよれんの籠で
お尻からげて小川に浸り 泥にまみれて小魚をあさる
籠にはいつた田螺に蠑螈 肝腎の魚は十分一