文献名1青嵐
文献名2よみ(新仮名遣い)
文献名3混交の内幕よみ(新仮名遣い)
著者出口王仁三郎
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データ最終更新日2024-10-31 04:40:00
ページ69
目次メモ
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本文
混交の教師上仲儀太郎氏教理聞かむとおとなひきたる
上仲氏はわれに牧畜をそはりし内林村の紳士なりけり
混交教教師の心性きたなきを口をきはめて上仲氏宣る
上仲は混交教の執事なれどあきはてて居り浅き教理に
混交の教理はインテリ階級にそぐはず時勢おくれと宣れり
祭壇にお供物をかざりたて銀貨銅貨をおとりにまくといふ
今日のすべての教会ことごとく商売根性になれりとて悔む
教会の内幕つぶさにさらけ出せば皆蛆虫の巣窟なりけり
神道直轄混交教会支所といふ看板楯に衣食すといふ
供物せざればたちまち支所長は面ふくらせて御機嫌悪し
たまさかに病気が癒れば神徳と称へてしきりに搾取すといふ
わが家も村で一二の資産家といはれたるものを搾取されてなし
願はくば貴下の教理を聞きたしと誠心おもてにあらはし頼む
かむながら道のはなしをじゆんじゆんと半日ばかり語りきかせり
上仲は横手を拍ちて歓喜しつこれぞまことの教とほむる
今日よりは混交教師を辞職して御弟子にならむとかたく誓へり
われもまたその熱心を愛でにつつ入門ゆるし弟子となしたり
祭壇をあらたにつくり上仲の館に造化の三神をまつる
祭典の邪魔
祭典をなす最中に支所長の山中息せき入りきたりけり
山中は群集のまへに仁王立ち祭典をみてひややかに嗤ふ
神様の御前よお坐りあそばせと上仲山中をたしなめてをり
神なれば無論敬礼いたします邪神に頭下げずと答ふ
邪神とは聞き捨てならぬその理由語れと上仲山中に迫る
真神の混交大陣よそにして迷信あるなと逆捩をいふ
造化の三神はまことの神よ混交は愚人のかつぎし人造の神
人造の神といはれて山中は額に青筋たてていきまく
おこるにも及びますまいおとなしく先生らしくと信者たしなむ
神様のことが汝にわかるかと山中教師大声に呶鳴る
どうしても邪神はこの家に祀らさぬ混交教の教師の家には
混交の教師はすでに辞職したかまうてくれなと上仲がいふ
辞職しても神の因縁きられないここは混交の神前と呶鳴る
混交の神を悪いと言はねども教師の行ひに愛想つきたり
わが家に寸時もおかぬ出てゆけと威丈高なる上仲の暴言
絶対に霊学の神は祀らさぬといひつつ神前の花瓶を投げる
信教は自由だかまうて呉れるなとまた上仲が反駁してをり
両人の争ひ見るに堪へかねてわれ仲裁をこころみにけり
汝ごとき邪神の教師に仲裁をうけぬと山中威丈高にいふ
いろいろに説けどさとせど山中はつゆきくらげの耳なりにけり
上仲はわからぬ所長と言ひながら力にまかせて押出してをり
押し出され玄関口にばつたりと山中酒気を帯びて倒れぬ
話したきことがあるなら酒の酔ひさめて来れと上仲笑ふ
残念至極クク口惜しいと歯ぎしりをかみつつ山中泪しており
気の毒と抱きおこせば山中は俺の得意をとつたと睨む
教会は商売でなし得意の名初めて聞きしとわれ笑ひけり
こりや喜楽ひとの難儀を笑ふとはてつきり邪神だ鬼だ悪魔だ
とにかくも今日はお帰り遊ばせと言葉しづかに吾なだめけり
どこまでも祀らさぬといへば祀らさぬこの山中の命あるうちは
どつかりと玄関先に尻据ゑて山中酒のくだをまきをり
山中にかまはず祭員一同は造化三神を神前にしづむる
つつがなく祭典すみて直会の式に信徒ゑらぎにぎはふ
混交の信徒も大半まじはりて山中教師のうはさに花咲く
山中は信徒のののしり耳にして直会席にあれ込みにけり
ドタンバタンガチヤガチヤ茶碗のわれる音組んづ組まれつ遮二無二争ふ
混交の教師浅井花子氏はこの状をみて辞職せんといふ
いちどきに二人の辞職者を出せば言ひわけ立たぬ山中の地位
両人が辞職するなら支所長をわしもやめると山中雄猛ぶ
喧嘩の仲裁
この騒ぎわが仲裁にをさまりて園部扇屋に懇親会をひらく
扇屋の二階に教師信徒ら三十六人あつまりうたふ
山中は機嫌なほりて祭文節どうら声にてうなり出したり
山中は近江の生れ祭文の法螺吹き上手の教師なりけり
錫杖を右手にうちふり左手には法螺をかかへてしなよく唄ふ
でれんでれん隣の客間に法螺貝の音谺してかしましき宵
信徒はおもひおもひにかくし芸を鼻たかだかと陳列してをり
べつとりと白粉塗りし股猫が三筋の糸で踊りあやつる
混交は以前信仰するといふ条件づきにてをさまりにけり
混交教信仰すれど霊学はやめぬと上仲浅井が言ひ出す
何事も今日は言はぬが花なりと上仲なだめて宴を終れり
馬耳東風
山中の心裡のあまりに愚劣さに信徒残らず霊学に入る
教会に詣づる人の足たえてまた怒り出す山中訓導
霊学会園部の支部を開設し上仲浅井が宣伝をなす
遠近の村より信徒あつまりて園部の支部は終日せはしき
われもまた園部の支部に出張し数多の人人に宣伝をなす
山中は酒気を含みて入り来りくだらぬくだをまきて困らす
山中の罵詈雑言を気にもせず柳に風と聞きながしたり
神前にどつかと坐して山中は混交大陣の神徳を説く
そんなこともう聞きあきた御免よと信者つぎつぎ逃げ出してゆく
山中と上仲二人が神教につきて争論またはじめたり
争論のはてし見えねばやむを得ずわれは内藤方に出でゆく
内藤氏話いちいち聞きをはり仲裁せんと支部に来れり
温厚な内藤半吾氏の仲裁も馬耳東風の山中の態度
内藤氏愛想つかして立帰りただちに霊学会に入りたり
内藤氏の依頼によりて離れ家に造化三神おごそかに祀る
内藤氏いよいよわれの片腕となりて働くことを誓へり
春浅き園部の町は風寒く雪しばきしてしのびがたかり
それよりは山中われにもの言はず見る人ごとに罵り散らせり
○余白に
国境に兵を集めてスラブ人が戦闘準備におこたりなき夏
米国の○○待ちておし寄せむスラブのたくみ等閑にふすな
日の本の国家はこれより多事多難ただ一日の油断もならず
満洲里にわが陸軍の司令部を開設すべき時は今なり
国民は既成政党にあきはてて日本武夫の奮起待つらし