王仁DBβ版 出口王仁三郎と霊界物語の総合検索サイト 文献検索 画像検索 単語検索 メニュー開く
サイトの全面改修に伴いサブスク化します。詳しくはこちらをどうぞ。(2023/12/19)

文献名1青嵐
文献名2よみ(新仮名遣い)
文献名3古寺の奇遇よみ(新仮名遣い)
著者出口王仁三郎
概要
備考
タグ データ凡例 データ最終更新日2024-10-31 04:40:00
ページ164 目次メモ
OBC B120200c21
本文のヒット件数全 0 件
本文の文字数2024
その他の情報は霊界物語ネットの「インフォメーション」欄を見て下さい 霊界物語ネット
本文 海老坂の峠の風にふかれつつはげしき息を休めゐたりき
百鳥のこゑは一しほ冴えにつつ青葉のかをる峠の風景
青葉かをる峠に腰かけ休らへば以前の巡査のぼり来にけり
彼の巡査いやらしき微笑を浮べつつ黙黙として峠を下る
法律の研究のため周山の本署にいそぐ旅と見えたり
海老坂を下りて人見の住ひたる海老坂地蔵の古寺を訪ふ
この寺に以前の巡査休みをり人見と何か親しげに語る
わが姿見るより人見は座を立ちてよくも入来と愛嬌ふりまく
この巡査は園部の小山安太郎汝が従弟よと人見は語る
不思議なる邂逅に巡査も驚きて従弟なるかと面をてらせり
三人の親戚一度にあつまりて今日の奇遇を驚きにけり
失礼をしたと小山の安太郎わが手を握り詑び入りてをり
台所に鼎坐しながら四方山の話に春日はかたむきにけり
信教の自由こまごま説きつれば小山も漸くうなづきにけり
口中はわが叔父佐野清六の部下の教師と小山は語れり
世の中は広くて狭きものなりと驚きにつつ春日くれたり
安太郎はいそぎ安掛へ帰りゆくわれ古寺に一宿をなす
小夜更くるまで両人は語りあひて既成宗教の矛盾を罵る
   朧夜の月
春の夜は明けやすくして百鳥の声庭の面に響き渡れり
古寺の松の大樹に声たかく鵲鳴きてからりと明けたり
一夜さを眠りもあへず語らひし疲れ癒せんと昼寝の夢みる
目ざむれば春の太陽天心にかかりてつつじの花は笑へり
安太郎巡査に聞きしと口中はわれに謝罪をかねて来れり
私は佐野先生のお弟子です昨日の無礼を許せとて泣く
商売心やめてお道につくせよと懇懇さとせば口中泣き入る
かくの如き尊き師とは知らずして密告したる不徳を許せよ
愛善に住するわれは何人もうらまず心安かれとさとす
今日もまた三人一度にあつまりて長き春日を語り暮せり
古寺の庭に立ち出で朧夜の月をながめて春をたのしむ
天心に動かぬおぼろの月かげをみつつ思ふもわが行末を
世に処する法は朧に限るべしとしみじみさとりぬ山鳩の声
口中も人見もつぎつぎ庭に立ちて花の香通ふ風をほめ居り
峰を吹く風やはらかに常磐木の松の梢は春をねむれり
小夜更けを三人臥床に入りにつつ寝ながら話に夜は明けにけり
   道連れ
山つつじ所せきまで匂ひたる庭の朝はのどかなりけり
おそ咲きのつつじの花を見てあれば要助夫婦息せき来る
わが姿みるより二人は合掌しお詑びに来しと言ひつつ涙す
園部まで送らせ給へと要助は妻もろともにたのみ入りける
こころざし有難けれど途中にて待つ人あればとかたく辞したり
せめてもの御恩報じにわが妻を送らせ給へとしきりにたのむ
幾度もことわりみれどかの女要助二人は泣きつつ願ふ
一同に別れの挨拶交しつつ彼女をともなひ帰り路につく
その昔親しかりし女との道連れはいささか困れど憎しと思はず
道の辺の芝生の上に腰おろし若き園部のありし日を語る
彼の女どことはなしにじめじめと心に一物もてるが如し
わがこころ一物もなし彼の女胸に一物わが荷物もつ
帰り路を四つ谷の村の古寺に集へる人をみつつ立ち寄る
   竜頭蛇尾
寺の名は忘れたれども庭広し堂の内外は人満ちてをり
二人曳の腕車をはせて穴太寺院主行円入りきたりけり
行円師演壇に立ちこまごまと懸河の弁にて法談をなす
父母のめぐみも深き粉河寺の因縁つぶさに行円師かたる
集れる信徒たちをみわたせば老爺と老婆とでうづまりてをり
埒もなき法話に鼻をすするあり涙の雨をふらす婆婆あり
わが国の既成宗教の有様をつくづく見つつ神国をあやぶむ
婆嬶のふところばかりに生きてゐる坊主の心裡をあはれみにけり
壇上に立てる行円わが姿ふとながめつつ面くもらせり
穴太より八里の道をはるばると来し行円を気の毒におもふ
行円の法談にはかに力なく竜頭蛇尾におち入りにけり
行円にしたがひ来りし竹さんはわがゐるを見て口をとがらす
喜楽さんあなたは神道の宣伝者お寺に来ては困るとなじる
穴太寺法会の度に店を出す竹さんは畳屋の伜なりけり
救世の道に進めるわれなれば仏教しらぶる必要ありと云ふ
竹さんは口をとがらし穴太寺の得意をとりに来たのかと怒る
営業的既成宗教は信徒を得意といふもことはりと思ふ
行円は一室に入りて顔みせず竹さんわれに毒ついてをり
商売の邪魔になるなら帰るよといひつつ寺の石段下る
   野天狗
これでよし家に帰れとうながせど彼女は首をふりて動かず
宣伝の旅を女におくられてしづごころなき春の山みち
帰り路を小林方にたちよれば貞蔵おやぢにこにこ出迎ふ
その後の様子いかにと尋ぬればまたも野天狗かかると答ふる
彼の女小林貞蔵の顔をみてごきげんよろしと挨拶してをり
要助の病気如何にと貞蔵はいと親切に彼女に問ひをり
不思議にも山本要助は貞蔵氏の甥にあたれる人なりにけり
師の君のめぐみによりてわが夫全快せりと彼女は答ふ
とも角も今宵はわが家にとまりませと貞蔵夫婦がとどめてやまず
急ぐべき旅にあらねば二人とも一宿願ふこととなりけり
貞蔵にかかる天狗を言向けてそのあくる日を園部に帰る
   ○余白に
あやまれる政事宗教教育はますます地上を常闇となさむ
地の上に最上唯一の大道は人類愛善のまことなりけり
霊界物語ネットで読む 霊界物語ネット
オニド関係の更新情報は「オニド関係全サイトの更新情報」を見れば全て分かります!
王仁DB (王仁三郎データベース)は飯塚弘明が運営しています。 /出口王仁三郎の著作物を始め、当サイト内にあるデータは基本的にすべて、著作権保護期間が過ぎていますので、どうぞご自由にお使いください。また保護期間内にあるものは、著作権法に触れない範囲で使用しています。それに関しては自己責任でお使いください。/出口王仁三郎の著作物は明治~昭和初期に書かれたものです。現代においては差別用語と見なされる言葉もありますが、当時の時代背景を鑑みてそのままにしてあります。/ 本サイトのデータは「霊界物語ネット」掲載のデータと同じものです。著作権凡例 /データに誤り等を発見したら教えてくれると嬉しいです。
連絡先:【メールアドレス(飯塚弘明)
プライバシーポリシー/0/
(C) 2016-2024 Iizuka Hiroaki