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文献名1青嵐
文献名2よみ(新仮名遣い)
文献名3金明会よみ(新仮名遣い)
著者出口王仁三郎
概要
備考
タグ データ凡例 データ最終更新日2024-10-31 04:40:00
ページ217 目次メモ
OBC B120200c28
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本文の文字数3865
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本文 世話方の協議の結果足立氏を退去させんと相談まとまる
足立氏は老婆子供のある人と聞きて気の毒に堪へずなりけり
私は帰りますから足立さんをおたのみあれと帰らんとせし
世話方も開祖も殆ど当惑し短気を出さずと吾をなだむる
足立氏と共に神業務むるなら私はゐますと答へたりけり
公平なあなたの心に感じ入り足立を退去させじと誓ふ
世話方と相談の上神様のゆるしのもとに金明会を開く
金明会のわれ会長に選まれて役員選定の実権まかさる
足立氏を金明会の会統に四方平蔵を会監となす
竹村も塩美四方も已むを得ずわが統監のもとにはたらく
日に増しに信者の数の加はりて開祖の宅は立錐の余地なし
相談の結果本町竹村の家に神殿うつしたりけり
金光の世話方四方源之助藤太郎文右衛門村上清次郎新に加はる
はるばると八木の福島寅之助十二里の道をたづね来れり
福島は金光教の教師なる土田雄弘ともなひてをり
土田氏は足立の同僚応援のためはるばると来れるなりけり
本町の竹村の家せまくなり金光教会所へとうつれり
教会の看板はづし河守へ移転のとどけいださしめたり
教会の移転届の翌日は綾部警察署員訪ひ来る
何故に教会移転をしたるかといろいろさまざま委しくたづぬる
神様の御命令にて移転せしと云へば警官諾してかへる
なるべくは足立を帰すがよからうと巡査部長が忠告してゆく
人びとの前に蹇癒しやれば土田足立はしきりにおどろく
島原の杉田の命受け応援に来りし土田は帰順なしたり
島原の杉田は開祖を狂人視し左の頬を三つ打ちしもの
この杉田金鉱山に手を出しつひには詐欺の罪を犯せり
三年の刑を科せられ教会の教職つひに免ぜられたり
大神に反抗したる神罰と綾部の信者は口ぐちにいふ
土田氏は幽斎修行を志願して三日目やうやく霊感を得る
   鷹の栖
神命にしたがひ幽斎修行場を鷹の栖の平蔵方に開けり
修行者は平蔵すみ子塩見せい子四方春蔵熊吉の面面
勇佑の懇請により彼の家に幽斎修行場をうつしたりけり
勇佑の伜平吉反対し已むを得ずして上谷に行く
大稜威高千穂なせる鷹の栖へみちびき給ふ猿田彦の神
   上谷
上谷の四方菊右衛門宅をもて幽斎修行の道場となせり
幽斎の修行志願者二十名日日八回の修行なしたり
次つぎに修行者口を開きつつ国家の前途の予言はじむる
   神がかり
丑の年にうまれた俺は寅之助丑寅金神さまよと威張る
丑寅の金神さまは福島だ開祖はおれの家来と無茶いふ
以久田村位田の村上房之助上谷道場をさぐらむと来る
村上のすがたみるより福島は腰帯つかんで庭に投げやる
この房は神をそしりし悪人と丑寅男が拳骨でなぐる
真正の金神さまとおもひしか村上なみだをたらして詑ぶる
遠近に悪口ひろげし村上はお詑びのためと村村巡れり
金神にそむいた罰でなぐられた叩かれましたとふれ歩きたり
房之助は半狂人の如くなりて綾部へ参れと呶鳴りてあるく
愚夫愚婦をだまして金をとらむため触れさしてゐると人人罵る
村上の妹は殺した猫の霊に感じて妙な手真似のみする
村上が猫を殺して由良川へほかしましたと自白してをり
村上の妹われの一喝に猫とび出して全快をなす
房之助ますます神威をおそれつつひねもす各地に触れまはりゆく
私が殺した猫が妹に憑きしを祓うてもろたとふれゆく
村上の狂態をみて福林神職館より修行場に来る
福林幽斎場にくははりて鎮魂帰神の修行はじむる
教導職足立土田の両人は修行のありさま見つつおどろく
天と地がひつくり覆ると寅之助素裸のままでんぐりかへる
提灯を口にくはへて素裸の身をそりながら寅之助は威張る
福島は座敷一間を占領しわれ丑寅の金神と威張る
丑の年に生れて寅の名のついた者は世界にあるかと威張る
筆先の真似ばかりして福島が変るかはるとひねもす呶鳴る
恐ろしややれ恐ろしや大望がいま目の前に来ると寅いふ
上下に天地がかへるこの通りと逆立ちになり手にて歩けり
丑寅の金神の荷物といひながら蝙蝠傘まで座敷にかざる
あらたかなこの金神に手向へば村上のやうにつまみ出すといふ
福島は車ひきこそしてゐたれ御霊は丑寅の金神と威張る
この方がこの世に生れて来なんだら真暗闇と法螺ばかり言ふ
審神せむとわれ立ち寄れば福島は何をするかと手向ひ来る
出口直も上田ももはや用はないこれから寅の舞台といきまく
この寅が綾部にをさまることなれば戦もなしに天下泰平といふ
この寅は正直一途の神のやうな日本男子の生粋と自称せり
二十名の修行者残らず悪霊に襲はれわれは審神に悩む
二十名の修行者の口かり悪霊は上田を去なせとしきりにほざく
この方は国常立の大神よ素盞嗚神と尊大ぶる曲
金光教の夢にも知らぬ霊学をさとりし土田は感激して居り
霊感の神徳得たる土田氏は人造教と金光をなみせり
人間の編輯したる宗教は真の宗教にあらずと断ぜり
霊感を得たる土田は正信をかへつて説服するにつとめし
大本の教理は神の心より出でたるものと土田は歓喜す
正信は正邪真偽の判別に彷徨なせる頑固ものなりけり
福島にかかりし神は乱暴な邪神の先導なせるしれもの
猿田彦の神の御霊は吾にかかり神歌をもつてさとし給へり
『神懸雲の上谷かがやかせうごかぬ君が御代を守らむ』
『来るべき世を救はんと大神の命かしこみわれは下れり』
『曲神の伊猛り狂ふ今の世はこの修行場の如しとさとれ』
『今の世の人の心は悉く邪神の器となりてゐるなり』
『人間の形はすれど魂は鬼と大蛇の容れものとしれ』
『福島にかかりし霊は曲津神世を乱さんとたくらみゐるなり』
『和衣の綾の高天に現はれし神は開祖によりてあれます』
『闇の世を照さむとして厳霊開祖となりて現れますと知れ』
『世の泥をあらひ清むる瑞霊上田の体を宿とし現はる』
『この後は百の荒神よりて来む乱れたる世のさま示さむと』
『かりごもの乱れたる世を治むべき真の神は伊都能売の神』
『厳霊瑞の霊と結びあひて現れません伊都能売の神』
『正信は神の教をうたがへり改めざれば身をほろぼさむ』
『雄弘は必ず中途に変るべし自己愛強き身魂なりせば』
『地の上に天津天国を樹てんとて神のまにまに天降りし伊都能売』
『われこそは猿田彦の神地の上に天国樹つる導きなさん』
『和衣の綾の高天をけがさじとわれ上谷に修行者を導く』
『わが言葉夢にも忘るることなかれ確固不抜の神の御教』
『いざさらばわれは高天に帰るべし審神者たるもの心ゆるすな』
『正神と邪神の区別をあきらめて三千年の経綸に仕へよ』
『百千度まことを説けど目に見せど改心せざる悪霊いまはし』
『大本のかげにひそみて曲神は神代の来るまで妨げなさん』
『これからの出口上田の身辺をかたく守りて道開かせん』
『猿田彦の言葉にあらず紫微宮の皇大神の御教とさとれ』
猿田彦の神の教をかしこみて修行者の上にこころ配りぬ
修行者はのこらず神人感合の境に入りて三界を透視す
魂のくもれる修行者二三人神徳うけず力をおとせり
十八才の四方春蔵は神がかり予言をすれば百発百中
この四方心おごれば曲津神おそひ来りて野望を企らむ
足立四方竹村村上邪神界に身魂ひかれて神にさからふ
この四人悪魔の器となりはてて善の仮面をかぶり邪魔する
次つぎに悪霊現はれ勇佑を邪魔もの扱ひしだした春蔵
竹村は最愛の妻を追ひいだし綾の高天を占領せんとす
正信と土田は神の道につきまたもや激論はじめあらそふ
春蔵は四方藤太郎と房之助を手先につかひわが道妨ぐ
愛善の光てらしてすくはむとわれは日夜に心くだけり
金光教守護する諸霊あらはれて金明会を破らむとする
   留守
穴太より老母急病の電により倉皇われは帰郷なしたり
わが留守を幸ひ邪神は狂ひたち足立等排斥運動始むる
曲神は結束かたく綾部へは上田寄せぬといきまきてゐし
審神者無き幽斎場はことごとく邪神のために荒されにけり
竹村は時到れりと勇み立ちカラカラカラと笑ひつづくる
泣く笑ふ百の悪霊あらはれて幽斎場の神聖をけがす
筆先に北清事変日露戦世界戦争の大予言あり
体内に副守こもりてこの予言聞きおぼえしか同じこと言ふ
上になり下になるぞと言ひながら裸ででんぐりかへる福島
世界中枡かけひくと春蔵が神がかりして米はかりをり
上『筆先の枡かけひきは米麦をはかるにあらず世を均すなり』
そんなこと知つてゐますと神がかりたとへに見せたと逆捻を言ふ
世の中に神のあること人人に知らす幽斎修行なりけり
村肝の心に塵のあるものは直ちに霊の感ずるものなり
身体を動揺さするは邪神なり大法螺吹くも亦邪神なり
神聖の神は直接内流のひかりによりてしめさせ給ふ
神感法は直接内流自感法は間接内流他感はおほかた邪神なりけり
村上に牛の霊魂うつり来てときどきうなり大飯を食ふ
ウンウンと唸るは牛の霊魂の腹に入りたるしるしなりけり
大神のかかりたまへば声もなく容姿端麗荘厳いやます
神界は相応の理に生きてありくさき身体に正神感ぜず
身体衣服不潔なりせば曲神は集ひ来りて宿とするなり
牛の霊かかれば朝寝昼寝して肉体大飯くらひなまける
牛の霊かかりし日より村上は大飯くらひ唸りつづくる
村上は尊き神のかかれると自信してをり気の毒に思ふ
忠告をすれば怒りて村上はここに居らぬと飛び出して行く
気に入らぬ人にしあへば唸り出す困つたものは牛の霊感
悪霊は光を嫌ひわが前をいみきらひつつ悪しざまに言ふ
修行者の中に西村まさ子あり彼は田舎の白痴なりけり
幽斎の修行をなせばたちまちに白痴はなほり常人となる
この女耳より粟つぶ鼻に小豆秀処より麦種などを出したり
素盞嗚の神のころせし大気津姫の功を吾は目のあたり見し
神典の尊き真理をさとりけり人の体より五穀生ふる見て
   ○余白に
秋さればまたもや尾上に風あれて四方にくだくる千切黒雲
今しばし風はなげれど秋近み深山の木木を倒さむとぞする
七夕のみ祭すみて間もあらず二百十日の風あるるなり
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