文献名1浪の音
文献名2よみ(新仮名遣い)
文献名3鳥羽の難よみ(新仮名遣い)
著者出口王仁三郎
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データ最終更新日2024-10-31 06:24:00
ページ442
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本文
伏見なる信者山本にすすめられ邪教征伐と鳥羽に向へり
京都人の一行ひきつれ鳥羽の里青芝つゆの支部をおとなふ
青芝は敬神教会鳥羽支部の受持教師と名乗る婆婆なり
山子婆
青芝はわが顔つくづく眺めつつ大蛇のたたりで若死するといふ
倉にすむ大蛇のたたりと青芝はわれにくどくど語りきかせり
わが家は貧乏なれば倉なしと答へば神に背くとて怒る
この問答きくより御牧はのり出して山子婆婆よと声高にそしる
暴漢暴言
教会に朝夕仕ふる世話がかりごろつき来ると村中ふれゆく
折もあれ十月十日の秋祭あつまる酔ひどれ五六百人
屋外にひしめく人の声高く殺せのばせと呶鳴りゐるなり
急電によりて敬神教会の正田会長はせ来りけり
この男坊主あがりの神道家そのいふ言葉きくにしのびず
わが守る教会あらす曲者と威たけ高なる正田の暴言
群集の雄猛ぶ声におどろきて御牧ら一行正田にしたがふ
御牧等は口をきはめて大本の教の道をののしりにけり
小松林の悪神どもにだまされてむか腹たつと御牧が愚痴る
咆哮怒号
群集は正田と吾を間違へて棍棒うちふりめつたうちに打つ
御牧等も正田の子分とあやまられ手足をうたれ歯をぬかれたり
咆哮怒号矢叫びの声かしましく右往左往に群集雄猛ぶ
一人の警官来りて教会よりわれを駐在所までつれゆく
駐在所に守られあれば群集は押し寄せ来り玻璃戸を破る
駐在所の急報により伏見署の平服巡査あまた来れり
四五人の警官隊におくられてやうやく伏見の支部に帰れり
伏見支部に帰りてみれば各地より吾に関する電報来れり
異状の神示
神前の花筒倒れ水壺はわれて異状の神示ありとふ
ただごとにあらずと京都の信徒らわれ迎へんと伏見に来る
大本の水壺うなりをたてて割れ神前ばちばち異状の徴あり
足乳根の母は綾部にありながら夢の如くに見給ひて居り
母そはの母は吾身を案じつつ水無月神社に無事を祈れり
水無月の宮に詣でてははそはの母の心は安らぎしといふ