文献名1出口王仁三郎全集 第1巻 皇道編
文献名2第1篇 皇道大意よみ(新仮名遣い)
文献名3第4章 道よみ(新仮名遣い)
著者出口王仁三郎
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データ凡例
データ最終更新日2021-06-29 14:19:39
ページ32
目次メモ
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本文
本田親徳、副島種臣両氏が道に就ての問答あり。今参考のため左に抄録す。
問者は副島伯にして、答者は本田翁なり。
問 天地人道を同うする乎。
答 道を同うして天道と曰ひ、地道と曰ひ、人道と曰ふものは、各自形体の大小軽重あるのみ、故に命名同じからざるなり。
問 道は四魂を以て、之を制し得べき乎。
答 道なるものは、勇動かす能はず、智測る能はず、愛奪ふ能はず、親掠むる能はず。
問 何をか大道と謂ふ乎。
答 四魂合同し、而して之を統ぶるを大道と曰ふ。
問 人間の交際、一魂を以て之に対する乎、四魂を以て之に対する乎。
答 君に対するに臣道を以てし、父に対するに子道を以てす。其の他準じて知るべし。四魂の如きは、時と地と位とにより、機に望み変に応じ、一談話を発するの間、一音一句の際、又互に没して究極すべからず。故に道と曰ふなり。退いて反省し、宜しく此の一語は愛、彼の一語は親、此の一語は智、彼の一語は勇なるを察すべし。而して後、其の中道と不中道と、弁明し得べし。是を反省の道と謂ふなり。
問 何を以て道を証する乎。
答 凡そ道を証するは、過去、現在、未来互に相証するを要す。道を証するには、道を以て道を証するなり。
問 道とは何ぞ。
答 道なるものは、単一無雑なり。
○
又ヨハネ伝に曰く、
太初に道あり、道は神なり、神は道と共にありき。万物之に由つて造らる、造られたるもの之に由らざるはなし。云々
ミチとは洪大無辺の神徳、宇宙に充ち満つるを謂ふのである。宇宙に充満せる七十五声の言霊即ち道であります。
私は是より進んで、ミチの言霊に就て略述を試みようと思ひます。
ミの言霊活用は潤水也、眼也、回也、大也、広也、円也、多也、女也、男也(水火伝)
形体具足成就也、其性其儘也、体也、身也、肉也、心と等しく成り在る也、御也、満也、三也、真也、物整ひ極る也、道の筒也、玉に成る也、実也、太陰也、其位を顕はし定むる也、押し引き定まる也、産霊の形を顕す也、屈伸自在也、⦿を明かに見る也、天の田也、若返る也、延び極まる也、道の宿也、心の形を示す義也等の言霊活用があるのである(大日本言霊学)
チの言霊活用は、胎内の火也、地中の火也、草也、劔也、風也、父の霊也、息の本也、五穀也、鳥の霊也、隔て限る也、年月日時の霊也(水火伝)
内に強く満足の言霊也、心の及ぶ限り也、真に勢有る也、天球中の物事無不与也、父の徳也、無不保也、溢れ究る也、正しく周旋循環也、大造化の血也、並び備はる也、塩也、八百重の八百会也、子孫は悉く我血也、親の位を保ち居る也、親其儘也、体中の事無不与也、能く造化に伴ふ也、数の腺を保つ也、満涸有る也、乳也、外に散り乱るゝ義也、老れば縮み究むる也、千々也。(大日本言霊学)
言霊の一節々々に就ては、活用的説明は、言霊学研究に譲り、今は、国民の教養に由りて皇道の大道を示さむと思ふのであります。
御製
君と臣の道明けき日の本の
国はうごかじよろづ代までも
君には君たるの大道あり、臣には臣たるの大道がある。君道も臣道も相侯つて寸毫も離れざるは皇道の皇道たる所以である。天壌無窮の皇道、国運万世不動不易なる所以は、皇道の権威であります。惶くも我歴代の聖皇は、此の大道を実践躬行遊ばされて、上は祖宗の神霊を敬祭し、下は人民を愛撫し給ふに由りて、国民は常に其の大慈徳に悦服し、大君に精忠を捧ぐる所以である。故に皇道大本の吾々が、朝な夕な斯道を宣明し自修他奨、以て同胞を覚醒せしむるは国民の本分にして聖旨に奉答する所以である。
御製
今の世に思ひくらべていそのかみ
ふりにし書をよむぞたのしき
進みたる世に生れたるうなひにも
むかしのことをまづ教へなむ
世には学ぶべき道、修むべき学、習ふぺきの教固より甚だ多く、国として行ふべき事、民として務むべき業固より尠くはない。然るに現代の世態としては、至貴至尊なる皇道を天下に宣明し、且つ奉行するより急務なるはない。皇道は実に万学の基礎万教の本源である。国家之に依つて益々隆盛に進み、国民之に依つて教養すベきものであります。政治にまれ、教育にまれ、宗教にまれ、哲学にまれ、経済にまれ、全然行詰つた今日の時代に於て、何を以て之を救済する事が出来るでありませう乎。政治家益々多くして天下混乱し、教育弥々隆にして不徳の臣民多く発生し、宗教弥々発達して迷信の暗雲天下を蔽ひ、法律の発布弥々多くして罪人倍々多く、哲学益々盛にして懐疑の雲いよいよ深く、経済学盛んに唱道せられて財界の不安日に月に加はり、医術衛生の学益々盛にして難病いよいよ多きは、現代各国の惨状ではありませんか。 畏くも明治天皇の御製に、
よろづ民すくはむ道も近きより
おして遠きに行くよしもがな
伝へ来て国の宝となりにけり
ひじりの御代のみことのりぶみ
一家には家人の守るべき道があると同時に、国家には国家の教があり、国民には国民の守るべき道がある。況や皇国には、天地開闢の太初より皇祖皇宗の御遺訓なる皇道が厳立せられてあります。歴代の聖皇之を遵守し玉ひ、吾人の祖先亦謹んで之を奉行して来たのである。故に明治天皇は教育の大勅語を宣布し給ひ、『爾臣民ト倶ニ拳々服膺シテ、威其徳ヲ一ニセムコトヲ庶幾フ』と詔らせ給うたのであります。
教祖の御神諭に、『此大本は、世界の事の鏡の如くに写る大本であるから、遠国を見ないでも心を落着けて、大本の中の日々の出来事を調べて居りたら、世界の事が一目に見える、尊い地の高天原であるぞよ』と現はされてあります。今日大本が天下の新聞雑誌により、将又人の口によりて、無暗矢鱈に攻撃され妨害されるのも、皆神界よりの実地の御教示であつて、日本の移民が世界の到る所で排斥されたり、各国轡を並べて排日の声を高め、且其運動に熱中して居る実情が、鏡の大本ヘうつりつゝあるのであります。神は未来を達観し、聖人は将に来らんとする世の変動を前知し、凡人は現在の出来事を見ると申しますから、幽玄微妙なる神界の御経綸が、凡人に真解さるべき筈がありませんから、大本が天下の凡人から誤解されるのは、寧ろ当然の結果であります。丁度世界を至治泰平に救ひ助けて、天国浄土を招来せしむる天職を、天賦的に具有し実行せんとしつゝある日本国を、各国民が誤解して、盛んに排日などを行つて居るが、彼等は近き将来に於て日本国の至誠と神力と皇徳とに随喜の涙を流して、日本国を心の底より讃仰するやうになるのを知らないと同じことであります。
教祖の神諭にも『此大本は一旦世界から悪く言はれるなれど、何も心配は致して下さるなよ。皆神の仕組であるから先になりたら何とした結構な御道であつたぢやらう、何とした有難い神様であつたぢやらうと申して、上に立つて居る番頭から下の人民が、我も私もと申して、綾部に詰めかけて、助けて下されと申して、日本は申すに及ばず、世界中から出て参るぞよ』と御示しになつてあるのである。深遠なる大神の御経綸は、人心小智の到底窺知し得べからざるものであると云ふ事を、考へねばならぬのであります。
皇道の大意を略述するに当り、大本開祖の神諭の一節を言霊学を以て奉解し皇道と大本神諭の一致点を証明する事にしました。
神諭
大日本神皇国国華発揚万世一系の神言実 大日本神皇国日継天皇御天職発揮経綸の日月と顕現て、宇宙万有一切の大革正大修斎を遂行すぞよ。日本の国は、天地未剖陰陽未分際から、天照大御神神裔天津日嗣天皇万世一系之皇統与天譲無窮之皇運袁保全而鎮座在世留給。世界統御之天権袁天賦的具備志給布租国であるのに、今の日本の臣民は、官民上下貧富之無差別全然舶来的西洋之野蛮文明国の経綸策に、心酔累惑て了うて、目下の神国の矛盾昏迷紛乱無道之状態、これでも未だ長夜之妖夢不覚醒とは無惨事ではないか、天運循環之神律仁因而皇祖天神之威霊神徳顕彰在而。天皇の皇運隆々発展爲給而地球上一切之生霊之滲苦袁救済志得万民皷腹撃壊之享楽、治国平天下之皇猷袁恢弘志給布ぞよ。
大日本神皇国神裔之神子等よ。大々的天賦的国家之天職与国民天賦之使命袁本覚内省而、謹惶皇道維新之皇運袁扶翼志奉礼よ。(以下省略)