文献名1出口王仁三郎全集 第1巻 皇道編
文献名2第4篇 日本精神の真髄よみ(新仮名遣い)
文献名3第6章 大礼の意義よみ(新仮名遣い)
著者出口王仁三郎
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御大礼と申すは、天皇御一代に唯一度執り行はせられる即位の礼及大嘗祭を併せ称へられるもので、畏くも皇室に於ける最高の御儀式たると同時に、又国民国家にとって最も重大な盛典なのである。
即位の礼とは、天皇践祚して、天祖天照大神より御歴代皇位の御守護で、又其唯一の御表徴たる璽鏡剣の神器を承けさせられ、所謂天津日嗣の高御座たる万世一系にして絶対至上なる皇位を継承し、大日本帝国を統治し玉ふべき国家主権の本位に即かせ玉ふた由を、践祚の後、日を定め儀を整へ、改めて皇祖皇宗の神霊に御親告あらせらるると共に、皇室の大御宝なる一般臣民に普く御宣告遊ばさるるの大典である。
大嘗祭とは、天皇位に即かせられたる後、京都を中心として全国東西の地方を代表した悠紀、主基両斎国より奉献の新穀を以て、初めて親しく天祖天照大神を始め奉り、八百万の天神地祇を請饗し玉ひ、尚天皇自身も之を聞召され、臣下にも賜るの大祀である。
世界に国も沢山あるが、我大日本帝国程、皇室と臣民との関係の心から親密な国はあるまい。古は国家と書いてミカドと訓ませて居った程で、天皇即ち国家である。爾来上下三千載の久しき、金甌無欠万世一系の皇統と云ふ世界に比類なく今日の如く国運の隆昌を来したのは、全く、一は聖明なる御歴代の稜威と、他は国民の祖先以来不断の努力とに依ったものである。この君臣間の歴史的連鎖を、強固に結合させて居るのは、系統を重んずること祖先を崇敬することで、臣民は君主に対して外的に畏れ恐れると云ふ外、内的には一種の親愛の情が深く潜んで居るからである。こんな美風の中心は、勿論わが皇室であるが、即位礼は、天皇は天津日嗣を継がせ玉ふた事を天下の臣民に示し玉はん為めに行はせらるる大典で、遍く一般臣民を対照とし玉ふのである。
一方大嘗祭は、天皇が天祖を始め奉り天神地祇に新穀を供し給ひ、天皇親しくそれを聞召すと共に引き続きて、臣民の代表者たる百官群臣にも大饗を賜はる儀式であるから、これを皇室から、申さば万世一系の皇統が、皇位の御継承によりていや繁りに繁りいや栄へに栄へる御門出とも申し上ぐべきいとも目出度御慶事であらせらるると共に、この御一代一度の大典を行はせらるる機会を以て、皇室の御祖先を始め奉り一般祖先を御崇敬遊ばされ、又一般臣民と共に楽しみ玉ふの大御心を御表示遊ばさるるのである。何は兎もあれ、今回の大礼は皇室の御慶事たるは勿論、国家的大礼否世界的の意義を有する大典なのである。
(大正四、一一、五 敷島新報第十七号)