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文献名1出口王仁三郎全集 第5巻 言霊解・其他
文献名2【随筆・其他】よみ(新仮名遣い)
文献名3随筆(一二)よみ(新仮名遣い)
著者
概要
備考
タグ データ凡例未だ全てはテキスト化していない。 データ最終更新日2021-04-20 03:50:16
ページ370 目次メモ
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本文
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 平田篤胤曽て午頭天王暦神弁を著はして曰く、世に午頭天王と申すのは建速須佐之男命に坐しまし、暦法家に、所謂天道神も須佐之男命、歳徳神は稲田姫命、八将神はこの二神の御子に坐すなど言へども、皆家相方位家の人惑しにして、片腹痛きことなりと謂へるは、尤もなる所説と言ふべし。午頭天王とは言霊学上、午頭天王と成るのである。世俗謬り伝へて、午頭天王を素盞嗚尊と為すは、大神に対し奉りて、実に不敬の甚だしきものである。
 古伝に曰く、午頭天王、竜王の娘頗梨采女を妻とし、以て八王子を得たり。其一は総光天王大歳神、二は魔王天王大将軍、三は倶摩羅天王大陰神、四は得達神天王歳刑神、五は良侍天王歳破神、六は侍神相天王歳殺神、七は宅神相天王黄幡神、八は蛇毒気神豹尾神、以上は八将軍(八尾八頭)也。其眷属八万四千六百五十四神あり。午頭天王、后妃及び八王子諸眷属を率ゐて、広遠国(日本国)に到り彼の鬼館に入り、諸の眷属と共に乱入して巨旦を滅ぼすとあるは、大日本国の国祖、艮の大金神を征伐した事の意義である。天地開闢の太初より、八頭八尾と、邪鬼と、金毛九尾の悪神が現はれ、天下を魔の世界に為むとして、天の大神ヘ種々の奏問をなし、終には根の国へ神退ひに退ひ、猶飽き足らずして、艮の鬼門大神の神館に乱入して、巨旦大王(艮の金神)の屍を切断し、各五節に配当し、神事、仏事共に、艮の金神調伏の儀式を行ひ、広遠国をソミコンに預けておいて、誓つて曰ふ。「我末代に疫病を流行する神と成らむ。併しソミコン(抹損の眷属)の子孫と云はば、妨害すべからず」と。『我が在る』の味方のみを助け、他の種族は之を疫病にて滅ぼすと云ふ虫の良い誓言である。また彼は末代の衆生が寒熱の二病を受くるは、則ち午頭天王の眷属の行為であるから、若し此の病を退けむと欲せば、則ち外に五節の祭礼を違へず、内に二六の秘文を収めて、須らく敬信せよと言つて、天下の衆生を一々『我が在る』の奸策に曳き入れ来つたのである。(二六の秘文とは、ソミコン子孫と唱へることである)
 今日までに神事仏事に五節の祭礼を執行して居たのは、甘々午頭天王の悪神に誑惑されて居つて、気が付かなかつたのである。五節の祭礼の一なる正月元旦の赤白の鏡餅は、巨旦(艮の金神)が骨肉なり。三月三日の蓬來の草餅は巨旦が皮膚なり。五月五日の菖蒲の結粽は巨旦が鬢髪なり。七月七日の小麦の素麺は巨旦が継なり。九月九日の黄菊の酒水は巨旦が血液なり。又鞠は巨旦の頭なり。弓の的は巨旦の眼なり。門松は巨旦の墓標なりと唱へしめ、咸是れ艮の金神調伏の儀式として、今日まで神仏の儀式に用ゐて来たのであるから、天下に真の神の守護が絶無となり、悪魔の横行濶歩したのも無理はないのである。然るに有難き事には天運ここに循り来つて、艮の金神大国常立尊が、地の高天原に、変性男子の御魂に依りて顕現せられ、天下の悪鬼邪神を言向和し給ふ神代が到来したのであるから、今迄の五節の祭礼も、自然に改めなければならぬ事になつて来たのであります。
 付言。 午頭天王を素盞嗚尊なりと唱へ出したのは、吉備公が唐より帰朝の際従ひ来りし、金毛九尾、白面の悪狐に何時の間にか吾が精霊を魅せられて、途方も無き説を暦法に加ヘられたのが、日本人のマツソンの霊魂に誑惑された初めである。
 午頭天王邪鬼神の奸計甘々と成功し、弥節分の夜を期して、巨旦大王、即ち艮の金神大国常立尊は、隠身となり給ふさへ気の毒に堪へざる次第なるに、午頭天王の暴悪無道なる巨旦の霊魂を根本的に滅亡せしめむとし、節分の儀式にも亦調伏の行事を敢てせり。乃ち巨旦大王の眼を潰さむが為に、鬼の眼突きと称して柊の針の鋭きを戸壁に刺しかざさしめ、巨旦の頭を梟すベく鰯の頭を串刺しと為して門戸に挿し、加之煎豆を人家の内外に撒きて鬼の眼潰しと称し、鬼は外、福は内へと、年男に謳はせ、煎豆に花が咲くまでは日本の国には入るべらずと言うて、日本の人民が知らず識らずに、地の先祖の大神を、悪魔邪神呼ばはりをして来たのである。思ヘば思ヘば実に勿体なき次第であつた。然し知らぬ神に崇り無し、大神の広き厚き大御心にて、今日までは見直し聞き直し詔り直して赦して下さつたのであれども、最早時節到来して、艮の大金神の御教示を聞かして頂いた以上は、今までの不調法を全部御詫びして、一切万事を五六七の神政の行り方に改復しなければ成らぬのである。それで皇道大本の節分祭は、国祖大神御大難の記念日を追懐して、従来の知らず識らずの御無礼と御気障りの御詫びを申し上ぐると同時に、過去一年間の御礼と、来る一年間の神様の御守護を願ひ、天津罪、国津罪、許々多久の罪穢を速川の瀬に流し捨つる大神事である。また第一に君が代の栄えを祈り、国土を清め奉る大神事であります。
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      (大正九・二・一号 神霊界誌)
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