文献名1出口王仁三郎全集 第5巻 言霊解・其他
文献名2【随筆・其他】瑞言祥語よみ(新仮名遣い)
文献名3筆弄よみ(新仮名遣い)
著者出口王仁三郎
概要
備考2023/09/28校正
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データ最終更新日2023-09-28 01:53:17
ページ554
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本文
一、人間の精霊は真と愛との意志と理性とに生きて永遠の生命を保ち、肉体は衣食住に生命を保持し発育を途げ、一定の期間を経て又枯死す。人はパン而己にて活くるものに非ずとの聖キリストの言宜なるかなである。
二、曰く労働運動、曰く水平運動、曰く無産者同盟、曰く農民運動、曰く共産党組織運動、曰く何、曰く何と数へ来れば、際限も無き運動の流行することかな。併し何れの運動も、要はパンの種にせむ為の或一種の煽動者の商売のみ。
三、余は今日までに思想家、宗教改革運動の先覚者、社会運動の牛耳を採れりと称する人、又は哲学者、宗教家、医学士、観相家、其他種々の事業に奔走せる人士に会つて其抱負を聴聞した。其時の余の感想は、実に現代に一人として真の思想家なきを歎息せずには居られなかつた。仮令少しは思想家らしき人物があつても、口と筆との人で実行の伴はない連中ばかりだから、国家の前途に就て大に歎かざるを得ないのである。
四、骸骨政治、出直し政治、骨董品陳列政府には国民は余程飽いて来た様だが、それだと言つて新進政治家も現はれさうにも無い。自称政治家が幾何あらはれたつて実行力のないハイカラでは猶更駄目だらう。普選案が曲りなりにも通過したと云つて、民衆は大変によろこんで居る様だが、普選政治に対する完全な周到な、準備が出来て居るだらうか。今日の現状では実に心細い次第である。
南無普選菩薩生死如来帰命頂礼々々。
五、半可通的論者は、日本の神道は多神教だからつまらない野蛮教だと云つて居るが、斯かる連中は我国の神典を了解せないからの誤りである、独一真神にして天之御中主大神と称へ奉り、其他の神名は何れも天使や古代の英雄に神名を附されたまでである事を知らないからである。真神は宇宙一切の全体であり、八百万の神々は個体である。全体は個体と合致し、個体は全体と合致するものだ。故にドコまでも吾神道は一神教であるのだ。
六、如何なる美味美食も喉元三寸通過すれば粗食も同様だ、何程美人だと云つても一皮むいて見れば醜婦も同様だと悟つたやうな事を言つて見ても、やつぱり美味美食は好もしい。美人はやつぱり気持が良い。アハハハハ。
(大正十四年四月号 神の国誌)