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文献名1出口王仁三郎全集 第7巻 歌集
文献名2巻下よみ(新仮名遣い)
文献名3言華よみ(新仮名遣い)
著者出口王仁三郎
概要
備考
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ページ645 目次メモ
OBC B121807c18
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本文 ひさかたの天津御神のみこころにかなふは真の天爵なりけり
常識は神のまことの道挙び得たる智慧より何ものもなし
憂愁にしづむ心を押しひらき歓喜の苑に遊ぶまめ人
かむながら神に任せば先見の明智自ら具はるものなり
千早ぶる神より出でし智慧なれば闇路行くとも過まつことなし
月も日も清くさやけく照れる世に迷ふは慾の雲あればなり
願ぎごとの一つ叶へば又一つねぎごとの湧く浮世なりけり

      (以上七首 昭和四年七月)

     ○

偉大なる人は第一自信力信仰力の強きものなる
釈迦如来八萬四千の経巻も煎じつむれば断念の二字
仏教は恰も百合根のごとくなりむけばむく程何もなくなる
いにしへの祖先の罪が報うとは訳のわからぬ宗教なるかな
世の中の人はのこらず吾が友の友とし知りて清く交はれ
いたづきに悩むは遊惰の税金と悟りて日日の業務を励めよ
過失はみな怠慢の罪ぞかし手足をまめに道につかへむ
公の為めに争ふひとびとは神の御眼より罪とはならじ
大本の神の大道にあるものは先づ敵人を言向け和はせよ
愚なる子に財産を遺すより道に捧ぐる人はかしこき
むらぎもの心は動きやすければ神の御綱によりて繋げよ
益良夫は神国の宝女子は家のたからぞなほざりにすな
変りゆく時代の潮に逆らふは身をほろぼすの基とぞなる
逆境に立つ身は大なる順境に向へるものと直に進めよ

      (以上十四首 昭和四年八月)

     ○

一切のことに疑問をいだくうちは未だ小人の境を脱せず
私慾なき人は天地の幸福を独占すベき特権をもつ
身を修め心の中を治めずば支離滅裂の難をまねかむ
大いなる不平の人は大いなる理想の人ぞ神にある人
にこにこと笑顔つくりてうまきこと言つて出て来る日日の曲神
ひさかたの天津御神は自らを助くる人に幸をたまはむ

      (以上六首 昭和四年九月)

     ○

歌も句もただ読み易く記すこそ風雅の道のこころなりけり
秋の夜の御空に澄める望月のまろき心をもたま欲しけれ
現身の人の心の果敢なさは事あるときに周章てふためく
右左曲のうかがふ神国を遠久にまもらへ日本大丈夫
吾が御魂光り薄しとあきらめて研かずあれば遂に朽ちなむ
人の上裁くを知りて吾が身をば省みせざる人の多かり

      (以上六首 昭和四年十月)

     ○

苦も楽も心の決定一つにて自由自在になる世なりけり
金あれば萬事解決つくものと思ふは邪人の迷ひなりけり
世の中の凡ての人は吾がために最とも厳なる監督者なり
愚なる人は目前の小慾に生死を賭して争ふものなり
人びとは己が思想にみちびかれ各自に居所を異にするなり

      (以上五首 昭和四年十一月)

     ○

ものごとに煩悶苦悩するものは世に捨てられし小人なりけり
純真な想像力は語を換へて言ヘばすなはち通暁力なり
ものごとに失望落胆する人は成功急性病者なりけり

      (以上三首 昭和四年十二月)

     ○

人のものほしがる奴は吾が宝すでに落せし明盲目なり
吾といふ心を天地に拡大し神の御国の為めにはたらけ
悪人もまことを持ちて交はれば天性自然の善人なりけり
悪人とおもへば親しくまじはりてことむけ和せ誠心に
司にはさばかれずとも罪あらば心の鬼はすぐさばくなり
かぎりある盗人よりも肝腎の吾が魂を盗まれなゆめ
皇神の一人の御子を人といふ外はのこらず人間と知れ

      (以上七首 昭和五年一月)

     ○

身労は身健となり心労は心健を得るもとゐなりけり
山海の百の馳走をなすよりも真心一つを客はよろこぶ

      (以上二首 昭和五年二月)

     ○

意志疏通すれば一切為替にて極く簡単にことは足るべし

      (昭和五年三月)

     ○

世に立ちて世を救はむと思ふ身に足らはぬものは黄金なりけり
己が身を省みずして世のためにつくす人こそ国の美宝
形ある宝乏しき身ながらも楽しくすぎぬ道をふみつつ
見る度にかしこさまさる神書は神の御国の宝なりけり

      (以上四首 昭和五年四月)

     ○

たくはへて世人の為めに用ひざる黄金は瓦石と何か選ばむ
天地の中にありとしあるものは神の与へし宝なりけり
真心を持ちてつとむる身にしあれば求めずとても寳集はむ

      (以上三首 昭和五年五月)

     ○

あめ地に神なきものとほこりつつまさかのときに手を合す曲
くにの為め世人の為めと言ひながら世の大方は身のためにする
古今東西聖者の説をとりまとめ活かすはみろくの働きなりけり
世の中の総てのものは弥勒神出世のための経綸なりけり

      (以上四首 昭和五年六月)

     ○

濁りたる世を如何にして清めむと朝な夕なに祈る大前
キリストや釈迦や孔子に擬せられて吾はひそかに爪をかむなり
霊力体三つの働きそろはねばまことの神の道はひらけず
言あげもなさずに世をば教へゆく人ぞ誠の聖なりけり
わがあらむかぎりは神国安からむ醜の軍のおそひ来るとも

      (以上五首 昭和五年七月)

     ○

世の中のあらゆるすべての出来事は皆天地の神の御心
皇神の神言かしこみ高麗の野に駒に鞭うち吾はすすみし
百千萬の神を集めて一ノ瀬に神はかります神代ぞ待たるる
八百萬千萬の神ことごとく綾の高天に集ふ御代なり

      (以上四首 昭和五年八月)

     ○

霊肉の分離したのを死と言へどその本体は生き通しなる
経済の根本革正なさざればわが神国は浮ぶときなし

      (以上二首 昭和五年九月)

     ○

人の世のあらゆる艱苦をなめつくしはじめて悟る神の大道
大地球呼吸なせりと今頃に西洋の学者がさとり初めたり
いと小さき人間なれど魂は全大宇宙に感応するなり
大宇宙己が所有と為すときは心にさやるなにものもなし
釈迦の法とくの昔に滅尽し無霊無仏の伽藍のこれり
宗教家宗教知らず政治家の政治を知らぬ世こそうたてき
豊作で米が安いと愚痴こぼす我が国人の罰あたりかな

      (以上七首 昭和五年十月)

     ○

貴賤貧富賢愚位置によりおのおの平等ある世なりけり
無差別なマルクス主義の平等は皇国の基礎をくつがへすなり
富をつむは罪悪なりと心得るまめ人たまにあるぞゆゆしき
恒産がなければ恒心なしといふ言葉は千古不磨の御教
世の中に悪しき日とてはなきものを心の迷ひは凶日をつくる

      (以上五首 昭和五年十一月)

     ○

何事も尖端をゆく現代に後端をゆく既成宗教

      (昭和六年一月)

     ○

敷島の歌にこころをなぐさめて曲の劒のなかくぐりけり
そしられて道ふさがれてただ一人教御祖の道あゆみけり
衣食住のほかに一つも世を知らぬ盲目ばかりの多き世の中

      (以上三首 昭和六年二月)

     ○

千早振る神の心にかなひつつ老いず死らず生きむとぞ思ふ
目に見えぬこそ神神は尊けれ曇れるものは人の目につく
自らさとり得らるる天地をわすれ苦しむ学問のために
百千千に乱れからみし人ごころそろへて救ふ一すぢの道
善き事にあしきことあり曲ごとに善き事まじる現世の道

      (以上五首 昭和六年三月)

     ○

有りがたしかたじけなしと朝夕におもひ暮せば曲事のなし
あからさまに思ふことみな云ひ終へて心清しも青空の月
片時も神をわすれぬこころこそ天国にいたる栞なりけり
大空の高く広きを百鳥の飛ぶにまかせるこころもたばや

      (以上四首 昭和六年四月)

     ○

かぎりなきこの天地を狭くする人の心のあはれなるかな
ひさかたの御空は高し海深しひろき心を持ちて住まばや
敷島の大和男の子の詠む歌はなべて雄雄しきものなるべきを
慰めにあらず遊びにあらずして神にかなへる敷島の道

      (以上四首 昭和六年五月)

     ○

石の上古き神代のみをしへをいと新しくさとす大本

      (昭和六年六月)

     ○

進み行く月日の駒に神ならひわれは進展主義をとるなり
宗教は牧師僧侶をふりすてて人のこころの奥ぞこにすむ
会計と経済学とを混同し不景気風になやむ政治家
宗教は数多あれどもおしなベて営利会社の変名なりけり

      (以上四首 昭和六年七月)

     ○

精霊は人の本体肉体はその精霊のころもなりけり
逝く年を心にかくることなかれ不老不死なる魂と生れて
屑糸をあつめて綾の機を織る世の大本のかみの経綸
一刻もやすみたまはぬ天地の神にならひてわれはいそしむ
生き生きつめぐりめぐりて天地は束の間さへも止まらぬ道
たまちはふ神の心は垂乳根の親の心と一つなりけり

      (以上六首 昭和六年八月)

     ○

雛壇に虫食ひ人形置きならべ酔うて狂へる世こそかなしき
衣食住これより外に望みなき獣のはばる世こそさびしき
日の本の国の名のみは残れども外国人やけもののみ住む

      (以上三首 昭和六年九月)

     ○

上下をそろへて錦の機を織る七夕姫の天降る鶴山
経緯の十字の宮をつきかため月日を斎きまつる鶴山
霊ぬけの既成宗教はうむりて南無阿弥陀仏の墓標たてばや
一輪の花さへ天地の神神の力しなくば薫らざるべし

      (以上四首 昭和六年十月)

     ○

地の上の平和を来たし経済界の調和をさとす大本の道

      (昭和六年十一月)
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