文献名1出口王仁三郎全集 第8巻 わが半生の記
文献名2【上巻】故郷の弐拾八年よみ(新仮名遣い)
文献名3麦飯よみ(新仮名遣い)
著者出口王仁三郎
概要
備考『故山の夢』p116-119
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データ最終更新日2023-10-31 08:18:08
ページ64
目次メモ
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本文
─二十二三歳の頃─
朝まだき霜の刃をふみしめて山野にはたらく農家の生活
夜から夜へ働き通せど麦飯もやすやす喰へぬ百姓なりけり
人情の紙より薄き世のなかに住む身は命の糧にくるしむ
炎天の田にはたらきし汗の実の一つものこらぬ小百姓の冬
欲望に限りも知らぬ地主等の頤使に任せる小百姓なりけり
何時までも算盤とれぬ小作百姓やめたく思へど術なき農村
不愉快な悩み抱きてわかき日を貧乏神に追ひたてられつつ
このままに老い朽ちてゆく身なるかと悲憤の涙しぼりし若き日
身辺をねらふ無情の風よりもおそろしかりし望みなき生活
何時の日か世にたたむとは思へども丹波の農家は頭あがらず
身辺をときじくねらふ死の神より恐ろしかりしは貧乏神なりき
朝露の消ゆるがごとき人の身の命支ふる生活のくるしみ
犬猫におとりしごとき貧乏の生活する身は牛に似たりき
黙黙と朝から夜まではたらきて麦飯に腹ふくらせにけり
すこしばかり財産のある人びとは横柄面してわれを見くだす