文献名1出口王仁三郎全集 第8巻 わが半生の記
文献名2【上巻】故郷の弐拾八年よみ(新仮名遣い)
文献名3解剖よみ(新仮名遣い)
著者出口王仁三郎
概要
備考『故山の夢』p155-158
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データ最終更新日2023-11-01 06:53:37
ページ87
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本文
─二十三四歳の頃─
飼犬が発病なしてびつこひき百日余にして斃死なしたり
井上は気管支炎と診断しわれは心臓糸状虫と断ず
南陽寺の飼犬なれば境内の墓地に住職あつくはうむる
斃れたる犬の病状さぐらむと闇夜墓地にしのびてぞ行く
テーランをとぼして犬の墓を掘り解剖服にてメスふり回す
第一に心臓部目がけて解剖刀ぐさりとさせば髪の毛よだつ
心臓を解剖すれば糸状虫ウヨウヨとしてわきゐたりけり
獣医術にわれは勝てりと会心の笑みを夜間にもらしたる墓地
テーランに照らされ笑める吾が顔を雛僧便所ゆながめて驚く
心臓をえぐり出して新聞紙に包みふたたび死骸を葬る
○
きりとりし心臓を家に持ちかへり井上獣医の目の前に出す
井上は烈火の如くいきどほりコン畜生とこぶしふりあぐ
診察をあやまりおきし井上がかへつて吾に毒つきにけり
コン畜生木つ葉野郎といひながら棍棒ふり上げなぐりにかかる
一斗の大豆みたせし桶を手に凶暴の棍棒受けとめにけり
うけとめしはづみに桶は顛覆し一斗の豆庭にちらばる
こびれたる豆を獣医と吾と二人つぶやきながら拾ひ集むる