文献名1出口王仁三郎全集 第8巻 わが半生の記
文献名2【上巻】故郷の弐拾八年よみ(新仮名遣い)
文献名3名残よみ(新仮名遣い)
著者出口王仁三郎
概要
備考『故山の夢』p232-235
タグ
データ凡例
データ最終更新日2023-11-05 11:23:12
ページ126
目次メモ
OBC B121808c57
本文のヒット件数全 0 件
本文の文字数384
その他の情報は霊界物語ネットの「インフォメーション」欄を見て下さい
霊界物語ネット
本文
─二十五歳の頃─
懇切な姉の依頼の手紙みていのちの恋を捨てしわれかな
男らしく恋は捨つれどどこやらに名残惜しさの背骨がいたむ
垂乳根の父は吾が子と提げくらべしたりといひて憤慨なし居り
恋人を他人にとらるる弱き男末の見込みがたたぬと父いふ
遠くともみづから行きて結婚を破りて来よと友そそのかす
恋びとをとらるるごとき弱虫は青年会をのぞくと友いふ
○
牛乳の得意が大切一朝もかかせぬわれの身こそつらかり
恋愛と事業と二つくらべあひ吾はいのちの恋を捨てたり
貧しければ恋もかなはぬ世の中と知りて朝夕事業にいそしむ
恋捨てしこころの苦しさひねもすの業ををはりて浄瑠璃学ぶ
夜な夜なに吾妻太夫の許にゆきて浄瑠璃稽古友となしけり
浄瑠璃の恋の文句につまされてわれ時折に忍び音に泣きぬ
黄金の万能力の社会には南瓜も美人をめとりて澄ませる
地位と金とばかりが結婚すなる世は今業平の君ももてなく