文献名1皇道大本の信仰
文献名2よみ(新仮名遣い)
文献名3六 海外に於ける諸団体との提携よみ(新仮名遣い)
著者出口王仁三郎
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データ最終更新日2026-05-06 14:38:25
ページ25
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大正十二年七月、皇道大本は国際補助語エスペラントを採用し、海外に於ける新しい宗教運動や精神運動と提携して活動することになりました。
先づ支那道院と結び、私の入蒙後即ち大正十四年五月、北京悟善社に於て私の提唱により世界宗教連合会の発会式を挙げました。由来宗教家に偏見はつきもので、自己の信ずる宗派に囚はるるの余り他を目して異端邪説と罵り、外道迷信と嘲つて宗祖の真意に背くことになるのであります。それでは宗教本来の目的に反するので、宗教宗派の障壁撤廃と門戸解放を唱導し、天地惟神の大道に直面すべきものたることを信じて、宗教連合の挙を起したのでありますが、この企画に参加したのは除世光氏(前大総院除世唱氏の実弟)を首脳とする道院、江朝宗氏(前陸軍大臣)を社長とする悟善社の救世新教の外、儒教、道教、回々教、仏教、喇嘛教、基督教等でありました。
そして世界宗教連合会が内外蒙古に於て最も信仰的勢力を有する章嘉大活仏をその喇嘛教代表として得たことは有意義なことであります。何故なれば蒙古開発には各地の旗(王)の諒解を得ることの必要であると共に、この大活仏の協賛を最も必須要件とするからであります。
その発会式に於て幾多の異教徒が一堂に介して、和気靄々裡に、宣言書並びに規約を議定し、職員を選み、最後に食卓を共にして胸襟をひらいて大に快談したことは、当時の北京の宗教界に大なるセンセーションを起したのであります。各宗各派の権威者が各自の属する宗規を遵守し、而かも他の信仰を尊重し合うて世界の平和人類の幸福てふ大局に立脚した会合であつたのであります。現在世界宗教連合会の総本部は北平に、東洋本部は京都府亀岡町天恩郷に置かれてあります。
更に私は大正十四年六月、人類愛善会を創立しました。
人類愛善会は単に宗教ばかりでなく、人種、その他あらゆる障壁を超越して、人類は人類愛善の大義に目ざめ、永遠に幸福と歓喜に充てる光明世界を実現するため、最善の努力を尽さうといふ主旨の下に創立されたものであります。これは今日世界的に発展してゐますが、別項人類愛善会に於て詳述されることと思ひますから、ここには述べませぬ。
目下皇道大本と提携又は合同してゐる世界の新宗教(或は新精神)運動と称する信仰団体の中主なるものは左の如くであります。
道院 世界紅卍字会 支那 母院──済南
総院──北平
主院──奉天
救世新教悟善社 支那
白露系団 ロシヤ
全露新神霊協会 ロシヤ
白色旗団 独逸
白色連盟 ブルガリヤ
在理会 満洲
在家裡 満洲
喇嘛教 蒙古
これ等の中最も皇道大本と密接な関係にあるのは、支那の道院世界紅卍字会であります。現に皇道大本本部には道慈課といふ一課が設けられ、(昭和七年二月)、はじめ道院側の幹部である侯延爽氏がその課長に任ぜられ、亀岡に移住してゐましたが、只今では満洲に帰り、同地で専ら活動してゐます。
道院の起源は大正十年立春(二月)であります。
初め山東省の首府済南府から東北約七十里余、黄河の下流渤海湾に近く濱県といふ所の知事呉福林(号幼琴、道名福永)と同地の駐防営課長劉紹基(号綿三或は蓀、道名福縁)の二名が県暑に壇を設けて神仏の降臨を仰ぎ神託を受けつつあつたのでありますが、一日『老祖久しからずして世に降り却を救ひ給ふ、是れ数万年遇ひ難きの機縁なり、汝等壇を設けて之を求めよ』との神示(尚真人の神示)があり、後間もなく、老祖の壇訓が現はるることなり、そして老祖とは宇宙の主神、最高の神霊にして、壇を済南にある劉福縁氏の住宅に移すべきを乩示されたのであります。それで済南道院を母院、北京と天津との道院を総院、奉天道院を主院(東北主院)とし各地の道院を統轄してゐるのであります。
それから間もなく、老祖の神示によつて、大正九年、呉、劉両氏共現職を辞し、神壇を済南府城内の劉氏の邸内に移し、大正十年旧二月九日済南道院の設立となつたのであります。それより、入信帰依者続出して参りまして、今や南北支那の主要都市殆んど洩らす所なく道院を設置するに至つたのであります。
日本に於ては道院は多く、大本の別院、分院、分所、支部に併置されてあるのであります。
老祖は日本の天之御中主大神に相当する神でありまして、道院では至聖先天老祖と申上げ、至尊至貴の神として祭祀する外にその下に万教同根の意義を如実に示して、世界の代表的五大教祖を合祀されてあるのであります。五大教祖とは、老子(道教)、釈迦(仏教)、マホメット(回々教)、キリスト(基教)、項先師(儒教、孔子の師)でありますが、その外にも諸神諸仏諸聖賢をも合祀されてあるのであります。
道院の道は即ち惟神の大道の道の謂であつて、道教よりとり来つたものではないのであります。故に道院は単なる宗教ではなく、先天の惟神の大道に依つて世界を改造せんとする純真なる信仰団体であるから、皇道大本の教と一致するのであります。既成宗教が何れも人造的見解を立て、本来の使命を果さないので、各宗教共それぞれ開祖立教の真精神に帰つたものがあれば、之と協力し、更に未だ到らず迷へるものを嚮導して世界の和平大同を促進せんとするのが根本でありますから、極めて包容的であつて、従来の信仰そのままにても差支なく、それぞれの開祖を通じて根元の主神に接せよといふのであります。それ故、その正式大祭の外四月八日釈迦の誕生日には仏教徒の外他宗派の人々も一堂に会して神前に額づき其歓びを共にし、又十二月二十五日のクリスマスには基督信者のみならず他教の人々も相共に道院に集り祭典に奉仕してその歓びを頒ち合ふのであります。
道院の院則の中に道務として左の通り挙げてをります。
道務
一、道徳を崇尚して以て大同を企つ
二、道旨を闡揚して以て化度を宏む
三、学校を設立して以て平民を恵む
四、善挙を力行して以て倫群を利す
五、実業を興弁して以て慈欵を裕にす
更に規約として一、道範を奠む、二、道規を守る、三、道功を重んず、四、道務を尽す、五、道誼を敦くす、とあり、又戒律には、
六箴=守実、誡悪、去愚、守寂、居誡、警思、
四去誡=去矜、去急、去偏、去躁、
十誡=誡不倫、誡不徳、誡不暴、誡不慈、誡隠善、誡残害、誡詭秘、誡嫉侮、誡軽褻
とあり、何れも自己を修め、日曜日毎には黙々として過し、毎月朔日、十五日には、神前に跪坐礼拝黙祷をささげて省赦を求めることになつてをります。
乩(扶乩)
神示は凡て乩示に依るのでありまして、之を扶乩と申します。昔時(唐の時代)某僧が山中にて途に迷ひし時、両童子が柳の枝の両端を互に持ち砂上に文字を書いて居るのを見、この法によつて神示を得る事になつたのが、支那に於ける乩の初まりであります。巫の字、筮の字は象形文字として乩の形容並に意義を現したものであります。
現今用ひらるる乩は乩筆(木筆ともいふ)というて約三尺ばかりの木の棒の中央に五六寸程の小さな先きの尖つた棒を丁字形に取りつけたものと、沙盤というて巾二尺四五寸、長さ三尺位の浅い箱に細沙を平かに盛つたものを壇上に置き、一人は西面して右手に、一人は東面して左手に棒を支持するのであります。そして神位は南面さるるやう壇上に供物を捧げ、沙盤の下手の壇上には灯明、焼香等の設備をするのであります。字は一字々々現はれるのであるが、写字の速度は通常一時間に千二三百字、速い時は二千二三百字であります。
又此の沙字の外、木筆に毛筆を括りつけて、書や画をかかれる事も自由であります。之を書画壇といひます。欧米のプランセット又はコルペイユ等の自動書記と異なる点は二人でやることであります。
壇訓=扶乩に依つて示されたる訓示を壇訓といひ、道院では絶対に信頼され尊重され、又壇訓通りに何事も実行されてゐるのでありまして、此の点頗る嘆賞すべきであります。壇訓を仰ぐ時には神座を設け、灯明を点じ、香を焼き神饌を献げて、これに奉侍する人は極めて敬虔静粛に進退して、最も神聖なる行事となすものでありまして、愈々乩筆を支へ持つ二人(纂者)が鎮魂状態に入れば乩筆は自ら動いて沙盤の上に文字を書き現はすのであります。文字は神前の方より見る様に書かるるのであつて、纂者より見れば横になつて現はれる、その沙の上に書かれし文字を側にあつて読み上げるのが宣者で之を筆録して行くものを録者といひ、かくて文字が続けざまに出て文章をなすのでありまして文字は読み上げらるる毎に纂者の手によつて板にて消されてゆくのであります。
その降臨さるる神霊には、老祖を初め、五大教祖、其外諸々の神仙聖仏があつて、何れも最初に其如何なる神霊であるかを示され、やがて種々の訓文が出るのであります。其文体の如きは神霊に依つて各特徴があります。
世界紅卍字会といふのは、即ち道院の趣旨に依るところの、実際的方面に於ける社会事業団体であつて、道院との関係は恰も皇道大本と人類愛善会との関係に似てゐるのであります。
世界紅卍字会は、総て道院の壇訓に依つて諸種の社会事業に従事してゐるのであるが、支那の国状に即して物質的救済事業に主力を置いて天災地変による罹災民の救済や、窮民に対する施粥の如き、失業者に対する授産場の設備とか、貧民子弟の為の学校経営、感化院、残廃院の設立、無料診療所、慈恵院の設備の外、傷兵難民の救護、戦死者の埋葬等迄もやつてをりますが、之は目下の支那は日本のやうに赤十字の完全な設備がないために最も必要なものとなつてゐます。
○
救世新教悟善社は道院と姉妹関係になつてゐます。
○
聖道理善会在理会とは昭和六年十二月、奉天に於て提携が成立したのであります。この在理会は明朝の末期から清朝の初めに起つた宗教的の結社であつて、其信者は北支那及び満洲に亙つて非常の多数に上つてゐます。
開祖は羊祖と申し、南海大土聖字仏、即ち観世音菩薩よりの直伝によつて悟を開いたといはれてゐます。孝悌、忠信、礼義、廉恥を宗旨とし、異端を崇敬せぬ事、法術を用ひざる事、儒教を補つて道を明かにする事、王化を助け人心を匡す、教を弘め世人を導く、奇矯をなさぬ、出家僧の如く山に隠れ行などをせぬ等が其教旨の主なるもので、学者的よりも実行主義であり、絶対に禁酒、禁煙を実行してゐます。本部は天津にあり、教会の数は支那全土に三千あるといはれてゐます。
○
在家裡は在理会と兄弟分で、今より二百余年前青幇と同じく羅祖より出でたものであります。上海及び長江一帯では青幇と紅幇とが一大勢力をもつてゐますが、山東より満洲にかけては、青幇でも青幇といはず、在家裡といつてゐる位有勢であります。大連よりハルピンに至る満洲の各都市には千名乃至三千名以上の幇員があつて、軍人、商工、官吏の入会者多く、社会的に一大潜勢力をもつてゐます。在家裡の宗旨目的は、心身の修養と、幇員の共存共栄であつて、社会的職業的に幇員の互助につとめ、苟も会員たる以上は何程の困難災厄に対しても、又それが何れの地で如何なる階級の会員でも、一度入会の地と老師の姓名とを説明すれば、その生命と財産は救助維持さるるのであります。ただ在家裡の内容は絶対秘密で、親子兄弟と雖も、会員外の者に対しては内容に就て語らないのであります。
○
昭和七年六月十八日、奉天に於て蒙古の喇嘛教との正式提携が成立し、提携書を交換して共に活動を誓つたのであります。
○
白色旗団は本部を南独逸ウエルデンベルグ、ブフリンゲン市に置き、現在の統率者はシュヷイツエル博士であります。
その発端は北米で、一八二〇年鍛冶職の息フイネアス、バーカスト、キンビー氏が開祖であります。独逸に輸入せられてより、僅々数年間に数百万の同志を得、ライン河畔に療養所を設け、心霊治療や精神修養をやつてゐます。その綱領は、
『人間の凡ての思想と行為とを霊化せしめ、神人合一の達成と、地上天国の実現を目標として現代人類間に潜伏せる癌を散らし、世界同胞の帰一に依て宗教的倫理的社会的根本問題解決の実際的効果を挙げんとす』といふのであります。
大本との提携は大正十五年五月、ブフリンゲン市に於て行はれたのであります。
○
万国白色連盟は一種の世界統一運動の精神団体であつて、統率者はベートル、ダーノフ氏であります、本部はブルガリヤ国ソフイヤ市郊外にあります。その教旨は、(一) 一つの新らしき精神的の光によつて人間の霊性を啓発すること。自然の進化と人間の霊魂の進化を規則正しくする法律に関する積極的知識と真の感念を得しめること。
(二) 人間の心の中に最高の感覚を注ぎ込んで、人間の心を崇高化すること。
(三) 人間の中から人生に於ける活動的創造者を造り出して人間の心に真の力を与へること。
であります。
大本との提携は昭和三年であります。