文献名1惟神の道
文献名2よみ(新仮名遣い)
文献名3活きた宗教の建設よみ(新仮名遣い)
著者出口王仁三郎
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備考出典不明
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目次メモ
OBC B123900c004
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宗教本来の価値は、内容は既に死滅して大殿堂のみが残ってゐる。今日の宗教は弔祭仏事、檀家と寺との関係はあっても人間と仏との霊的関係は絶縁の状態に置かれてある。最早今日の宗教は外部的の改善ぐらいでは駄目だ、いはゆる復活の見込が立たぬ。既成の教義や信条を肯定したままの改善は、表面から如何に立派でも遂に破綻は免れない。要するに既成宗教の根本に致命的な欠点があるからだ。大改革の時機は到来したのだ。
学者らの宗教改革論はあっても既成宗教そのものを新しく解釈したまでだから、活きた新宗教の基礎とはならない。幻想的な迷信くさい所に引張り込んで求道者を誤魔化すといふだけである。
既成宗教の何物にも囚はれず、思ひ切って不合理の点を大胆に改善して現代人の要求に足るべき活宗教の建設を計ってゐる、否、実行宣布してゐるのが大本であって、天下唯一の真宗教であるのだ。宗教信仰の徹底はいふまでもなく、神に対する確乎たる信念にあるが、その神がまた闇黒の存在であってはならぬ。この意味において神の正体を明示する必要がある。
英国のホップス博士曰く「宗教は丸薬の如し、噛み砕くべからず、丸薬を鵜呑みにすれば効あり、分析して内容を知る時は効力なし、蛍火も暗夜には光を放ち、太陽に照らされて光を失ふ、人生の燈台たる宗教は今や生命なし、現代の既成宗教には知識階級なし、それは矛盾と不合理に充たされて科学的に権力が零だからである」と。
現代の宗教を生かし、改良せむとするは死者に医薬を与へむとするに同じ、檀家や周囲の手前お勤めにやってゐるが、心底より真に礼拝する宗教家はごく少ないのが事実である。自宗の教義学説に対しても疑義を抱いてゐながら、公然発表すれば異端視されるおそれがあり、教団より排斥されるから沈黙を守ってゐる無気力者が多いのだ。お目出度い連中か精神異常者のみの既成宗教。