文献名1惟神の道
文献名2よみ(新仮名遣い)
文献名3自主的精神に基けよみ(新仮名遣い)
著者出口王仁三郎
概要
備考水鏡所収「自主的精神」とほぼ同じ
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ページ42
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OBC B123900c015
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本文
我が国は開闢の初めより、神様が世界の宗主国として造られた自主的神国であります。故に地上一切の中心となって世界万国を指導すべき神国であります。一切のものには総て中心があります。地球上国を樹つるものその数幾十にあまる有様であるが、我が国のやうに神代から皇統連綿として天壌無窮なる国家はありませぬ。故に我が国民は政治、宗教、教育、一切自主的精神を持ってあくまでも我が国風を発揮しなくてはならない使命を持ってゐるのであります。
しかるに現代の日本人は外尊内卑的精神に習慣づけられ、依頼心のみ旺盛になって来たやうであります。子弟を教育するにも莫大な学資を投じ、やっと高等学府を卒業さした目的は、大商店の支配人になるとか、或は米搗きバッタの変化たる代議士になるか、蓄音機の化けものたる教育家になるか、人の褌で相撲をとる伴食大臣や地方長官になる位が、最大高級の目的であります。一つの事業をなすにも自主的精神が欠けてゐるから、現代に時めきわたる政治家や、代議士の古手、博士、大実業家などの名を並べさへすれば、如何なる事業でも成功するやうに思ってゐる。初めから如何なる事業といへども人の援助を受けたり、賛成を得てやろうといったやうな薄弱な意志では決して成功するものではありませぬ。一つの事業を完成しようと思へば、少なくとも十年間の自主的刻苦経営を経なくてはなりませぬ。その上信仰、忍耐、正直の三つのものを活用しなくては結局駄目であります。
現代人のやることを見てゐると、政治家や華族や博士などの名を並べたてて主義や綱領の立派な事は、大政治家も聖人君子も裸足で逃げるほどである。しかしそれはただ単に売薬屋の効能書きに過ぎない。我々は真の日本人である以上、名望家の応援を受けたり、補助などを仰いで事業をやりたくはないのであります。さう云ふやうな薄弱な意志では、有終の美果を収めることは出来ないものであります。