文献名1惟神の道
文献名2よみ(新仮名遣い)
文献名3真の宗教よみ(新仮名遣い)
著者出口王仁三郎
概要
備考水鏡所収「真の宗教」とほぼ同じ
タグ
データ凡例
データ最終更新日----
ページ77
目次メモ
OBC B123900c023
本文のヒット件数全 0 件
本文の文字数870
その他の情報は霊界物語ネットの「インフォメーション」欄を見て下さい
霊界物語ネット
本文
宗教の宗の字は、国語にて宗と訓ず、宇宙一切の経緯を示すと云ふ意味である。ウ冠のウは、天地万有一切を生み出す神の経綸と云ふ言霊であり、下の示すと云ふ字は、天地人開くと云ふ意味である。宗教と云ふ意味は天地人一切に関する根本の真理を開示し、神の意志によつて人心を導き、民ををさめ、一切の万有を安息せしむべき意味が含まれてゐる。故に宗教は、天文、地文、政治、教育、芸術、経済、その他ありとあらゆるものに対し、根本的解決を与ふるものの謂ひである。
今までの既成宗教は何れも天に傾き、地に傾き、あるひは心に傾き、そして一切の人間界と乖離して居る傾きがある。現実界を疎外し厭離穢土だとか、苦の世界だとか、火宅土とか、種々軽侮的扱ひをなし、しかして目に見えない霊界を讃美渇仰し、人間生活の要諦にふれて居ないものばかりである。中には立派な宗教と現代人が思つてゐる教理は、人間の慣性たる五倫五常の道を専ら説いて宗教の本旨に副つたもののやうに思つてゐるのが多い。試しの道の心得だとか、八ツのほこりだとか、五戒十戒だとか、地上の人間に対し禁慾的の教理を教へ、神仏は非常に尊きもの、恐るべきものとして、ほとんど人間の近づく事が出来ないものの如く習慣づけて来たものである。
人間は生まれながらにして善悪正邪の区別は知つてゐる。教ふるものは今日の曇りきつた人間の知識を以て測知すべからざる真理を教へてこそ、初めて宗教の価値もあり権威もあるのである。バイブルを調べても、釈迦の一切経を調べて見ても、いたづらに文句を長たらしく並べたのみで、これと云ふ一つの竜頭を認める事が出来ない。故に既成宗教を調ぶれば調ぶるほど、迷ひを生ずるのみであつて、いたづらに時間を空費するのみである。故に今日まで、宗教が人心によい感化を与へた事は少々あつても、至粋至純なる天賦の精霊を混濁せしめたことも甚大である。さうして今まで地上は宗教あるが故に残虐なる宗教戦も、度々繰返された。
要するに宗教なるものは地上一切の経綸に対し、根本的に指導すべき使命をもつて居るものでなくてはならないのである。