文献名1惟神の道
文献名2よみ(新仮名遣い)
文献名3軽挙妄動を慎めよみ(新仮名遣い)
著者出口王仁三郎
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備考出典不明
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ページ114
目次メモ
OBC B123900c037
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本文
日本はいよいよ正式に国際連盟を脱退の手続をとる事になったが、その次に来たるものは何であるか、世間では二つの見方をしてゐる。その一つは、日支の関係がこれによって一層険悪の度を加へ、ここに世界大戦の端を発するだらうと云ふ観察。その二は、いま全世界は経済的な悩みのために、よその事などには関係してゐられない、露国はまだ国力充実の一歩も二歩も手前にあるし、米国は自身が破産に瀕してゐる。独仏は微妙な関係にあって、一歩を謬るとき、武力に訴へねばならぬところへ来てゐる。だから日本が極東において何をしようと干渉することは出来ないと云ふのである。
これはどの見方にも相当の理由と真理があるが、なぜ日本の言ひ分が寿府において四十二対一で否定されたかと云ふことを知れば、今後、日本がいかなる艱難の道を行かねばならぬかに思ひ至るであらう。世界の人間の頭には、物質以外に何物も無い。黄金の力が総てを解決すると信じてゐる。しかるに日本は皇道を宣揚し、精神の力で世界を統一しようと考へてゐる。ここにユダヤ人の文明と日本人の文明との衝突が必然のものとなって来る。日本、満州国以外の国では、ユダヤ人の黄金万能に中毒し皇道を唱へる日満を目の敵と考へてゐる。ここで日本をやってしまはねば、十年百年の後に、世界は日本主義に征服されぬとも限らぬと心配しはじめたのだ。したがって露、米、英、仏などが一体となって、日本に攻め寄るであらうことは想像に難くない。それは明治二十五年から、神諭に明らかに示されてある。そしてその後もしばしば警告されてゐる。
世界が、満州国を承認するのしないのと云ってゐるのは、泥酔者の寝言にすぎないと同時に、実を云ふと満州を承認するとしないが大問題でなく、日本精神文化の威力に脅え、満州問題にケチをつけて、そこから騒動を惹き起し、日本の立場を悪くしようとしてゐるにすぎないのである。世界は一腹になりて来ると云ふ神諭の通りの日は遠からず来るであらう。しかも世界各国は、すぐれた兵器を完備させてゐるから、日本も、日清、日露の戦争に勝った夢をいつまでも見てゐることは出来ない、充分の覚悟を必要とする。
が、いつも云ふ如く日本は神国である。神の御心に副ひ奉る精神を体した国民が滅びては、世界はつひに浄められぬであらうから、最後に日本が勝つのが神の御心である、軽挙妄動をなさず、どこまでも神の大御心にまかせ奉って、静かに時の去来にまかせるべきだと思ふ。