文献名1惟神の道
文献名2よみ(新仮名遣い)
文献名3精神的訓練の必要よみ(新仮名遣い)
著者出口王仁三郎
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備考出典不明
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ページ117
目次メモ
OBC B123900c038
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本文
日本はいよいよ国際連盟脱退を正式に通告し、畏くも大詔を渙発せられた。
「方今、列国ハ稀有ノ世変ニ際会シ、帝国亦非常ノ時艱ニ遭遇ス」
と仰せられてゐる如く、今日の日本はもう誰も云ひ古してゐる如くに容易ならざる時機が来てゐる。日本は非常時にある。が、これも実は非常時の門口、旅なら一足踏み出したばかりで、本当の国難も非常時もこれから来るのであると覚悟せねばならぬ。
寿府会議の結果、日本が連盟を脱退したと云ふ事も、認識不足なる世界代表者の為であり、また日本も常から日本の国体及びその精神を諸外国に徹底させておく事が出来なかったから起ったものであるとせねばならない。
日本人と西洋人とは総て形の上からも魂の上からも非常に相違してゐる。自然、これを同じに考へて事をすれば必ず失敗する。これは支那を相手にした場合でも同じであるが、日本人は忠君、敬神愛国と云ふ事を生命としてゐるが、支那には孔子の説いた五倫五常の道があるにかかはらず、現代支那人の腹の中からそれらは消えて、わづかに敬老尊師の美風を残してゐるに過ぎぬ。支那でも愛国と云ふ言葉を使ってゐるが、あるひは愛国心はあっても報国の念は無い。
世界各国に日本人の持ってゐるこの精神力に対する理解がないから、寿府会議の結果がああ云ふふうになったので、日本はその時から既にお筆先に示されてある如く、九分九厘になったのである。あの場合は舌の上で行はれたのであったが、日本は立派に世界を相手に大戦ひをはじめてゐるのであり、外国は一腹になって攻めて来てゐるのである。
世界は軍縮の事を重大に云ってゐるが、みんな秘密のうちに拡張を計画し、よその国には縮小させようと眼を光らせてゐる。日本に連盟脱退によって軍備の充実を計らねばならないが、最も大切なのは精神力である。如何に軍備が充実し、立派な軍器が出来たところで、それを使用する日本人の精神力が駄目になったのでは、何の役にも立たないであらう。昭和青年会、昭和坤生会を組織して今日から非常時に処する訓練をしてゐるのも、意志はそこにある。全日本の老若男女は大詔を充分に拝誦して、いつ、如何なる事が起っても、直ちに総動員をなし得る決心をつけておかねばならぬ。