文献名1惟神の道
文献名2よみ(新仮名遣い)
文献名3難局打開の鍵よみ(新仮名遣い)
著者出口王仁三郎
概要
備考出典不明
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データ最終更新日2020-05-03 19:30:48
ページ175
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OBC B123900c059
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畏くも天の下を平けく安らけく知ろし食し給ふ御天職を惟神に享有し給ふわが天津日嗣天皇が豊葦原の瑞穂国(全地球上)を道義的に統一せらるる機運は今や刻々に進みつつあるのである、即ち日本国の皇道の光が八紘に輝く時が到来したのである。
輓近人心の不安、世路の困難はその極に達し、実以て暗黒無明の世の中となり、いはゆる「天の岩戸隠れ」の状態であって、世界は経済的にも、精神的にも全く行き詰ってしまったのである。この行き詰りを打開し、暗黒世界に光明を与へる唯一の鍵は、わが日本に日月の如く、厳として保有されてあるのである。
王道とは、覇道とか、また憲法政治とか、共和政治とか、デモクラシーとか、マルクス主義とか、その他聖人や賢哲が唱へる総ての社会経綸説やまた釈迦、孔子、キリスト等の道義的教義は、ただ今日までの世界の破滅、人心の堕落を弥縫補綴すべく用ひられたくらゐのもので、今後の社会政策に対しては、何らの権力も効用もないのである。
孔子の生まれた支那の現状は、あの通り闇黒で百鬼昼行の状態、また釈迦の生まれた印度は、この地に極楽浄土を出現せしめようとしたのに、今は英国の支配下にあり、極端な圧迫を受け、わづかに人民はその命脈を保ってゐるのみである。更にキリストの出たユダヤは、天国を地上に樹てむと考へたけれども、二千年を経過した今日において、これまた闇黒無明の地獄の状態である。要するに、これらは世界の人心を一時緩和した利益はあったけれども、今後の世の中は、少しも間に合はぬものとなってしまったのである。
これをたとへて云へば、月が出ると星の光が薄くなり、太陽が出ると月も星も光を失ふのと同じである。この星的位置にある古今諸賢哲の道義的諸説は、今後影を没する運命にあるのである。
崇神天皇が和光同塵の御政策により、これらの教を我が国に取り入れ給うたのは、日本が世界の中心国であり、宗主国であるから、一先づ世界のあらゆる文明を日本に引き入れて、これを浄化し、精神的文明と物質的文明の調和を図り皇祖皇宗の御遺訓によりて、世界万民を治め給ふ時機を待たせられた為である。
今や、天運循環の神律によって、日本が世界を統一すべき時機が到来したのである。しからば日本は何によって世界を統一し、指導して行くか。いはく、皇道即ち惟神の大道によるのである。この道以外には、現代の難局を打開し、今後の世界を統一すべき道は断じてないのである。