文献名1惟神の道
文献名2よみ(新仮名遣い)
文献名3日本と世界の縮図よみ(新仮名遣い)
著者出口王仁三郎
概要
備考「神霊界」大正七年五月一日号所収「宗教と政治(二)四 蜻蛉のトナメの真意義」の抜萃・再編
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本文
日本人が日本国を讃美するのは、お国自慢の例の癖からであると云ふものがある。日本国は天国の移写であると云へば、少しばかり似て居たとて、直ちに移写とは早計であると云ふ者がある。
天地初発の時において、天地の父母の神は、大地球国土を産み給うたが、特に御心を傾けて産み給うたのは、豊秋津洲であった。この豊秋津洲にはその核とも称すベき、同形小型の国が成立してゐて、これを「根別の国」というたのである。
豊秋津洲は地球である。根別の国は我が日本国である。大祓詞に豊葦原瑞穂国とあるは豊秋津地球の別名で、大倭日高見とは根別日本国の別名である。
試みに世界地図を披いて、世界各国の地形と、日本国の地形とを比較研究せられよ。その如何に類似しその同一典型に出でたるかの俤を認むるに難くないであらう。世界の各大洲には、古来幾多の変遷があったに相違ない。日本の地形にも幾多の変遷があったのである。かく双方に幾多の変遷を重ねた大小の秋津洲は、今やその形容をはなはだしく変化せしめては居るが、神誓神約の太古の趣きは今なほ髣髴として認むるに難からざる次第である。即ち
濠洲==四国
アフリカ==九州
北アメリカ==北海道
南アメリカ==台湾
欧亜本土==本州
である。右の対照を地図の上において精査したならば、何人も思ひ半ばに過ぐるものがあるであらう。
神武天皇が腋上嗛間丘に登りまして国状を廻望し給ひ、
「妍哉乎。国之獲矣。雖内木綿之真迮國。猶如蜻蛉之臋呫焉」
と仰せられたのは、この大小秋津洲の環物状を為して、互ひに密接の関係のあるを示させ給うたのである。
要するに日本は地の中枢である。文芸、宗教、教育、その他あらゆるものの枢府である。寒帯に枕し熱帯に脚を延ばし、あらゆる気候、あらゆる土質風土の凝聚地である。即ち世界一切の小縮写である。否、世界万邦の中つ国として、万国統治の中府である。霊域である。
地球が天球の縮図であり、日本国が地球の縮図である以上、歴史が変遷して大小秋津洲が、今や相疎隔してゐるが、すべてのものは必ずその根本に立ち還るベきであるから、皇典古事記の光が世に出て、日本国内の整理が充分に行はれ、本来の面目に復帰した時には、必ずや世界の大統一が実現して、天国本来の寂光土がこの世に発現すべきは何ら疑ひなき事である。